アロンアルファなどの瞬間接着剤はすぐに物をくっつけたいときに便利です。しかし、手指などの皮膚、衣服、意図しない場所(家具や床など)について、剥がれなくなると困りますよね…。
瞬間接着剤はすぐに洗い流してもとれないことがほとんど…。でも、実は瞬間接着剤は落とし方のコツを知っていれば落とせます。
ここでは、素材別(プラスチック・金属・ガラスなど)の瞬間接着剤の落とし方を紹介していきます。
よく付きやすい手や指などの皮膚に付いた場合は、お湯につけ揉み洗いすれば落ちますよ!
瞬間接着剤を落とすのは時間との勝負(なるべく早く対処したほうが落としやすい)のため、参考にしてくださいね。
ちなみに一番安心なのは、瞬間接着剤を買ったときに一緒に専用のリムーバーを買っておくことです^^
たとえば、アロンアルフアならアロンアルフア はがし隊とかですね!
瞬間接着剤を落とす3つの方法
瞬間接着剤を落とすには、物理的剥離・科学的剥離・機械的剥離の3つの方法があります(参照:接着剤のはがし方とトラブル対策)。
ちなみに瞬間接着剤が手や指などの皮膚についてしまったときは、熱めのお湯に15分以上浸すことで落とせます(物理的剥離)。
物理的剥離
加熱法…60~90℃の熱を加えてホットメルト接着剤を落としたり、ドライヤーの温風を当ててシアノ系接着剤を落とす方法です。
温水法…瞬間接着剤が付いたものを30~60分沸騰したお湯に浸けて落とす方法です。耐熱性があるもののみに対応しています。
水浸漬法…水性の接着剤を落とすときに、水に1~2日浸して落とす方法です。
低温剥離法…接着物をマイナス10℃まで冷やし、力を加えて剥離する方法です。ホットメルト接着剤、エポキシ樹脂系接着剤を落とすときにもこの方法が使われることがあります。
科学的剥離
科学薬品を使って落とす方法です。
剥がし液には種類がたくさんありますが、アセトン、DMFなどのシアノ系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系アルコールやシンナーのトルエンなどがあります。
トルエンはプラスチックを溶かしてしまうので使わないようにしましょう。
機械的剥離
削ったり切ったりと力を加えて剥がす方法です。
エポキシ樹脂系接着剤やウレタン樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系の瞬間接着剤を落とすのに向いています。
【素材別】瞬間接着剤の落とし方
自宅で簡単にできる瞬間接着剤の落とし方をそれぞれ接着したモノや素材別に紹介していきます。
アセトン(除光液)、アイロン、ラップ、剥離剤、サンドペーパー、ガーゼがあれば、あらゆる落とし方に対応することができます。
アセトンや剥離剤を使うときは必ず換気し、サンドペーパーを使うときはマスクをして吸い込まないように注意してください。
手荒れを防ぐためのポリエチレン手袋や保湿クリームも準備しておきましょう。
手(皮膚)に付いた場合
手などの皮膚に瞬間接着剤が付いた場合、お湯・アセトン・手肌にやさしい剥離剤の3通りの落とし方があります。
お湯につける方法
まずは、42℃くらいの熱めのお湯に手を浸して瞬間接着剤を緩めてみましょう。
長ければ長いほど良いのですが、手の脂を取り去ってしまうので敏感肌や肌荒れが気になる方は5~10分で構いません。
お湯の中で揉んで徐々に緩めてください。
その後、クリームを塗って保護しながらクリームの油分で残った瞬間接着剤を落としていきしょう。
完全に取れない場合でも、3~4日すればターンオーバーで自然と皮膚が剥がれると同時に落ちるので、それまで不快ですが心配はいりません。
アセトン(除光液)を使う方法
ネイルアートをオフするときに使うアセトンを塗って落としていきましょう。100均にも売っています。
アルコールも入っているため、敏感肌の方は刺激を感じる場合があるのでこの方法は向いていません。次の手肌にやさしい剥離剤で落とす方法を参考にしましょう。
落とせたらクリームを塗って手肌を保護してくださいね。
アセトンで落とせない種類の瞬間接着剤もあるので、手肌にやさしい剥離剤を使ってみましょう。
手肌にやさしい剥離剤『ディソルビット』を使う
出典:Amazon
天然のオレンジオイル配合の、手や環境にもやさしい剥離剤のディソルビットで落としてみましょう。
ディソルビットは、油汚れやシール剥がし、インク落としなどにも使えるので、1つあると便利ですよ。
瞬間接着剤が付いた部分に塗布し、5分ほど待てばスルっと落とせるはずです。
オレンジのニオイが強いので、ペットを飼っている方など気になる方は事前に換気して行うか屋外で落としましょう。
最後は、ハンドソープで手を洗ってクリームで保護してください。
服に付いた場合
服に瞬間接着剤が付いた場合、洗濯では落とせません。
付いてすぐならお湯に浸けて緩めることは可能ですが、瞬間的に乾いてしまうので難しいでしょう。
アセトン(原液がベター)やアイロンを使って落としてみましょう。
アセトン除光液を使う方法
アセトン除光液でも良いのですが、除光液にはアルコールや保湿剤なども入っているのでできれば原液を用意した方がベターです。
ほかに、コットンとガーゼを準備しましょう。
窓を開けて換気し、コットンにアセトンを染みこませたら、瞬間接着剤が付いた部分にトントンと叩いていきます。
こすると緩んだ瞬間接着剤が拡大してしまうので、こすらないように叩いてください。
瞬間接着剤が落ちたらぬるま湯ですすぎ、通常の洗濯をしましょう。
注意ポイント
アセトンは衣類によって色落ちしたりシミになったりと傷んだりすることがあります。目立たないところで試してから落としにかかりましょう。
衣類など布製品に付くと完全に落とすのは難しいので、汚れても良い服を着て作業するなど注意してくださいね。
アイロンの熱を使う方法
瞬間接着剤をアイロンの熱で溶かし、ガーゼに移して服の瞬間接着剤を取っていく方法です。
アイロンを低温にセットし、服の裏表にガーゼの当て布をしましょう。
アイロンを当ててガーゼに熱で溶けた瞬間接着剤がくっついたら、再度キレイな面を当て布し、アイロンの熱を当てて移していくという工程を繰り返してください。
机に付いた場合
机に瞬間接着剤が付いた場合は,アセトン(除光液)か剥離剤で落としていきましょう。
アセトンを使う方法
アセトンとコットンとラップを準備しましょう。
アセトンをコットンにたっぷり染みこませ、瞬間接着剤に乗せたら10秒ほど置いてパックします。
アセトンが染みこんで瞬間接着剤が緩んでくるので、そのままコットンでこすり取っていきましょう。
取れるまで繰り返します。
注意ポイント
アセトンは、机のコーティングを剥がす可能性があり、ツヤが無くなることがあるので目立たないところで試してから落としましょう。
剥離剤を使う方法
剥離剤を瞬間接着剤に塗布し、ラップで覆い15分パックしましょう。
いらない布などで緩んだ瞬間接着剤を拭き取ってください。
注意ポイント
瞬間接着剤の種類によって落とせる溶剤が異なるので、瞬間接着剤の成分を確認してから落とせる剥離剤を購入するようにしましょう。
床に付いた場合
床についた場合、ワックスなどのコーティングを剥がさないよう専用の剥離剤がおすすめです。
専用の剥離剤を使う方法
出典:Amazon
木材専用の瞬間接着剤の剥離剤でおすすめなのは、アロンアルファ剥がし隊です。
木材にも使えるので当然フローリングなどの床にも対応しています。
剥離剤を2~3mmの厚さになるよう瞬間接着剤の上に塗布し、3分待ちます。
時間になったらいらない布などで拭き取りましょう。
1度で落とせなかった場合は上記の工程を繰り返してください。
注意ポイント
専用の剥離剤で落とす方法が失敗が少ないのですが、変色やシミになるなどのリスクはゼロではないので注意が必要です。
アセトン(除光液)を使う方法
アセトンをガーゼなどいらない布に染みこませたら、瞬間接着剤に当ててトントンと叩いて落としていきましょう。
注意ポイント
無垢材には使えない方法なので注意しましょう。
無垢材以外の床の場合も、目立たないところで試してからにしてくださいね。
サンドペーパーを使う方法
瞬間接着剤の厚みがある、アセトンで落とせないという場合は、サンドペーパーの1000番で木材を削らないよう注意しながら削り落としてみましょう。
床が傷つく可能性が高いので、瞬間接着剤の周りをセロハンテープやマスキングテープなどを貼って養生してください。
ある程度けずれたら、再度アセトンや剥離剤で落としてみましょう。
プラスチックに付いた場合
プラスチックに瞬間接着剤が付いた場合、剥離剤によっては溶かしてしまうものがあるので注意しましょう。
まずはお湯、使用可能な剥離剤、サンドペーパーの順に試してみてくださいね。
お湯につける
沸騰したお湯にプラスチックを入れ、高温の状態をキープするために火を付けたまま1時間ほど様子を見ます。
時間が経ったらトングなどで取り出し、瞬間接着剤を剥がしましょう。
注意ポイント
プラスチックによっては高温で溶けてしまうものもあるので、事前に耐熱温度を確認し、火にかけているときも注意して観察してくださいね。
プラスチックに使用可能な剥離剤を使う
- ポリプロピレン
- ポリ塩化ビニル
- ポリアセタールなど
これらは溶剤に強いプラスチックですが、
- ポリスチレン
- ポリカーボネート
- アクリル
- ABS樹脂
- AS樹脂
などはアセトンなどの溶剤に弱いことが多いので注意が必要です。
プラスチックの素材が分からないときは剥離剤以外の落とし方を試してくださいね。
サンドペーパーを使う方法
サンドペーパーの1000番と2000番を準備しましょう。
削りたくない部分をマスキングテープなどを貼って覆ってください。
まずは目の粗い1000番でおおまかに削り、2000番の目が細かいサンドペーパーで平らにしていきましょう。
プラスチックの黄ばみが気になる場合は下記記事をさんこうにしてくださいね。
(関連記事:プラスチックの黄ばみを落とす方法!エタノールは意味ない!)
金属に付いた場合
金属に瞬間接着剤が付いた場合、削ってしまうと傷が付いてしまうので、アセトンや剥離剤、ミネラルオイルを使って落としていきましょう。
アセトンはコットンに染みこませてこすり落とし、剥離剤を使う場合は瞬間接着剤に塗布してラップで覆い、3分経ってからいらない布で拭き取って落としてください。
出典:Amazon
ミネラルオイルというのは身近なものでいえばベビーオイル。
コットンに染みこませてこすり落としてください。
ミネラルオイルを使うとヌルヌルするので、中性洗剤で洗いましょう。
ガラスに付いた場合
ガラスに付いた場合は、アセトンや剥離剤で落とし、それでも落ちない場合は削り落としていきましょう。
アセトンを使う方法
アセトンをコットンに染みこませたら、瞬間接着剤に塗布しこすり落とします。
落ちにくい場合は、コットンを貼り付けてラップで覆い15分パックしましょう。
時間が経ったらコットンでこすり落としてください。
剥離剤を使う方法
ガラスに使える剥離剤を使って落としましょう。
瞬間接着剤に塗布したらラップで覆い、15分ほどパックしてください。
時間が経ったらいらない布などで拭き取って完了です。
削った後にアセトンを使う方法
アセトンなどで落とせない場合は、瞬間接着剤が厚いことが原因で落とせないことが多いので薄くなるまで削ってみましょう。
マスキングテープなどで削りたくない部分を覆ったら、サンドペーパーの1000番で接着剤部分のみを削っていきます。
ある程度薄くなったらアセトンや剥離剤を使って落としてください。
注意ポイント
傷が付いてしまうので、サンドペーパーのみで削り落とそうとしないようにしましょう。
瞬間接着剤を落とす際の注意点
瞬間接着剤を落とすときは手肌を守るために必ず手袋をして欲しいのですが、その際はポリエチレン手袋を使ってください。
水分を吸い込みやすい手袋は、瞬間接着剤が付くと化学反応を起こして100℃にまで達することがありヤケドしてしまう可能性があるため大変危険です。
水を吸収しないポリエチレン製などの手袋を着用して作業してくださいね!
瞬間接着剤は、硬化すると落としにくくなるので、付いたらすぐに上記でご紹介した方法で対処するようにしましょう。
まとめ:瞬間接着剤が付いたらすぐに落とそう
瞬間接着剤は、さすが瞬間というだけあってすぐにくっついて乾いてしまいますよね。
瞬間接着剤の落とし方を知っているのと知らないのでは、落ちやすさに差が出てしまいます。
できれば瞬間接着剤が乾ききる前に落としてくださいね。
瞬間接着剤を落とす際にはポリエチレン手袋など水を吸わない素材を着用しましょう。
乾ききってしかも厚みがある場合は、サンドペーパーで削って薄くし、表面を凸凹させて面積を増やしアセトンや剥離剤などが染みこみやすくなるようにしてください。
服に付くと完全に落とすのが難しいので、作業する際は汚れても良い服装で行いましょう!