最近はDIY女子というワードがトレンドになったり、自粛の影響もあり、DIYする人が増えましたね。
特に家具や雑貨にペンキを塗ってリメイクしたり、ペイントしたりするのが人気のよう!
しかし同時に増えている悩みが「ペンキの落とし方がわからない」こと…。手や服などはもちろん、養生が不十分で壁や床、車などにペンキをついてしまうことが多々あるようです。
ここでは、場所別のペンキの落とし方を紹介していきます。
ペンキ落としは、業者じゃないと手に入らない…なんて道具を使わず、家にあるモノからホームセンターで手に入るアイテムを使って落とせます!
ペンキとはどんな塗料・成分なのか、とあわせてまとめていますので、参考にしてくださいね。
ペンキとは?どんな塗料のこと?
ペンキの落とし方は、ペンキの種類によって異なります。まずはペンキの種類や成分についてくわしくみていきましょう。
ペンキの成分
まずはじめにペンキという塗料は以下の成分で構成されています。
顔料 | ペンキの色を形作る粉末のこと。 |
樹脂 | アクリル・シリコン・フッ素・ウレタンなど塗膜となる成分。樹脂によって耐久性が異なるため価格も変わってくる。 |
硬化剤 | 樹脂を固める成分。 |
添加剤 | ペンキの中に微量配合されているもの。(塗りやすくする成分や、液だれ防止成分や防カビ剤など) |
溶剤 | 樹脂を薄めるための成分。粘度を整える効果があり、塗りやすく仕上がりが良くなる。 |
(参考:塗料の構成成分)
ペンキの種類
ペンキには水性と油性の2種類に分けられます。
水性ペンキも油性ペンキもほとんど同じ成分ですが、溶剤に違いがあり、水性ペンキの溶剤は水ですが油性ペンキの溶剤には有機溶剤が使われています。
有機溶剤には人体や環境に有毒になるものも含めて数十種類あります。
なぜ、そんな危ない溶剤が使われるのかというと、顔料や樹脂が水で溶けにくかったりぬりにくかったりと、十分な機能を果たせないときに有機溶剤が使われることになるんですね。
ですので、溶剤を見れば水性ペンキか油性ペンキかが分かります。
水性ペンキは耐久性が弱いのか?
水性ペンキは何となく油性よりも効果が劣り、剥がれやすいのではないかと思ってしまいますが、昔に比べるとずいぶん耐久性もアップし、油性ペンキにも劣らない水性ペンキが日々開発されています。
水性なので油性に比べると断然ニオイが少なく、室内の作業にぴったり、環境にもやさしく安心・安全といったメリットがありますよ。
【場所別】ペンキの落とし方
ペンキは3時間経つと落としにくくなってしまうので、できるだけ早く落とすのがカギとなります。
溶剤には何が使われているかを見て、水性ペンキか油性ペンキなのかを確認したら、場所ごとのペンキの落とし方を見ていきましょう。
壁・床に付いたペンキの落とし方
壁や床に付いたペンキは、水性ペンキでも油性ペンキでも落とせるシールはがしスプレーがおすすめです。
ホームセンターや100均でも入手できるのですが、成分に『リモネン』が入っているものを選びましょう。
スプレーしてしばらく置いてペンキを柔らかくしたら、ティッシュなどで拭き取ってください。
厚く塗ったペンキや時間が経ったペンキは落としにくいので、多めにスプレーして対応するか回数を重ねて取っていきましょう。
また、除光液を使ってマニキュアのように落とすことができますよ。
タオルなどいらない布に除光液を染み込ませてペンキに押し当てて叩きながら落としていきましょう。
床の場合はワックスまで剥がれてしまうことがあるので注意しながら行ってくださいね。
車に付いたペンキの落とし方
うっかり車にペンキが付いてしまったら、できれば専門の業者に取ってもらうのがベストですが、カー用品店に行けばシリコンオフやコンパウンド、車用の除光液が売っているので試してみるのも1つの方法です。
落ち具合によって使い分けるのがベストですが、車に傷が付くことも考えられるので十分に注意してください。
無理にシンナーなどの溶剤を使うと車の塗装が剥げてしまうことがあるので、ペンキが落ちない場合は修理工場などで落としてもらいましょう。
ガラスやプラスチックなどツルツル素材についたペンキの落とし方
ツルツルした素材に付いたペンキは、乾かないうちであれば雑巾などで拭き取るだけでも落とせますよ。
乾いて落としにくい場合は、塗料用のうすめ液を利用してペンキを溶かして取っていきます。
ただし、プラスチックの場合は、溶剤を使うことで溶けて変質することがあるので注意しましょう。
プラスチックに付かないよう上手くペンキを溶かしていくか、ヘラを使ってそぎ落としてみてください。
コンクリートや未塗装の木材などザラザラ素材についたペンキの落とし方
コンクリートや木材などにペンキが付いてしまうと、染み込んで落ちにくくなってしまうのですぐに落としていきましょう。
乾ききる前は雑巾で拭き取ればある程度は落とすことができますが、落ちないペンキは塗料用のうすめ液を使って落としてください。
ただし、うすめ液が染み込んでしまうと下地が傷んだり、木材の場合はシミなど変色の原因になることがあるので注意が必要です。
コンクリートの場合はペンキをヤスリなどで削ったあと、モルタルを塗って対応するというやり方もあります。
服に付いたペンキの落とし方
水性ペンキも油性ペンキも中性洗剤を使って落としていきましょう。
ぬるま湯でペンキ部分をすすいだら、スポンジに中性洗剤を数滴垂らしたらペンキが付いた部分に押し当ててください。
汚れが落ちにくい場合は、使い古しの歯ブラシを使って掻き出してみましょう。
洗剤が付いた部分をよく洗い流し、通常のお洗濯をして完了です。
油性ペンキの場合は、中性洗剤の代わりにメイク落としのクレンジングオイルでも落とせます。
油性ペンキは乾くと落としにくくなるので、できるだけ急いで落とすのを心がけてくださいね。
手に付いたペンキの落とし方
ペンキが手に付いた場合、1週間もすれば自然に落ちてくれるのですが、仕事上どうしても落とさないといけない場合などは木工用ボンドを使って落としていきましょう。
ペンキを完全に乾かしたら、上から木工用ボンドを薄く塗ってドライヤーの冷風で乾燥させます。
乾いたらボンドを端から少しずつ剥がしていきましょう。ペンキも一緒に剥がれてくるはずです。
ただし、敏感肌など肌が弱い方は、角質も剥がしてしまうので手が余計に荒れたり、ボンドの成分が合わないことがあるので注意が必要です。
爪に付いたペンキは落としにくいので、爪を切り自然にペンキが落ちるのを待ち、次回からはゴム手袋などを付けてから作業するようにしましょう。
髪に付いたペンキの落とし方
水性ペンキでも油性ペンキでも乾く前にすぐ落とすようにしましょう。
水性ペンキの場合は、ぬるま湯で洗い流し、石鹸やシャンプーなどで落とすことができます。
油性の場合、ペイントうすめ液を使って頭皮に付かないよう注意して落としてください。
髪や肌が傷む原因になりますが、髪を切ることができないのであればこの方法しかありません。
落としたあとは念入りに石鹸やシャンプーなどで洗い流してください。
ペンキが完全に乾いてしまっている場合、落とすのが大変になりますが、落とし方は同じです。
うすめ液を使って念入りに落としましょう。
シャンプーには界面活性剤が含まれており、界面活性剤もペンキを溶かす役割があるので、なるべく界面活性剤が多く配合されているような洗浄力が強いシャンプーを使うのがおすすめです。
顔に付いたペンキの落とし方
顔にペンキが付いてしまったら、クレンジングオイルで落としましょう。
クレンジングオイルがない場合は、オリーブオイルなどでもOKです。
ペンキが付いた部分にオイルを付け、指の腹でやさしくクルクルと円を描くようにして落としていきます。
ペンキが落ちたら洗顔料で顔を洗い、いつもより念入りに保湿して完了です。
ペンキを落とすときの注意点
ペンキを落とすときは、オイルや石鹸などなるべく人体や環境にやさしいものを使って落としていきましょう。
溶剤を使うときは必ず換気をしてから行います。
シンナーなどの有機溶剤は引火性があるので火の元に注意し、できるだけ屋外で作業するようにしてください。
シンナーなどはニオイが強いので、近所迷惑になることがあるので注意しましょう。
溶剤は下地を傷めることがあるので、記載されている注意事項をよく読んで使用するときはくれぐれも注意しながら行ってください。
すべてのペンキの落とし方に共通するのですが、無理にゴシゴシこすって落とすと素材や肌を傷める原因となるので控えめに落とすことを心がけましょう。
ペンキが落ちないときは染み抜き専門店へ依頼しよう!
油性ペンキの場合は特に自分で落とすと輪ジミの原因になることがあるので、キレイに取りたいならクリーニングに出すのが賢明です。
素材がデリケートであるほどペンキを落とすのは厄介なので、できるだけ早くプロに取ってもらいましょう。
クリーニングに出すときは、シンナーや薄め液を使うとかえって落としにくくなるので使わないようにしてください。
ペンキが付いたらすぐに中性洗剤で軽く落としておくと服のダメージを軽減できますが、あらかじめクリーニング店に電話して応急処置の方法を聞いてみるのも良いですね。
クリーニングでも落ちない場合は、値段が高くなってしまいますが染み抜きのプロに依頼しましょう。
ペンキが付くのを防ぐ方法
ペンキが意図せぬところに付くと落とすのが大変です。
次回のDIYからは、ペンキが付くのをしっかり防いでから作業に取り掛かりましょう。
しっかり養生する
ペンキを塗る場所と塗りたくない場所を分けるために養生を行いましょう。
マスキングテープとビニール袋などで代用できますよ。
面倒な作業かと思われますが、ペンキを落とすことの方が重労働になってしまうので、あらかじめきちんと養生しておき、うっかりペンキが付くのを防ぎましょう。
汚れていい服やエプロンなどをする
ペンキを塗るときは、汚れても良い服、またはスモックやエプロンなどを着用して、服が汚れるのを防ぎましょう。
髪が長い場合は結んでひとまとめにしたり、帽子などをかぶって保護してくださいね。
爪に入ると落としにくくなるほか、肌荒れしやすい人はペンキが付くだけでなく、落とすときにも肌が荒れてしまうことがあるのでゴム手袋を着用して作業しましょう。
重要なところはプロに依頼するのが1番
ペンキが思わぬところに付くと取るのが厄介です。
自分で取ると下地が傷んでしまったり、肌が荒れたりするなどのトラブルになることもあります。
重要なところはペンキのことを熟知しているプロに依頼して任せた方が仕上がりもキレイですし、ほかのところに付いて大変なことになるということがありません。
まとめ:ペンキが付いたら早めに落とそう
ペンキが付いたら早めに対処することが大事です。3時間経つと落ちにくくなってしまうので、すぐに落としていきましょう。
コンクリートや未塗装の木材といったペンキが染み込みやすい素材は落とすのが大変です。
落とすときに素材が傷んだりシミになったりすることがあるので、しっかりと養生してから塗装作業するようにしてくださいね。
ペンキを塗るときもそうですが、有機溶剤を使ってペンキを落とすときは必ず換気を行いましょう。
次回からは服や身体にペンキが付かないよういらない服で作業したり、壁や床などにペンキが飛んでしまわないようきちんと養生して作業すると安心です。
油性ペンや墨汁などが付いた場合の落とし方は下記記事をご覧ください。