『食器に料理を盛ろうとしたらカビが…』
『久しぶりに使おうと思った食器にカビが生えている…』
カビが生えてしまった食器は、衛生面を考えて捨ててしまおうと思ってしまいますが、大切な食器の場合、捨てる前にぜひ本記事を参考にしてみてください。
今回は、食器に生えたカビの落とし方を4つ、カビが生える原因や予防方法などをご紹介します!
食器のカビは洗えば大丈夫。適切な方法でカビを除去し、安心して食器を使えるようにしましょう!
食器に生えたカビの落とし方4選
食器に生えてしまったカビの落とし方を4つご紹介します。
食器の素材によっては、ご紹介する方法で変質・変色してしまうことがあるので、対応している食器の種類とあわせてご参考ください。
通常通り洗う
たいていの食器に付いたカビは、台所用洗剤で通常通り洗えば大丈夫!
重曹を粉のまま食器に振りかけてスポンジでこする方法でもOKです。
木製や竹製、シリコン製の場合は、根を深く張っていることがあり、通常の洗い方では落ちないのでほかの方法を試しましょう。
食器のカビを落としたスポンジは捨てる
ただし、スポンジにカビが移ってしまい、そのスポンジでカビが付いていない食器を洗うと、スポンジからカビが移ってしまう可能性があります。
カビが付いている食器のみに使用し、カビを洗ったスポンジは捨てるようにしましょう。
熱湯消毒する
対応食器例:陶器/ガラス/シリコン/耐熱のプラスチック食器
木製食器など熱湯に耐えられない食器には対応できません。
- 食器に付着したカビを、キッチンペーパーなどで外側から内側に向かって塗り広げないように拭き取ります。
- 通常通りにスポンジと洗剤で洗いましょう。
- 大きめの鍋に水と食器を入れて火にかけ、熱湯で30分煮沸消毒してください。
ガラスや陶器は、急な温度変化に弱いので、必ず水の状態から熱を入れていきましょう。
菌糸は胞子よりも耐熱性が低く、50度でほとんどの菌糸が死滅する。80度において、30分程度の加熱処理によりほとんどのカビが死滅することがわかる。
(関連記事:煮沸消毒のやり方。目安時間や煮沸できない場合の対処法)
キッチンハイターなど塩素系漂白剤を使う
対応食器例:陶器/熱に弱いプラスチック/シリコン
ハイターやカビキラーなど塩素系漂白剤は、カビを漂白・除菌してくれる1番簡単な方法です。
- キッチンペーパーなどでカビを塗り広げないように拭き取ります。
- 容器記載の通りに水で薄め、食器を浸け置きしましょう。
- 30分浸け置きしたら、流水で十分に洗い流してください。
- 通常通り、台所用洗剤で洗って完了です。
スプレータイプであれば、食器に直接スプレーして、記載されている時間を守って浸け置きしましょう。
塩素系漂白剤は、金属製や漆器など使えない食器もあるので、容器に記載されている注意事項をよく確認してから使用してくださいね。
塩素系漂白剤が苦手な場合は酸素系漂白剤を使う
塩素系漂白剤が苦手、強い洗剤を使いたくないという場合は、酸素系漂白剤を使いましょう。
- 40~50℃くらいのぬるま湯2Lに、酸素系漂白剤を8g溶かしましょう。
- 15~30分ほど浸け置きしたら、流水でよく流してください。
酸素系漂白剤は、ステンレス以外の金属食器や漆器には使えないので、事前に注意事項を確認しておきましょう。
アルコール除菌する
対応食器例:木製・竹製食器/漆器
時間が経ったカビは根を深く張っているので、完全に元通りにすることはむずかしいんですが、初期のカビならアルコール除菌すれば除去できます。
- キッチンペーパーなどにアルコールをスプレーし、カビを塗り広げないようカビの部分だけを拭き取りましょう。
- 1度使ったキッチンペーパーは捨てて、新しいものを使って拭いてください。
- カビが取れたら通常通り洗剤で洗って完了です。
この方法は、表面のカビを除菌することができますが、木製や竹製食器などはカビの根が深く張りやすいため黒くカビが残ることも。
自己責任にはなりますが、削ってカビを除去する方法もあります。
- 400番以上のサンドペーパーを使い、木目に沿って削っていきましょう。
- カビが取れたらアルコール除菌し、通常通り洗ってしっかり乾燥させてください。
- 完全に乾燥したら、食器用塗料や食器用ニスを塗って仕上げましょう。
(関連記事:食器の洗い方。水や時間、洗剤を無駄にしない食器洗い術)
食器にカビが生える原因…よくある事例と元に解説
食器にカビが生える原因はさまざま。
ひとつではなく、複数の原因が重なって発生することもあるので、以下の原因に心当たりがないかチェックしてみましょう。
食器を洗わずに放置した
食べたあとに食器をすぐ洗わず放置してしまうと、雑菌だけでなくカビも繁殖してしまいます。
カビは水分を好み、食べカスだけでなく雑菌すらもカビのエサとなるため、カビが繁殖するのに好環境となってしまうんです。
洗った食器に食べカスが残ったまま
食器を洗ったあと、食器に食べカスが残ったままだと、これもカビのエサとなってしまいます。
きれいに見える食器でも、わずかでも食べカスが残っているとカビがエサにして繁殖するので注意が必要です。
食器に水分が残ったまま
カビは水分を好むため、食器に水分が残ったまま食器棚に入れるなどして放置すると、カビが繁殖してしまいます。
食器棚の湿気も食器にカビが生える原因になるので、炊飯器やコーヒー、電気ポットなどの水蒸気には注意しましょう。
食器にほこりが付着したまま
食器棚は、扉を開け閉めするのでほこりが入ってしまい、長く使っていない食器にほこりが溜まってしまうことも。
ほこりもカビのエサとなるため、水分などの湿気があるとカビが繁殖してしまいます。
陶器以外の食器は素材自体がカビの栄養源になることも
木製や竹製といった食器は、それ自体がカビの栄養源となってしまうので注意が必要です。
プラスチック製のものでさえも栄養源としてしまうんですよ!
特に、木製や竹製など水分が染みこみやすい食器は、きれいに洗ってから水分をしっかり乾かして保管しないと、カビが生えて繁殖してしまいます。
壁の結露による食器棚に生えたカビから食器に移ることも…
食器棚が壁に密着している場合、壁に結露ができてしまうと、食器棚や中の食器にまでカビが生えることがあります。
ほとんど使わない食器は要注意。カビにとって好環境のなか、ほこりをエサにしてカビが生えやすくなってしまうんです。
壁の結露対策、食器棚の湿気対策、清潔を保つようにして、カビを予防していかなければなりません。
(関連記事:食器棚の掃除方法。おすすめの洗剤や掃除頻度の目安を徹底解説)
食器のカビは洗えば大丈夫!万が一、カビに気付かず食べた場合は?
カビの生えた食器はいつも通り洗って除去すれば、今まで通り使うことができます。
食器にカビが生えているのに気付かず料理を盛って食べてしまった場合、食中毒の心配がありますよね。
カビは毒性が強いものもありますが、ほとんどのカビは少々食べてしまっても胃酸により溶けてしまいます。
食器に付いているのも気付かない程度のカビであれば、身体に悪影響が出ることは考えにくいので、そこまで心配はいりません。
とはいえ、カビを口にするのは気分的にも良くないので、長い間使っていなかった食器を使うときは、1度洗って殺菌してから使うようにすると安心です。
食器のカビを防ぐ方法
食器のカビを予防するには、カビが好む環境やエサをなくすことが大切です。
カビが好む環境は、水分(湿気)・温度・エサ。これらに注意することでカビの発生を抑えられますよ!
食べたらすぐに洗う
食器を放置すると、雑菌やカビが繁殖してしまうので、数日放置するなんてとんでもない話。食べたらすぐ洗うようにしましょう。
お茶碗や焦げなどすぐに洗っても取れないので、浸け置きしてから洗う方が多いと思います。
長く浸け置きすると菌が繁殖してしまうので、浸け置き時間は最長でも3時間に留めましょう。
食器に食べカスを残さない
食器に食べカスが少しでもあるとカビが生えてしまうので、食器はきれいに洗うようにしましょう。
食洗機を使っている場合でも、汚れが完全に取れないこともあるので、食器棚にしまう際に確認するようにしてくださいね。
洗った後は水気を残さず拭き取る
カビは水分(湿気)があるところを好むので、食器棚に濡れたまま入れるとカビが生えてしまいます。
食器を洗ったあとは、水分をしっかり拭いて乾燥させてから収納しましょう。
入れられない食器もありますが、食器乾燥機は高温で乾燥させるのでカビ対策におすすめですよ!
使わない食器は捨てる
しばらく使っていない食器はほこりが溜まりやすいので、食器を収納している場所の環境によってはカビが生えてしまうことがあります。
1か所にカビが生えると、ほかの場所にも影響が出ることがあるので、数年使っていない食器は思い切って処分するのもひとつの方法です。
食器の保管場所(食器棚など)にカビがある場合は清掃業者に依頼しよう!
食器棚の中にカビが生えている場合は、アルコール除菌スプレーでカビ取りを行えば除去できます。
カビ臭いのが気になる場合は、重曹スプレーも効果的なので、キッチンペーパーで食器棚を拭き掃除しましょう。
食器棚の中だけでなく、裏側や壁にもびっしりカビが生えてどうしようもない場合は、ハウスクリーニングがおすすめです。
広範囲に及ぶカビ掃除は危険な作業になることもあるので、プロに任せるのが1番ですよ!
まとめ
食器にカビが生えてしまったら、軽度であれば通常通り洗って落とせますし、車幅消毒・塩素系漂白剤などで除菌・漂白、アルコール除菌で除去できることが分かりました。
食器の素材によっては、煮沸や洗剤で変質・変形・変色してしまうので、素材に合った方法でカビ取りを行いましょう。
食器のカビを防ぐには、カビのエサや環境をシャットアウトすることです。
あまりにもカビの範囲が広い場合は、ハウスクリーニングに依頼してきれいに除去してもらいましょう!