エアコンをつけると、ポタポタと水が垂れる、吹き出し口から水が飛ぶ、など水漏れのトラブルが発生することがあります。
すぐに水漏れの対処をしたいですが、そもそもエアコンの水漏れの原因がわからず、何をどう対処したらわからない人も多いはずですよね。
ここでは、エアコンの水漏れの原因をはじめ、原因ごとの対処法を紹介していきます。
ただし、自分では直せないエアコンの水漏れの原因もあるので、その際は専門業者に修理を依頼してくださいね。
間違ってもエアコンの水漏れは放置してはいけません!エアコンの水漏れが発生すると、壁や床が濡れるだけでなく、床や壁在にカビが発生し黒ずんだり、腐食、さらに漏電や故障の原因にもなりかねません。
エアコンの水漏れによる修理の費用相場などもまとめていますので、参考にしてください。
エアコンの水漏れ原因の8割はドレンホース!対処法は?
ポタポタと水が垂れる・吹き出し口から水が飛ぶなどエアコンの水漏れする主な原因は、ドレンホースに関するものが8割を占めるといわれています。
ドレンホースとは、エアコン内部で発生した不要な水を、屋外へ排水するための管のことです。1つ1つ水漏れの原因と対処法を紹介していきますね!
ドレンホース内のホコリやゴミの詰まり
エアコンの水漏れの原因で一番多いのが、ドレンホースの詰まりです。
ドレンホースとは、「エアコン内部で発生した水を外に排水するためのホース」だと説明しました。
エアコン内部から発生する水と一緒に、部屋のホコリやゴミなどの汚れも一緒に流れます。
それらがドレンホースのどこかでたまって詰まることで、水の流れがせき止められて逆流し、水漏れが発生します。
またエアコン内部だけでなく、屋外に伸びているドレンホースの口から、落ち葉などのゴミや虫が入り込みが原因で詰まることもあります。
対処法
ドレンホースの詰まりを解消するには、ドレンホースの先端に布を被せて掃除機を当てて吸い取るという方法がありますが、水で濡れると掃除機が故障するためおすすめできません。
そこで上記のようなドレンつまり取りポンプなどのアイテムをドレンホースの先端にセットして、ノズルを数回引くだけで詰まりを解消することができます。
この処置を行うと、長い間ドレンホースに溜まったゴミがヘドロ化して出てくることがあるので、ベランダなどを汚したくない場合は何か容器をセットしておきましょう。
ゴミが入らないよう「ドレンキャップ」をホームセンターや通販などで購入して付けておくと、ゴミや虫の侵入を防ぐことができますよ。
ドレンホースの曲がり、折れ
ドレンホースが曲がったり、折れたりしてませんか?
曲がっていると曲がった部分にごみなどが溜まり、水が流れにくくなりエアコンが水漏れする原因になることがあります。
対処法
ドレンホースは曲がらないよう排出口をまっすぐ下に伸ばして、水がスムーズに流れるようにしましょう。
ドレンホースの先端の潰れや埋もれ
ドレンホースが潰れていたり、先端が土や水などに埋もれていたりしていませんか?
これでは当然水が流れないので、エアコンの水漏れの原因になってしまいます。
雨の日のみエアコンが水漏れする場合は、ホースの先端が水に浸かっているケースも多いです。
対処法
対処法としては、ドレンホースが長い場合や潰れている場合はカッターなどで切り、先端をふさいでいる要因を取り除き置き方を変えましょう。
劣化している場合は、ホームセンターなどで新しいドレンホースを購入すれば、ビニールテープを使って簡単に取り換えられるので自分で対処することが可能です。
- ドレンホース自体がたるんでいる
- 破損している
場合は自分での対処が難しいので、ドレンホースの交換を依頼しましょう。
エアコン内部に水漏れの原因があるケース
ドレンホースの詰まりがエアコンの水漏れと考えられない場合は、エアコン内部に原因があるのかもしれません。
水漏れする際のエアコン内部の原因として、
- 送風口の結露
- フィルターの汚れ
- フィンの汚れ
などの3点があげられます。
送風口の結露
エアコンの送風口から水漏れする原因は、エアコンの内部で冷やされた空気が送風口に当たって、結露が発生することによるもの。
部屋の湿度が高いときに起こりやすく、エアコンの異常ではありません。
対処法は、エアコンの送風口(ルーバー)の向きを下向きではなく平行にして、空気抵抗を減らすことで結露が発生しにくくなり、ポタポタ垂れる水漏れを解消することができます。
フィルターの目詰まり
エアコン本体のカバーを取り外すと、目の前にあるのがフィルタ―です。
フィルタ―はこまめにホコリ掃除をしなければなりませんが、掃除を怠って汚れが目詰まりしていると、エアコンの機能が低下してしまいます。
設定温度がかなり低くなり結露が大量に発生するため、水漏れの原因になることがあります。
対処法は、こまめにフィルタ―の掃除を行うこと。
エアコンをフル稼働させる季節には、2週間に1回のペースを目安に掃除をしましょう。
本体から取り外した後、掃除機でやさしくホコリを吸い取ったり、吸い取ったフィルターは使い捨ての歯ブラシなどで細かい汚れを落とします。
油汚れが付着して取れにくい場合は水で丸洗いし、掃除した後はしっかりと乾燥させてからエアコンに取り付けましょう。
フィルターにエアコン洗浄スプレーは厳禁!
フィルターのすぐ後ろはエアコンの内部になります。
エアコンの内部にはエアコンを動かす際に欠かせない基盤など、重要な部品がたくさんあります。
この部分に防カビスプレーやエアコン洗浄スプレーなどを吹きかけると、エアコンが故障する恐れがありますので、気を付けてください。
(関連記事:エアコン洗浄スプレーの使い方!気になるデメリットも徹底検証)
フィンの汚れ
フィルタ―の奥にあるのが、熱交換器とも呼ばれるアルミフィン。
フィンが汚れていると、発生した結露の水が下のドレンパンに落ちづらくなるので、そのまま送風ファンから発生させている風と一緒に、水滴が飛んでしまいます。
フィンも市販のエアコン洗浄スプレーを使って掃除することができますが、洗剤がエアコン内部に残ってしまうと、それをエサにカビが繁殖してしまうのであまりおすすめできません。
できればプロのエアコンクリーニング業者に依頼して、掃除してもらいましょう。
自分では直せないエアコンの水漏れの原因9つ
エアコンの水漏れは、ドレンホースやエアコン内部の原因がほとんどです。
しかし、上記以外の原因によりエアコンの水漏れが発生するケースも当然あります。また、これらは自分で無理やり対処しようとすると、さらにエアコンの調子が悪くなってしまうことも。
ここからは、上記で紹介した対処法で改善しない場合に考えられるエアコンの水漏れ原因について9つ挙げていきます。
もしもエアコンの水漏れの原因が以下9つと考えられる場合には専門業者に修理を依頼してくださいね。
ドレンホースとドレンパンの接続不良
ドレンパンとは、エアコンに発生した水分(水)を受け止める部品のことで、多くの場合はフィンの下部に配置されています。
ただこのドレンパンが正しく設置されていなかったり、ドレンホースが上手く接続していなかったりすると、水を排出できずにエアコンの水漏れ原因になります。
ドレンホースなどの接続不良は、一度エアコンを分解し再度設置する必要があります。
分解にはエアコンや電化製品に対する深い知識と修理経験が必要なので、無理に自分で修理するのはやめましょう。
エアコン本体の傾き
新品のエアコンでも水漏れすることがあります。
それはエアコンが傾いているなどエアコンの取り付けミスの可能性が考えられます。
エアコンが傾いていると、ドレンパンに溜まった結露で発生した水滴がドレンホースの方へ流れず、水漏れの原因になります。
エアコンの取り付けに関するものなので、業者に依頼して傾きを直すようにしましょう。
ドレンホースが逆勾配
ドレンホースは通常下向きに取り付けられていますが、設置ミスでドレンホースの根元部分だけが盛り上がって、逆勾配になっていることがあります。
逆勾配になっていると、エアコン内で排出された水が、盛り上がった部分から押し戻されるようになり室内側に水漏れが発生します。
エアコンの設置ミスなので、取り付けた業者に再度設置のやり直しを依頼しましょう。
ドレンホースのたるみ・劣化
ドレンホースがたるんでいるとたるみ部分に水が溜まり、水がスムーズに流れなくなります。
その水が逆流することで、エアコンの水漏れの原因となっています。
この状態のドレンホースを自分で直すのは難しいので、
- エアコンの取り付け業者
- エアコンの修理業者
に連絡し対処してもらいましょう。
またドレンホースが劣化している場合も、スムーズな水の流れを妨げるのでエアコン修理業者やメーカーに相談しましょう。
ドレンパンに亀裂がある
ドレンパンが破損していたり、ヒビなど亀裂が生じている場合に水漏れが起こります。
素人では確認できないので業者に依頼しましょう。
ドレンパンのひどい汚れ
ドレンパンの汚れによる結露が原因で、エアコンの水漏れが発生することもあります。
ドレンパンとは、エアコン室内機内部の熱交換器の下部にあり、冷房を使用した際に発生した水分を、ドレンホースへと排出するための受け皿の役割があります。
このドレンパンに汚れが溜まっていると、水分が上手く排出されずエアコンの吹き出し口に結露が溜まり、水漏れの原因になってしまいます。
ドレンパンに詰まった汚れを除去することで、水漏れが解消されます。
ただドレンパンの掃除には分解が必要なので、無理をせずに業者の方に依頼することをおすすめします。
エアコン内部(ファン)に溜まった汚れ
フィンの裏側や送風ファンの奥の方に汚れが詰まっていると、結露水が逃げ切れずに水漏れの原因となります。
こちらは分解が必要になるので、メーカーや完全分解できる業者に依頼して、水漏れの原因を確認してもらいましょう。
エアコンの冷媒ガス不足
冷媒ガスは、熱い空気を冷たい空気に変換する過程で必要になります。
エアコンの冷媒ガスが不足することでフィンに霜が付くことがあり、霜が溶けることで水漏れになることがあります。
エアコンを運転しているときに本体のカバーを取り外して、フィンに霜が付いていたり氷に覆われたりしていると、ガス不足が疑われるので業者に依頼しましょう。
原因不明のエアコンの不調
エアコンの経年劣化による不調や、原因不明の不調が発生した場合は使用を控えて、プロの業者に連絡しましょう。
年数が新しいものであれば、部品交換のみで済む場合があります。
古いエアコンであれば、部品の取り換えだけでも費用がかかるので、買い替えを視野に入れる必要も。
プロの業者に相談して解決しましょう。
エアコンの水漏れが止まらないときは修理を検討しよう!
エアコンの水漏れが自分で直せない原因と考えられる場合は、修理を検討してください。
修理の流れとしては、まずはエアコンの水漏れの原因を突き止める作業からはじまり、簡単なものであればその場で修理してもらうことができます。
取り外しなどエアコンの分解が必要なものは時間がかかったり、後日改めて作業することになったりするので注意しましょう。
エアコンの水漏れ修理の料金相場
エアコンの水漏れ修理の料金は、
- 水漏れの原因
- エアコンの機種
- 業者の設定金額
などにもよりますが、最も水漏れの原因が大きいドレンホースの詰まりであれば5,000円ほどで、比較的短時間で修理してもらえます。
しかし、天井埋め込みタイプのエアコンや、室外機を必要としないエアコンなどの場合は、10,000円を超えることもあります。
ドレンホース以外に、エアコンの水漏れの原因がある場合の料金相場は、高くても20,000円程以内に収まることが多いです。
エアコンの水漏れに関する修理は、5,000~20,000円ほどをみておくと良いでしょう。
修理箇所 | 修理費用 |
内部点検 | 約5,000円~ |
ドレンホース関連 | 約5,000円~ |
冷媒回路の修理 | 約2,7万円~ |
冷媒ガスの補充 | 約1,4万円~ |
エアコンの水漏れは、原因箇所によって費用が変わります。
上記の費用はあくまで目安なので、より詳しい費用を知りたい方は業者に相談しましょう。
「エアコン 故障診断ナビ」などメーカーの診断サイトで費用感を確認するのもアリですね。
(関連記事:エアコン修理はどこに頼む?状況に合った業者の選び方や修理費用の相場を徹底解説!)
エアコンの水漏れを放置するとカビが発生する
エアコンの水漏れをそのまま放置すると湿気が発生し、湿度の高い環境によってエアコン内部にカビが発生します。
カビをそのままにしていると、エアコンからの悪臭や汚れが発生してしまう原因にもなります。
さらなるエアコンのトラブルを防ぐためにも、今回ご紹介した水漏れ対策はきちんと行いましょう。
エアコンのカビリスクについては下記記事をご覧ください。
(関連記事:エアコンのカビは病気リスクある?原因・発生場所・対処法)
エアコンの水漏れを防ぐためにできること
エアコンの水漏れの原因や解決方法などは分かりましたが、水漏れを防ぐためにできることは何かあるのでしょうか?
- こまめに掃除をする
- 扇風機を使って空気を循環させる
以上の2つがあるので、これから順番に説明します。
こまめに掃除をする
エアコンのこまめな掃除は大切です。
定期的に
- ドレンホース
- フィルター
にごみやほこりなどが溜まっていないか、きちんと確認しましょう。もし溜まっている場合は掃除を行い、水漏れやエアコンの機能低下を避けます。
(関連記事:自分でできるエアコンの掃除方法!カビ取りまで徹底解説)
扇風機を使い空気を循環させる
真夏は特に注意が必要ですが、低い設定温度でエアコンを使用していると、送風口も結露しやすくなります。
結露を抑えて効率的に部屋を冷やしたい場合は、
- 扇風機
- サーキュレーター
などを使用しましょう。
これらを使用することで、冷たい空気を部屋全体に循環させることができます。
極端に低い設定温度にする必要も少なくなるので、結露の発生を抑えることができるでしょう。
自分で掃除が難しい場合は、プロの業者に依頼しよう!
エアコンの水漏れはドレンホースを正しく設置したり(掃除も)、エアコン内部の掃除を行うことで、ほとんどの原因を解消することができます。
しかし、自分で掃除するのが難しい場合は、プロのエアコンクリーニング業者へ依頼するのがおすすめです。
プロの業者であれば、専門的な知識と技術で確実な処置を行ってくれます。
おすすめのエアコンクリーニング業者や、失敗しない選び方が気になる方は下記のページをぜひ参考にして下さいね。
(参考記事:エアコンクリーニング業者おすすめ9社!失敗しない選び方のポイント)
まとめ
エアコンから水漏れすると驚いてしまいますが、ほとんどは自分で解決できるので放置せずに対処してくださいね。
ドレンホースの詰まりは掃除機を使えば安上がりですが故障の原因になるため、できれば今回ご紹介した専用のポンプを使って詰まりを解消しましょう。
ただ、
- エアコン内部の故障
- 接続不良
など一度エアコンを解体しないと解決できない水漏れもあるので、その場合はプロの修理業者に依頼し、水漏れの原因を探ってもらいましょう。
無理をして自分でいじって、エアコンがさらに壊れてしまうと余計に高い修理費用がかかりますし。
エアコンの水漏れ修理の料金相場をみても、高くて20,000円程度なので安心して依頼することができますね。
自分で解決できる方法を試してみて、それでもエアコンの水漏れが治らない場合は、エアコンのプロの業者に相談しましょう。
- 原因は分かったけど、自分で直せる自信がない
- エアコンを直す時間がないし面倒
といった方も依頼されることをおすすめします。
エアコンの臭いについては下記記事を参考にしてください。
(関連記事:すっぱい…エアコンが臭い原因はなに?自分でできる対処法)