久しぶりに実家へ帰省したらモノで溢れかえっていた
想定外の同居をすることになったが散らかりすぎてうんざり…
実家にモノが多すぎてどこからやるか悩む、生前or遺品整理が進まない
など、実家を片付けたいものの、どこから始めればいいかわからない、捨てる捨てないで親と揉める、もう疲れた…といったことでお悩みの方も多いのではないでしょうか。
今回は、実家の片付け問題について、散らかる原因をはじめ、実家の片付けをスムーズに進める方法などを紹介していきます。
実家を片付ける際に親とトラブルにならないよう(生前整理)、説得に有効な実家の片付けメリットなどもまとめたので、ぜひ参考にしてくださいね!
実家が片付かない!散らかる原因とは?
- 親に片付ける体力がない
- 必要か不要かの判断力が鈍くなっている
- もったいない精神が根付いている
老いてくるとどうしても体力が低下してしまいます。片付けたいと思っていても途中で疲れたりしてそれ以上進まなくなってしまうことも。
また、認知機能がどうしても衰えてくるので、判断力が鈍ることも片付かない原因になります。
現状認識や解決方法を見出すことができなくなることもあるため、モノが多くても認識できず、その状態をどうしたら良いのか分からなくなってしまっているんです。
戦後生まれだったりオイルショックといったモノがない時代を経験した親は、もったいない精神が根付いているので、モノをなかなか捨てられない人もいます。
逆に、バブルの良い時代を経験している親は、何でも買えるということを経験しているため、捨てずに取っておこうという心理が働くようです。
実家の片付け前に心に留めておきたいこと
実家の片付けは、親と喧嘩になる、うんざりした…といった声もよく聞かれますが、最初に以下の3点を心に留めておくことで、疲れたとならずにスムーズに進められますよ!
親の意思を尊重する
実家を片付ける際は、親の意思を尊重することが大切です。
実家にあるものは、すべてが親の人生に関わってきたもの。将来、自分に迷惑がかかるからと勝手に捨てることはやめましょう。
捨てるモノは親に決めてもらう
実家にあるものは、『いま使うもの』と『この先使うかもしれないもの』がほとんどだと思います。
捨てるか捨てないかを判断するには、親自身に3秒以内に決めてもらうようにしましょう。
3秒以内で判断できなかったものは、箱やビニール袋などに一時保管にしておいてとっておくと、捨てるわけではないので片付けがスムーズに進みます。
片付けすぎない
また、片付けすぎないのもポイント。
ものをたくさん持つことが豊かさであると捉えている場合、スッキリ片付けすぎると寂しさを感じてすぐ元通りになってしまうことが多いんです。
多少スッキリしなくても、親の安全や避難経路などの通路が確保できていればOKにし、自分のセンスを親に押し付けないことが大切です。
実家の片付けはどこから?1か所(1部屋)ずつ始めよう!
実家を片付ける際は、1か所(1部屋ずつ)片付けていきましょう。
とはいえ、いきなりものが多いリビングや寝室などからはじめると、親もしくは自分自身が疲れて片付けがスムーズに進まなくなってしまいます。
比較的、荷物が少ない場所(たとえば、洗面所・玄関など)からはじめるようにしましょう。
また、実家にまだ自分の部屋が残っている場合は、自己判断で片付けが進められることが多いのでおすすめです。
(関連記事:部屋の片付けはどこからやる?簡単に片付ける方法)
実家の片付けをスムーズに進めるポイント
実家を片付けることについて親を説得できたら、早速準備して取り掛かりましょう。
とはいえ、どこから片付ければ良いか分からないですよね。
ここからは、実家の片付けを効率的に行える準備とポイントを解説していきます。
きょうだいに実家を片付けることを伝えておく
実家の片付けが決まったらきょうだいにも伝えておき、一緒に手伝ってもらうことをおすすめします。
実家を片付けているときに財産が見つかる可能性があり、きょうだいが参加していないときに勝手に形見分けすると、のちにトラブルになることもあります。
きょうだいが、「何も知らない間に形見分けされていて自分は何ももらっていない!」ということにならないよう、あらかじめ伝えておくようにしましょう。
親の価値観を共有する
実家を片付ける前に、これだけは捨てたくないものを聞いておき、親の価値観を共有しておくようにしましょう。
例えば、自分が子どもの頃に作成したもので、自分はどうでも良いと思っていても親にとっては大切な思い出のある宝物かもしれません。
勝手に捨てるとショックを受けて片付けが中断してしまう可能性があるので、親の意思を尊重しながら片付けるようにしましょう。
思い入れがないものから捨てる
片付ける部屋が決まったら、思い入れのないものから捨てていきましょう。
しばらく使っていないものや、カビやサビが付いているもの。キッチンでいえば賞味期限切れのものなど。
思い入れのないものから捨てるようにすると、片付ける習慣がない人でも捨てる癖がついてスムーズに進みやすくなるので、いつもなら捨てないものでも捨てられるようになりますよ。
思い出の品は最後に考える
アルバムや手紙、子どもの思い出などは、片付けの敵です。
アルバムでも開いてしまえば、思い出話がはじまってしまい、片付けがストップしてしまいます。
こういった思い出の品は、捨てる・捨てないの判断をするのではなく、最後にとっておいて判断するようにしましょう。
実家を片付けるメリット!説得に使える!
いざ実家を片付けようとしても、子どもにとってはゴミでも親にとっては思い出のあるもので、作業がなかなか進まないことがあります。
特に、捨てることをもったいなく思っている親に協力してもらうためには、それなりの説得が必要です。
実家を片付けるメリットを説明すれば、親御さんもきっと理解してくれるでしょう。
転倒や落下防止など安全性が高まる
実家を片付けることで足場が広くなり、安全性が高まることを説明しましょう。
モノがたくさんあると、身体をぶつけたり転んだりしてしまい大変危険です。
高齢者が転倒して骨折でもしてしまったら、最悪歩けなくなる可能性もあります。
モノをたくさん積み上げている場合は、地震などで倒れてくるリスクもあるので、片付けることでこれらのリスクを回避できるという点を説明してみましょう。
参照:たった1度の転倒で寝たきりになることも。 政府広報オンラインより
親の緊急時も安心!モノの場所を把握できる
親が高齢になると、倒れたり急な病気になったりで突然入院しなければならなくなることも。
片付いていないと、緊急時に必要なモノを病院へ届けるのに時間がかかってしまいます。
どこに何があるかくらいは把握しておきたいから少し整理しとこうか、などと説明してみましょう。
(関連記事:身辺整理のやり方はどうやるの?進め方や注意点など徹底解説)
介護がラクに進められる
今は必要なくても、いつ介護が必要になるか分かりません。
もし介護するとなると、子どもやヘルパーさんが実家に行くことになると思いますが、その際に家が散らかっているとスムーズにサポートができない可能性があります。
車いすが通れて、モノがどこにあるか把握できていると、介護する側も負担が大きく軽減するので、今のうちに備えとして片付けておこう!と伝えてみましょう。
将来のバリアフリー化や改装工事がスムーズ
老いてくるとどうしても足腰が弱くなってしまうので、バリアフリーの改装工事を行うかもしれませんよね。
バリアフリー工事は、手すりを付けたり段差をなくしたりなどの工事が必要になってくるのですが、家が散らかっているとまず片付けからはじめなければなりません。
親の足腰が悪くなってからでは、子どもがすべて片付けなければならなくなるので、元気なうちに一緒に片付けを行いましょう。
親の財産管理がしやすい
認知能力が衰えていき判断がむずかしくなる前に、家の財産につい把握しておきたい旨を伝えましょう。
認知能力が衰えてからでは、引き継いで欲しいのか売っても良いのか分からなくて困ることになります。
片付けを行いながら財産について情報を共有しておくと、相続トラブルのリスクが低くなりますよ。
また、親と同居せずに離れて暮らしている場合は日常生活も心配ですよね。そんなときは見守りサービスを活用をおすすめします。
(関連記事:高齢者見守りサービスおすすめ比較!後悔しない選び方を徹底解説)
実家の片付けは専門業者に依頼もアリ!
実家の片付けが大変なときは、外部サービスに頼るのもひとつの方法です。ここからは、業者選びのポイントや費用などについて解説します。
業者の選び方
まずは、自治体に片付けサービスがないか確認しましょう。
高齢世帯へが処分費用が優遇されることもあるので、捨てるものの種類と量を把握できたら相談してみましょう。
片付けサービスには、
- 家事代行(掃除代行)サービス
- 整理収納サービス
- 不用品回収サービス
- 生前・遺品整理サービス
などがあります。
家事代行サービスのなかに、整理収納プランが含まれているところも多いので確認してみてくださいね。
片付けだけでなく廃棄も行って欲しい場合は、産業廃棄物処理も行っている業者を選びましょう。
業者に依頼するメリットとデメリット
メリット
- 早く片付けが終わり、使い勝手が良くなる。
- 不用品も廃棄してくれる業者もある。
デメリット
- 費用がかかる。
- 親が他人を家にあげるのに抵抗があるとむずかしい。
片付けのプロなので、個人で行うよりはスピーディに作業してもらえますし、整理収納のプロであればその後の使い勝手も良くなります。
不用品も回収してくれる業者だと、捨てる手間も労力も省けます。
だた、親御さんが他人を家にあげるのに抵抗があると、業者に頼ることはむずかしくなりますし、費用もそれなりにかかってくるのが難点です。
業者に依頼する際の費用目安
片付けを業者に依頼する場合の費用目安ですが、部屋の広さや片付けの量によっても異なります。
実家の場合、2DK・2LDK以上の広さがあると想定して、30~60万はみておいた方が良いでしょう。
不用品の処分もお願いする場合はさらに高額になるため、見積もりを複数の業者から取って比較し、少し手も費用を安く抑えましょう。
費用を安く抑えるポイント
- 費用を安く抑えるには、できるだけ自分たちで片付け・処分しておくこと。
- 複数の業者から見積もりを取ること。
以上の2点が重要になります。
ある程度、自分たちで片付けや不用品の廃棄ができていれば、その分費用は抑えられます。
費用を抑えたい場合は、見積もりに来てもらい、見積額と照らし合わせながらどの程度自分たちでやれば金額を下げられるか確認すると良いですよ。
思わぬトラブルも報告されているので、必ず相見積もりをとり、作業内容などを確認したうえで決めましょう。
親が亡くなった後に実家を片付ける際は負の遺産に気をつけよう!
親が亡くなってから実家の片付け(遺品整理)を行うことも少なくありません。その際には、しっかり負の遺産がないか確認しておきましょう。
亡くなった人に借金があった場合、相続開始から3か月以内に相続放棄を行う必要があります。
借金があったことを知らなくて突然、取立の会社から連絡があると驚いてしまいます。
遺品整理を行うときは、真っ先に親に借金がないかどうかを確認するようにしましょう。
ちなみに、親でなく親族が亡くなった場合も、相続人が相続放棄を行うと、順位が巡ってきて返済義務が引き継がれる可能性があるので、負の財産についてしっかり確認し、弁護士に相談することをおすすめします。
まとめ
実家の片付けは、親も年老いていますし、子どもも自分たちの生活があるなかで行うため、なかなかスムーズに進まないことが多いですよね。
ですが、いつかはやらなければならないことですし、亡くなってしまったあともやることが多いので、親が元気なうちに一緒に片付けておくのがおすすめです。
親の説得の仕方や、片付けのポイントをぜひ参考にしてみてください。
どうしても片付けができない場合は、外部サービスに依頼するのもおすすめです。
自分の負担を減らし、親も安全に健康的に暮らせるので、実家の片付けはできるだけ早めに取り掛かりましょう!