家の周りにある側溝。汚れが溜まっていたり悪臭がしたりすると掃除が必要になりますが、自分でするのか自治体にお願いしたら良いのか分からないですよね。
実は、側溝がある場所によって個人、役所、地域の自治体など、誰が掃除すべきかが異なるんです。
そこで今回は、側溝は誰が掃除すべきか、自分で側溝を掃除する場合に必要な道具ややり方、業者に依頼する場合の方法をご紹介します。
適切な掃除頻度や注意点を守って、側溝をきれいに保ちましょう!
側溝の掃除方法。自分で行う場合のやり方
自分で側溝掃除を行う際に必要な道具(あると便利な道具も!)や掃除の手順を紹介します。側溝掃除は危険のある作業のため、身の安全を守れるように道具の準備はしっかりと行いましょう!
必要な道具
ゴム手袋 | 汚泥で手が濡れることがありません。 |
滑り止め付き軍手 | 手が滑っては危険なので、滑り止め付きで厚手のものを準備しましょう。 |
安全靴 | 万が一、フタを落としてしまったときにケガをしないよう、足の甲を守る安全靴を履いて作業しましょう。 |
側溝のフタを持ち上げる道具 | 側溝のフタは、コンクリートのものだと1枚70kgほどの重さがあります。 安定して持ち上げられ、コンクリート蓋やグレーチング蓋の両方が持ち上げ可能なものを選びましょう。 |
大型角スコップ | 一般的な先が尖ったスコップよりも角スコップの方が側溝のゴミや泥を取りやすいのでおすすめです。側溝の大きさに合ったものを選びましょう。掃除する範囲が狭い場合は100均にあるようなスコップで取っていってもOKです。 |
スクレーパー | 固まった泥を剥がすのに便利。ヘラなど、泥を削れるものであれば何でもOKです。 |
(ジョレン) | 小さな穴が開いたスコップ。汚泥からゴミなどの固形物を取り除くのに便利です。泥が乾燥している状態では必要ありません。 |
土嚢袋 | 取り除いた泥は土嚢袋に入れましょう。さまざまな種類がありますが、泥の重さに耐えられるよう強度のある土嚢袋を用意してください。 |
(土嚢スタンド) | 1人で行う場合、泥を入れていると土嚢袋が倒れて中身が出てしまうことがあります。土嚢スタンドで倒れるのを防ぎましょう。誰か持ってくれる人がいれば必要ありません。 |
(プランター) | 泥の水切りにあると便利。泥は乾燥させると重量が減るので持ち運びがラクになります。 |
(高圧洗浄機) | 側溝のフタや、スコップで取り切れない細かい泥を素早く落とすのに便利。 |
これらの道具は100均やホームセンターで揃えることができます。()内のものは、あると便利な道具です。
土嚢袋は自治体に問い合わせるともらえることがあるので、1度確認してみましょう。
1.側溝のフタを外す
ゴム手袋、軍手の順に着用したら、安全靴を履きましょう。
安全に注意しながら、側溝フタ持ち上げ機を使ってフタを外してください。
外したフタは、掃除中につまづかないような場所へ置いておきましょう。
2.側溝のゴミや泥をスコップですくう
角スコップやジョレン、スクレーパーなどを使って、側溝のゴミや泥を取り除きます。
側溝掃除は重労働なので、腰を痛めないよう注意してくださいね。
3.泥やゴミを乾燥させて土嚢袋に入れる
すくった泥は平らにしておくと、蒸発しやすくなるので乾燥が早く進みます。
また、空きプランターに入れておいても水切りができるのでおすすめです。
そのまま土嚢袋に入れてもある程度の水分は切れますが、乾燥させてから入れる方が運ぶ際の重さが違うのでラクに済みます。
土嚢袋をスタンドにセットしてから袋詰めしましょう。
4.水で流してフタを戻す
側溝の細かい汚れは、水で流してきれいにしましょう。
フタの裏も汚れているので忘れずに。高圧洗浄機があると便利です。
安全に注意しながらフタを元に戻して完了です。
5.泥の処理を行う
側溝掃除で出た汚泥は、産業廃棄物になるため一般ゴミとして捨てることができません。
自治体によって処分方法が異なるので、確認して指示通りに処分しましょう。
6.側溝にゴミが入るのを防ぐ
側溝掃除は大変なので、ゴミが入るのを防ぐためにカバーを取り付けるのもおすすめです。
ホームセンターや通販では、コンクリート蓋に取り付ける側溝カバーも販売されていますし、グレーチング蓋に金網やネットを張っている人もいます。
100均にあるグリル網や餅焼き網を側溝内に設置すれば、ゴミの流入を抑えられるので試してみてはいかがでしょうか。
(関連記事:落ち葉掃除のやり方。コツやおすすめの道具を徹底解説!)
側溝の掃除は誰がするべき?側溝の場所により異なる!
側溝の掃除は、市役所や地域自治体、個人で行うことがほとんどですが、側溝がある場所によって誰がやるべきかが異なります。
私道に面している側溝であれば掃除するのは持ち主かなと分かりますが、家の周りにある道路が公道である場合、自分で掃除するのか自治体に依頼するのか分からないですよね。
問題の側溝がどれに当てはまるか確認してみましょう。
側溝がある場所 | 掃除を行う人 |
公道の側溝 (主要道路など重要度が高い側溝) |
市役所 |
公道の側溝 (主に住宅街にある側溝) |
地域の自治体 |
私道の側溝 (道路保有者) |
個人 |
市役所などの自治体が掃除を行う場合
公道でもいろいろありますが、大きな主要道路に面している側溝や、深い、幅が広いなどの側溝は市役所が掃除を行います。
市内すべての側溝をメンテナンスするとなると、人件費など莫大な費用がかかるので、一部の側溝のみに対応している自治体がほとんどです。
また、側溝の状況が必要な場合は行政に連絡することで対応してもらえます。
参照:側溝や道路の清掃については、どこへ連絡したら良いですか? 神戸市より
地域の自治体が掃除を行う場合
役所などの自治体が対応できない側溝や私道以外については、地域の自治体が掃除を行うのがほとんどです。
家の周囲にある側溝にトラブルが発生し、面しているのが住宅街の公道である場合は、町内会などの自治体に相談してみましょう。
自分で掃除しなければならない場合
私道に面している側溝の場合、私道の持ち主である個人に掃除義務が発生します。
私道でなくても家の前にある側溝は自分で掃除しなければならないケースも多いのが実情ですが、場合によっては自治体が対応してくれることもあるので1度相談してみましょう。
側溝掃除を行う際の注意点
側溝には毒を持った害虫がいる可能性があります。
噛まれると強烈な痛み、発熱、嘔吐、重篤な場合は呼吸困難になる恐れがあるので、掃除する際は十分な注意が必要です。
少しでも不安を感じたら、側溝掃除を行っている業者に依頼するようにしましょう。
側溝掃除の適切な頻度
側溝の掃除は、年に1~2回行うのが一般的ですが、ゴミや泥が溜まりにくい場所であれば2年に1度でもOK。
近くに田んぼや畑がある場合は土などが流れやすいので、年に2回掃除を行う自治体も多いようですよ。
台風や大雨などのあとは側溝が汚れやすいので、あまり頻度にこだわらず、汚れていたら掃除をするよう普段から側溝をチェックするようにしましょう。
側溝の掃除をしないとこんなトラブルが!
側溝の掃除をしないと、生活環境の悪化や災害時の被害増大につながってしまいます。
どんなトラブルが起こりうるのか具体的に説明していきます。
道路が冠水しやすくなる
側溝は、雨が降った際に道路に水が溜まらないよう排水する役割があります。
側溝にゴミや泥が詰まったまま掃除しないでいると、台風などで大雨が降った際に排水されず、道路が冠水する可能性が高くなってしまいます。
また、ゴミなどが溜まったままの状態で汚水が河川や海に流れると、環境汚染の原因になるほか魚などの生態系に悪影響を与えることにもつながってしまうんです。
悪臭の原因になる
側溝は、枯れ葉やポイ捨てなどのゴミ、砂や泥などが溜まりやすい場所。
雨が降ったり湿気が多かったりすると、ゴミや泥が水分を含み、ヘドロ化して悪臭が発生する原因になってしまいます。
悪臭はご近所トラブルにもなりかねないので、早めに対処することが必要です。
害虫が発生しやすくなる
側溝は人の手が届きにくく、虫たちが住むには好環境な場所。
ゴミや泥があると、より巣を作りやすかったり卵を産み付けやすくなってしまうので、害虫が大繁殖してしまう恐れがあるんです。
側溝に発生しやすい害虫の具体例は以下の通り。
ボウフラ・蚊 | ボウフラは蚊の幼虫。水たまりがあると蚊が卵を産み付け孵化してしまいます。 蚊は、側溝に茂みがあると住み着いてしまいます。 |
蚊とんぼ | 蚊とんぼは蚊に似ていますが吸血することはありません。ですが、大量発生すると気持ちが悪いので、不快害虫であることに変わりありません。 |
ムカデ | 毒があるので噛まれると強い痛みを伴うため掃除の際は注意が必要です。噛まれた場合はすぐに病院で処置してもらいましょう。 |
セアカゴケグモ | セアカゴケグモはここ数年輸入品などによって入ってきた外来種のクモ。毒があり、噛まれると激しい痛みや発熱を伴い、人によっては呼吸困難など重篤な症状が出ることも。セアカゴケグモは死んだふりをして油断した隙に噛んでくる場合もあるので、油断せず絶対に触らないようにし、噛まれたらすぐに水で毒を洗い流して病院に行きましょう。 |
毒を持つ害虫も多く、そもそもが側溝掃除は重労働なので、側溝掃除はプロの業者に任せるのがおすすめです。
側溝掃除を業者に依頼する場合
自分で掃除する場合、重労働なうえに危険も伴います。
また、道具を揃えると費用も保管場所も必要になるのが難点のため、側溝掃除は基本的に業者に依頼するのがおすすめです。
ここからは、側溝掃除を行っている業者や料金相場、業者に依頼する際の注意点を解説します。
側溝掃除はどこに頼む?主な業者
側溝の掃除は、
- 水回り専門の業者
- 下水道・土木工事業者
- 産業廃棄物処理業者
- 便利屋さん
などが行っています。ネットで「側溝 掃除 業者」と検索するとヒットするので、条件に合う業者を選びましょう。
側溝掃除の料金相場
側溝掃除を行っている業者さんが多く登録している「くらしのマーケット」を見てみると、掃除にかかる費用の料金相場は以下の通りでした。
- 溝の長さ 10メートル¥17,000〜¥20,000
- 汚泥回収¥3,000〜¥14,000
掃除の範囲の広さや回収する泥の量によって異なり、さらには、人員が多く必要だとか掃除に機械を使うことになると相場より高額になります。
気になる業者を3社ほどピックアップしたら、料金や作業内容などを比較して選びましょう。
悪徳業者に注意
費用が安すぎる場合や、ホームページに会社情報がくわしく載っていない場合、口コミが良くない場合などは、悪徳業者である可能性があります。
回収した汚泥を、不法投棄など不適切処理を行う業者もいて、もしその悪徳業者が摘発された場合は依頼者にも廃棄物処理法違反による5年以下の懲役若しくは1000万円の罰金という刑罰が下ることがあるので、業者選びは慎重に行いましょう。
産業廃棄物処分業許可証などの保有や、処理方法についてもしっかり調べておきましょう。
まとめ
側溝の役割は雨水を排水するため、ゴミや泥が溜まると道路冠水や悪臭や害虫が発生してしまう可能性があります。
側溝が自分で掃除しなければならない場所にある場合は、必要な道具をしっかり揃えて安全第一に掃除を行ってくださいね!
側溝掃除のおすすめの頻度は年に1~2回、もしくは2年に1回ですが、トラブルを防ぐためにもゴミや泥が溜まったら掃除するようにしましょう。
側溝掃除は重労働で危険なため、基本的には業者に依頼するのがおすすめです。違法業者に当たらないためにも、業者選びは慎重に行ってくださいね!