引越しで退去する際、「掃除しなくていいかな?」「どこまでやるべき?」など、いろいろ気になりますよね。
引越し退去時は、掃除をしておくと敷金が返還される可能性が高いです(契約内容にもよりますが…参照:賃貸借終了時のルールの明確化)。
ここでは、引越し時の掃除の必要性やどこまでやるかの範囲・程度などを紹介します。
敷金なしの物件に賃貸してた我が家は先日引越しをしたのですが、『立つ鳥跡を濁さず』で感謝の気持ちを込めて掃除を念入りにしたところ、家賃0.5か月分の請求で済んだんです!
デザイン壁紙を傷つけてしまっていたのでヒヤヒヤしましたが、引越しはお金がかかるので本当に助かりました^^
引越し退去時の掃除で悩んでいる方はぜひ参考にしてくださいね!
引越し退去の際、掃除は必要?どこまでやるべき?
引越しの際、退去する前に部屋の掃除は必要です(経験談)。
実際に請求額も想定していたよりもかなり安かったですし、借りている側は原状回復義務があるんです。
ここからは、退去時の掃除をどこまでやるかをはじめ、原状回復義務と敷金返還についてなどを紹介します。
引越し退去時の掃除はここまでやるべき!
引越し退去時は、目立った汚れ(油汚れ・カビ・シミなど)や穴や傷などをできる限り掃除・補修し、キレイにしましょう。
業者が部屋の状況を確認する際の第一印象が良くなり、結果清掃費用が抑えられ、敷金が多く返還される可能性が高くなります。
以下、大家さん負担となる事例や賃借人が負担となる事例について説明します。
経年劣化など大家さん負担となる事例
- 壁に空いた画鋲などの小さな穴
- ポスターや絵画の跡
- フローリングのワックスがけ
- 家具でへこんだ床やカーペット
- 建物の構造欠陥による雨漏りや日光で変色した床
- 古くなった給湯器などの交換
- カギの取り替え
- 網戸の張り替え
賃借人の負担になる事例
- タバコのヤニで壁が変色したりニオイが付いたりして取れない場合
- 画鋲の穴が無数に空いていたり、下地のボードまで張り替えが必要な場合
- 賃借人の不注意で雨が入り込んで床が変色・腐食してしまった場合
- 家具を引きづったことでできた床の傷
- カーペットに飲み物をこぼしたときのシミ、カビ
- ペットのニオイやいたずらでできた傷
- キッチンの油汚れ
- 風呂・トイレ・洗面などの水あかやカビ
故意に傷つけても良いものといえば画鋲の穴や経年による焼けくらいなので、それ以外の傷や汚れは賃借人負担になると考えて良いでしょう。
原状回復義務がある
先ほども書いたとおり、賃貸物件には原状回復義務があります。
国土交通省は、原状回復についてのガイドラインを、
「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」
引用:国土交通省
とし、この費用は賃借人が支払わなければならないとしています。
ただし、通常の暮らし方をしていて発生するもの、つまり経年劣化によるものは家賃に含まれなければならないため、復旧の必要はありません。
たとえば、画鋲の穴や電化製品による電気焼けなど、自然発生するものは借主の負担ではないです。
原状回復すると敷金が返還される可能性あり
部屋の状態が原状回復ガイドライン内の場合、敷金は返還されることもあります(もちろん契約内容による)。
そのため、引越し時に必ずしも掃除をしなければならない、というルールは存在しません。
ただし、全く掃除をせずに出ていくのはマナー違反になるといえるため、お礼の気持ちも込めて最低限の掃除はしておきたいですね。
また、自分で掃除しておくことで、敷金から引かれるハウスクリーニング費用が抑えられる場合もあります。
敷金なしの場合、清掃費・修繕費などが請求される場合あり
敷金なしの物件に賃貸契約していた場合、契約内容によってはハウスクリーニング費用、修繕費などを請求される可能性が高いです。
我が家の場合、敷金なしで入居したため請求額に不安があったことや、お世話になった家なので感謝を込めてできる限り掃除と補修を行って出ていきました。
たまたま管理会社に依頼された清掃業者が知り合いだったので、後日話を伺うと「掃除するところがないくらいキレイだった。」とのこと。
退去後の管理会社との立ち会いでは家賃1か月分でそれでもホッとしていましたが、ハウスクリーニング終了後に来た請求書は、掃除したことが功を奏したのか家賃0.5か月分になっていました!
【引越しの掃除】場所別の掃除範囲と程度
引越しは、荷物をまとめたりスケジュールを立てたりと労力を奪われるので、その中で掃除もしなければならないとなるとかなり大変です。
ここからは、できるだけ簡単に、しかもキレイになる方法をご紹介したいと思います。
引越しの1か月前くらいから少しずつはじめて、当日はフローリング掃除など拭き掃除を残しておくくらいにしておくとラクですよ!
天井・壁
天井や壁は、ハンディモップでホコリを取り、ハンディワイパーなどで簡単に水拭きするだけでもキレイになります。
タバコのヤニやペットにニオイが気になる場合は、アルカリ電解水をスプレーして拭き取るのがおすすめです。
洗浄力が高いので汚れも落ちますし、消臭効果も期待できます。
洗浄力が高い水なので、目に入ったり吸い込んだりしないよう扱いには十分注意し、壁紙に使えるか確認してから使用しましょう。
キッチン
キッチンは主に油汚れですが、
- 換気扇(カバーやファン)
- ガスコンロ(天板・五徳・魚焼きグリル)
- シンクの水あか・錆び・カビ
これらの箇所を掃除しておきましょう。
油汚れには、重曹やセスキ炭酸ソーダ、酸素系漂白剤、アルカリ電解水、マジックリンでの浸け置きが効果的です。
天板や壁などの油汚れは、アルカリ電解水をスプレーするだけで簡単に落ちることが多いですよ!
水あかはクエン酸などの酸性洗剤や研磨剤入りクリームで落としましょう。
引越しの1週間前までには掃除を済ませ、引越しまでは簡単な調理で済むようにするとラクですよ!
浴室
浴室は、カビ・水あか・石鹸カスで汚れています。
カビや石鹸カスはハイターやカビキラーといった塩素系漂白剤が手っ取り早いですよ!
塩素系漂白剤で落ちない石鹸カスは種類は違うので、クエン酸など酸性洗剤をを使って落としましょう。
水あかは、範囲が広い場合はクエン酸で浸け置きしてからこすり落とすか、範囲が狭い場合はその場所に適したダイヤモンドパッドでこすると簡単です。
トイレ
トイレは、排泄物の汚れや尿石、カビ、ニオイの問題がありますね。
まずは、換気扇や天井から下に向かってホコリ掃除をし、壁や床の拭き掃除をしましょう。
タンク内、フタや便座、便器の外側もキレイに掃除したら、便器の中を掃除します。
尿石はサンポールなどの酸性洗剤を使い、溶かして落としましょう。
洗面所
洗面所は、収納棚・シンク・排水口が水あかやカビなどで汚れています。
まずは、荷物をまとめながら収納棚やシンク下収納の掃除をしましょう。
次に、鏡や蛇口周り、シンクなどの水あかをそれぞれの場所に適したダイヤモンドパッドでこすり落とします。(クエン酸掃除も可)
シンクを洗剤で掃除してよく水を流したら、排水管をパイプユニッシュなどで掃除しましょう。
シンクから飛び散った汚れが壁紙にも付いている可能性があるので、壁もよく確認して汚れていたら拭いておきましょう。
洗濯パンは荷物搬出後になるので、ホコリ掃除と拭き掃除をし、排水口もキレイに掃除するようにしましょう。
床・フローリング
床やフローリングの掃除は荷物をすべて運び出してから。
経験上、その前にキレイに掃除しても引越しで汚れてしまったので、掃除機とフロアワイパー、雑巾バケツセットは置いておき、最後に掃除することをおすすめします。
もし、傷がある場合はホームセンターにある補修キットで直しておきましょう。
フローリングは、ホコリを掃除してから水拭きし、汚れ具合に合わせて洗剤を使って落としていきます。
窓・網戸
網戸を取り外して水洗いできるなら、ザッと洗ってしまいましょう。
取り外せない場合は、ホコリを払い、何度か水拭きするとキレイになりますよ。
窓は、ガラス裏表・ゴムパッキン・カビ取り・サッシと、やるところが多いので、1か月ほど前から少しずつ掃除していくと良いですよ!
ちなみに、窓掃除は曇りの日の午前中がおすすめです。
ベランダ
ベランダも忘れてはならない掃除場所のひとつです。
まずは、枯れ葉などの大きなゴミを取り除きましょう。
大体はブラシを使っての水洗いや、新聞紙を使った水拭きで落とせますが、汚れが頑固な場合は重曹を使えば落ちやすくなります。
玄関
玄関は、下駄箱とたたき部分を掃除しましょう。
下駄箱は、靴の荷物を整理するときについでに拭き掃除をしておきましょう。
たたき部分は、頑固な汚れだけを取り除いておき、あとの部分はどうせ引越しで汚れるのでそのままにして、当日に掃除するのがおすすめです。
引越し時に掃除する時間がないときはプロにお任せ!
急な転勤などで引越しするだけでも大変!掃除する時間なんてない!という方もいますよね。
家事代行サービスやハウスクリーニングなら、代わりに引越し時の掃除を行ってくれますよ。
家事代行は、家にある洗剤と道具で代わりに掃除してくれるサービス、ハウスクリーニングはプロが専用洗剤と機器を使って行うサービスです。
汚れ具合や予算に合わせて選んでみてはいかがでしょうか。
引越しは荷造りするだけでも重労働なのに、済んでいた家だけでなく新居の掃除もしなければならないとなると大変です。
家事代行やハウスクリーニングといったサービスを上手に活用して、引越しの際の負担を減らしましょう!
詳しくは「引越しハウスクリーニングの相場はいくら?費用を安く抑えたい方必見」の記事も参考にしてくださいね。
退去時、敷金トラブルになった場合
もし、退去時に敷金が返金されると思いきや、高額請求されてしまった場合、焦ってしまいますよね。
どのように対処していけば良いか順に解説していきます。
請求書内容を確認する
まずは落ち着いて、請求書の内容を確認しましょう。
高額請求となる主な原因は以下の通り。
- カギの紛失・破損による取り替えが必要になった場合
- カビなどのシミ
- ペットにニオイや傷
- タバコのヤニ汚れやニオイ
このようなときは高額請求になる可能性があります。
敷金を納めて入居した場合は、敷金から引かれて差額が返金されるか、足りない場合は敷金を上回った額を請求されることになります。
敷金なしで入居した場合は、全額請求されることとなります。
負担しなくていいものがないか確認する
もし、請求書の内容が大まかすぎて分からない場合は明細をもらいましょう。
明細をよく見て、賃借人が負担しなくても良い項目がないか確認してください。
負担する必要のない請求があれば、管理会社か大家さんに交渉してみましょう。
解決しない場合は専門家に相談
請求に不満があることを伝えても解決しない場合は、専門家に相談しましょう。
上記のような専門家に相談して解決してもらうのがおすすめです。
もし、上記の専門家に相談しても納得いかない場合は、民事調停という方法があります。
手数料は500~1,000円ほどで、簡易裁判所で記載すればOKです。
まとめ
引越しする際に、必ずしも掃除をする必要はありませんが、礼儀として、敷金返還のためにも掃除しておくことをおすすめします。
どこまで掃除するか迷ったら、『敷金からムダな費用が引かれないよう目立つ汚れがないようにしておく』ことを意識して掃除すると良いかと思います。
引越し当日に全部掃除するのは大変なので、荷造りしながらボチボチはじめていくのがポイント。
ベランダや押し入れなどの収納、天井や窓など、使用頻度が少ない場所からはじめていくのがおすすめです。
引越し時に掃除すべき場所や掃除のポイントを参考にして、お世話になった家をキレイにして気持ち良く新生活を迎えましょう!
新居の掃除については下記記事を参考にしてくださいね。
(関連記事:入居前の掃除は必要!掃除のやることや時期などを徹底解説!)