お肉の解凍って意外とむずかしく、ドリップが出てうま味のないお肉になったり、解凍ムラができて上手に調理できなかったりしますよね。
今回は、冷凍肉の解凍方法(レンジや冷蔵庫、流水、お湯など)を実際に試してみて、美味しいうえにすぐにお肉を解凍できる方法がわかったのでご紹介します!
絶対にやってはいけない危険な解凍方法もあわせて参考にし、上手に冷凍したお肉を解凍してみてくださいね!
【結果】1番早く・美味しく冷凍肉が解凍できるのは?
1番早く、そして美味しく冷凍肉を解凍する方法は、『ドリップを出さないでスピーディーに解凍できるかがポイント。』
実験では、流水解凍がお肉を1番早く美味しく解凍できることが分かりました!
次は電子レンジ。電子レンジの癖を知り、お肉に合わせて上手に解凍することができれば、5分もかからず解凍ムラもなく、ドリップも出さずに解凍することができます。
氷水解凍やアルミホイルに包む解凍方法もおすすめ。
氷水解凍やアルミホイル解凍のほかにも、お湯やフライパン解凍のように早く解凍できる方法はありましたが、ドリップが出るのが難点でした。
氷水解凍やアルミホイル解凍は、お肉を低温でじっくり解凍する方法。
菌の繁殖を防ぎながらうま味を逃さず解凍できるため、お肉の美味しさを損ないません。
お魚の解凍は「冷凍した魚を解凍する方法。凍ったままの魚を調理するとまずい?」のページを参考にしてくださいね。
冷凍肉を解凍する7つの方法※実験しました
冷凍肉を解凍する方法を7つご紹介します。
個人的には、厚さにムラのある鶏もも肉の解凍が1番手強いと思うので、150gの鶏もも肉を用意して実験してみました。
7月中旬、冷房は26℃に設定している状態です。
お肉のドリップの出やすさや、解凍時間、解凍ムラがあるかについても参考にしてみてください。
①電子レンジ
電子レンジの解凍モードや、出力を低めに設定して解凍する方法です。
時間がないときでも、冷凍庫から出して5分もあれば解凍することができますよね。
ただし、お肉の表面や外側に火が通る(茶色くなる)、お肉の中心部が固い、というように解凍ムラができやすいなど、電子レンジの機種によっては調節がむずかしい場合があります。
我が家の電子レンジでは、いつも解凍ムラができてしまい、一部煮えてしまっている部分が。ドリップも少し出てしまいました。
ただ、解凍は5分と早いので、時間がないときにはおすすめの方法です。
②お湯
今回、80℃のお湯に入れて実験してみました。投入後はすぐに70℃にまで低下。
15分ほどで解凍できましたが、お肉によっては中心部がまだ凍っていたり、表面が加熱されてしまったりしてしまうのが難点です。
今回使用した鶏もも肉も、上面はピンク色でしたが、下面が白く煮えてしまっていました。途中でひっくり返す必要があるようです。
しかも、中心部はまだ凍っている部分があり、ドリップも多く出てしまい、完全に解凍失敗です。
解凍ムラが出てしまうと調理の際に扱いにくいですし、お湯の温度が高い場合や長い時間浸けてしまうと今度はお肉が温まってしまい、菌が繁殖する恐れがあるので注意しなければならない解凍方法です。
生暖かい状態だったので、実験後、調理に使うのは怖いなと感じました。
この方法はおすすめできませんが、それでもお湯で解凍する場合は、お湯から出したらすぐに調理するようにしてくださいね。
③流水
ジッパー付き袋などに入れたお肉をボウルに入れて、水道水を少しずつ出しながら解凍する方法です。
流水に浸ける方法は、飲食店でも行われている方法で、昔勤めていたお店でも行っていましたよ。
解凍ムラもなく、ドリップもほとんど出ないので、調理するとき1番最初に浸けておけば、ほかの調理を済ませている間に解凍できていますよ。
解凍時間は、お肉の種類によって変わりますが、とんかつ用の豚ロース肉くらいの厚さであれば10~15分あれば解凍することができます。
ちょこちょこ触って様子をみながら解凍すると、ベストな状態で解凍することができます。
今回、水温は18℃。途中で左右を入れ替えたり裏返したりして、鶏もも肉も15分で解凍できました。
解凍ムラもなくドリップも2滴ほどしか出ていないので、上手に解凍することができたと思います。
水温が高いとお肉の温度が上がってしまうのが難点ですが、実験後のお肉の温度は、すぐに調理すれば全く問題ないと感じる程度でした。
④氷水
お肉をゆっくり解凍することで、できるだけドリップの流出や菌の繁殖を防ぎながら美味しく解凍する方法です。
1時間ほどかかってしまいますが、お肉もちゃんと冷たいまま。ドリップも全く出ないし、解凍ムラもありませんでした。
時間にゆとりのある方におすすめの美味しくお肉を解凍する方法だと思います。
⑤フライパンではさむ
フライパンの熱伝導率の高さを利用した解凍方法です。
2つのフライパンでお肉をはさむと、30分程度で解凍することができます。
上手くはさめることができれば解凍ムラはほとんどありませんが、お肉の厚さが均一でないとフライパンが傾いて、お肉の一部分しか当たらないので、お肉全体にフライパンが当たるようときどき移動しなければなりませんでした。
とんかつ用などの豚ロースのようにカットされたお肉であれば、平らなのでフライパンで解凍しやすいと思います。
フライパンの重さによってドリップが出やすくなってしまうのでしょうか。かなりドリップが出てしまいました。
ドリップが出てしまう、中心部まで解凍するのに30分もかかってしまうためお肉の温度が上がってしまう、お肉の厚さが均一でないとはさみにくいため、あまりおすすめできない解凍方法です。
⑥アルミホイルに包む
アルミホイルもフライパンと同様に熱伝導率を利用した解凍方法です。
冷房26℃に設定した状態で、お肉をアルミホイルに包んで約2時間置いておきました。
ドリップや解凍ムラもなく、お肉も冷たい状態で上手く解凍することができました。
熱伝導率を利用して解凍するならフライパンよりおすすめです。
2時間かかる以外は何の問題もないので、時間に余裕がある方におすすめの解凍方法です。
⑦前日から冷蔵庫に入れておく
お弁当など翌日のメニューが決まっている場合は、前日から冷蔵庫に入れて解凍するのがおすすめです。
寝る前に冷蔵庫に移しておけば、4~5時間ほどで解凍できているので、朝起きてすぐに調理に取りかかることができます。
私の場合は、冷蔵庫の中段に移して5時間で解凍できましたが、もっと時間をかけて解凍できる場合は、チルド室など温度が低いところで解凍させると菌の増殖をより防ぐことができて安心です。
この方法は、ただ冷蔵庫に移動させるだけで簡単、ドリップが出ない、解凍ムラもないので、美味しくお肉を解凍できますよ。
(関連記事:鶏肉の消費期限は?腐敗のサインや消費期限を延ばす方法)
冷凍肉を美味しく解凍するコツはドリップにあり!
冷凍肉を解凍すると、やり方によってはドリップが出てしまい、うまみの少ないお肉になってしまいますよね。
水分も抜けるので、パサパサになったり固くなったりして、本来の美味しさが損なわれてしまいます。
冷凍のお肉を上手に解凍するには、ドリップをいかに出さずに解凍するか。時間がないときは、いかにドリップを出さずに早く解凍できるかが美味しく解凍できるポイントになります。
絶対にやってはいけないお肉の解凍方法※常温は危険!
絶対にやってはいけないのが、自然解凍という名の常温でお肉を解凍する方法。
冷凍庫から取り出して放置しておけば手っ取り早いのですが、常温で解凍すると、お肉についている雑菌が繁殖してしまい、食中毒になる危険性が高まってしまいます。
図を見ても分かるように、10℃以上から菌の繁殖に注意が必要な温度になるため、特に夏場は注意しなければなりません。
さらには、冷凍庫と室温の温度差によりドリップの量も多くなるため、うま味の少ないお肉になるので良いところは一切なし!
お肉はできるだけ低い温度で解凍し、解凍後はすぐに調理してしっかりと火を通して食べるようにしましょう。
(関連記事:カレーは冷蔵庫で何日もつの?鍋のままや常温保存は危険!)
まとめ
冷凍したお肉を1番早く美味しく解凍できるのは、流水や電子レンジ、氷水での解凍がベストだということが実験で分かりました。
ドリップした肉汁には、うま味成分が多く含まれているので、できるだけドリップを出さないで解凍するのが美味しさを保つカギとなります。
美味しさだけを追求するのであれば、低温で解凍できる氷水や冷蔵庫での解凍がおすすめです。
常温での解凍は、お肉に付いている雑菌が繁殖してしまい、食中毒の危険性が高まってしまうので絶対にやめてくださいね。
ぜひ、本ページの実験結果を参考にして、お肉を上手に美味しく解凍してください!
ご飯の解凍方法は下記記事を参考にしてくださいね。