調理中に黒酢がないということに途中で気付くことってありますよね。
黒酢は普段の料理で使う機会が少ないせいか、ストックする癖もないし、気が付いたら切らしているということが多いのではないでしょうか。
調理中だとわざわざ買いに行くのも大変ですし、ほかの方法で黒酢の代用ができたら良いですよね!
今回は、家にある調味料で黒酢の代用として使えるアイデアや黒酢の味に近づけるためのポイントを3つご紹介します。
黒酢の代用アイデアは、あくまで料理の黒酢代わりになるだけで、それ以外の代用にはならないので気を付けてくださいね。
黒酢の代用アイデア3選!
黒酢がない!と困ったときには、普通のお酢やソース類などを組み合わせた以下の3つの方法で、黒酢の代用となる調味料として使えますよ!
- 酢+オイスターソース
- バルサミコ酢+レモン汁
- ワインビネガー+めんつゆ
簡単に黒酢の味に近づけるそれぞれの代用アイデアの作り方をご紹介します。
酢+オイスターソース
1番簡単でおすすめなのは、一般的なお酢とオイスターソースとの組み合わせです。
オイスターソースの材料は、牡蠣エキス・砂糖・うま味調味料などなので、お酢と合わせることで酸味を抑え、コクとうま味を簡単にアップさせてくれるんです!
割合の目安は、お酢大さじ2杯:オイスターソース大さじ1杯。お好みに合わせて加減してくださいね。
オイスターソースがないという場合は、以下のページを参考に代用してみてくださいね。
(関連記事:【すぐ作れる】オイスターソースの代用アイデア5選!家にある調味料で作れるレシピ)
すし酢を使う場合は工夫が必要
お酢の代わりにすし酢も使えますが、砂糖などの甘みが加えられているので、レシピで砂糖などを使う必要がある場合、量を減らすなど調整が必要です。
バルサミコ酢+レモン汁
バルサミコ酢とは、ぶどう果汁を煮詰めて木樽に詰めて長期熟成させて作られていて、イタリアのモデナ地区やレッジョ地区でつくられたものだけがバルサミコと名乗れるという伝統的なお酢のこと。
黒酢のように長期熟成させているので、ツンとした香りは弱め。ぶどうから作られているので甘みがあってやさしい味なので、レモン汁の酸味を加えるだけで黒酢に近づけることができるんですよ!
バルサミコ酢に少しずつレモン汁を加えて味を調えましょう。
ワインビネガー+めんつゆ
ワインビネガーは、ぶどう果汁をアルコール発酵させたあと、さらに酢酸菌を加えて発酵させてつくられています。
バルサミコ酢と同様ぶどう果汁を使って作られていますが、熟成期間や製造方法が異なり、バルサミコ酢は伝統製法でつくられて手間がかかって高価なのに対し、ワインビネガーは手軽に使える食酢です。
白ワインビネガーと赤ワインビネガーの2種類がありますが、赤ワインビネガーの方が果実感が強くコクがあるのでおすすめ。
ワインビネガーは、酸味はありますがうま味が弱いため、めんつゆやオイスターソースを加えてうま味をプラスしましょう。
めんつゆを入れすぎると、せっかく酸味やコクが飛んでしまうので、めんつゆは少しずついれながら調整してくださいね。
黒酢の味に近づける!代用調味料を使うときの3つのポイント
単に酸味をつけたいのであれば、黒酢の代わりにほかのお酢で代用すれば良いのですが、黒酢独特の風味が欲しいときは以下の3つのポイントに注意して近づけていきましょう。
- 酸味を和らげる
- うま味を足す
- コクを足す
ここからは、醸造酢などほかの調味料を使って黒酢に近づけるための方法をご紹介します。
酸味を和らげる
お酢の酸味を和らげるには、
- 加熱する
- はちみつやみりんを加える
- うま味を足す
上記の3つの方法がおすすめです。
お酢に含まれる酢酸は、酸味のもととなる成分。酢酸は揮発性なので、加熱することで酸味が飛んでまろやかになります。
はちみつやみりんにはオリゴ糖が含まれていて、オリゴ糖には酸味を和らげる効果があるため少量加えることで酸味のカドを取ることができますよ。
また、かつおぶしのイノシン酸や昆布のグルタミン酸、しいたけだしのグアニル酸はうま味成分として知られています。
これらのうま味成分もお酢のカドを取ってまろやかにしてくれる働きがあるので酸味を抑えてくれますよ。
はちみつやみりんがない場合、砂糖を加えることで酸味をやや抑えることは可能です。
うま味を足す
お酢にうま味を足すことで黒酢に近づけることができます。
うま味成分が入っている調味料は、
- かつおや昆布、しいたけが入った出汁
- 醤油や味噌などの発酵調味料
- オイスターソース・ウスターソース・ケチャップ
出汁はうま味成分のもとなので言わずもがなですよね。
出汁がない場合、出汁を取るのが面倒な場合でも、醤油や味噌といった発酵調味料はアミノ酸が豊富に含まれていて、うま味成分も豊富に含まれているのでおすすめです。
ソース類も、野菜や果実、牡蠣などの素材から出たうま味成分が凝縮されているので、お酢に少量加えると黒酢の代用として使うことができます。
コクを足す
コクについて10年以上研究を続けている女子栄養大学の西村敏英教授は以下のように述べています。
「コクとは、食べ物の味、香り、食感のすべての刺激によって感じとる総合感覚です。コクがあるとは、刺激の複雑さで形成され、さらにその刺激に空間的な広がりと、持続性が感じられる現象です」
「複雑さ」「広がり」「持続性」の3つの要素で表されるものがコクであるとのこと。
黒酢は長期熟成されていてほかのお酢よりもコクがあるため、一般的なお酢に調味料を加えてコクを出したい場合は、その調味料自体にコクがあるものを選びましょう。
例えば、甘みを足すときにふつうの砂糖を使うよりも黒糖の方がコクがあるので、黒酢の味に近づけることができます。
ほかにも、飴色になるまで炒めた玉ねぎや、カラメルでもコクを出すことが可能です。
黒酢を代用する際の注意点
家にある調味料を使って簡単に黒酢の代用品をつくれることが分かりましたが、それは料理に代用する場合のことであってほかの目的で代用することはおすすめできません。
黒酢の効果や効能は見込めない
お酢を使うので、お酢の疲労回復効果と言った健康効果は期待できますが、黒酢本来の効果・効能は見込めないので注意しましょう。
黒酢には、アミノ酸が非常に豊富に含まれていて、通常のお酢よりも美容健康効果が高いのが特徴です。
お酢+調味料でも栄養がないわけではありませんが、黒酢本来の効果効能を求めるなら黒酢そのものを用意しましょう。
黒酢ドリンクの代用にはならない
美容健康効果が高い黒酢ですが、炭酸水などで割って飲んでいる方も多いと聞きます。
ご紹介した方法で黒酢に似せることは可能ですが、それはあくまでも料理に使う場合ですので、黒酢ドリンクとして代用するのはやめましょう。
味は似ていても栄養素が全く異なるので、黒酢の美容健康効果を期待するのであれば黒酢を使ってくださいね!
ポン酢は使えない
ポン酢は黒酢のような醸造酢と違って、柑橘の果汁にしょうゆやみりん、かつおぶしや昆布などでつくられている加工酢。
柑橘果汁やしょうゆの風味が強すぎるので、お料理に使うと柑橘の風味が加わってしまうため、黒酢の代用として使うのは不向きです。
梅酢やらっきょう酢なども不向き
また、ポン酢のほかに使えないお酢は、梅酢やらっきょう酢。
梅やらっきょうも独特の風味が強いため、ポン酢と同様にお料理そのものの味が変わってしまうのでおすすめできません。
黒酢の特徴
一般的にスーパーなどで手に入る酢は、米・小麦・果実・野菜を使って作られていて醸造酢と呼ばれています。
黒酢は米や大麦でできているので醸造酢に分類されるのですが、熟成期間がほかのお酢と比べて長いためアミノ酸が豊富。
一般的なお酢と比較して数倍~10倍ほどアミノ酸の量が多いといわれているんですよ。
長期熟成のため色は褐色~黒色をしていて、一般的なお酢のようにツンとした香りはなく、味もまろやかになっています。
参照:サントリーウエルネスより
まとめ
黒酢は、伝統製法で長期熟成させてつくられたとても手間がかかるお酢で、一般的なお酢と比べて栄養価が高く、うま味やコクがあるのが特徴です。
家にあるお酢や調味料で黒酢の代用品をつくるには、黒酢の特徴である「まろやかな酸味」「うま味」「コク」を再現することがポイントになります。
1番簡単な黒酢の代用方法は、お酢とオイスターソース。お酢大さじ2杯にオイスターソース大さじ1杯の割合で混ぜ合わせるだけなので簡単です。
調理中に黒酢がないことに気付くと焦ってしまいますが、慌てずに試してみてくださいね!