料理や掃除に使える重曹ですが、実は洗濯にも大活躍しますよね。
だけど、重曹の洗濯は汚れニオイが本当に落ちるの?、色落ちしない?、洗濯機が故障したりしない?、など、経験がないと使用方法が不安なところ。
ここでは、重曹洗濯の5つのやり方をはじめ、重曹洗濯するときの注意点(デメリット)などもまとめたので、参考にしてくださいね。
重曹は使い方次第で通常の洗濯だと落ちにくい黄ばみや汗、加齢臭などのニオイもしっかり落とせるので、ぜひマスターしましょう!
重曹を洗濯に使うメリット
重曹を洗濯に使うとどんなメリットがあるのでしょうか。重曹の特徴と洗濯効果についてみていきましょう。
油汚れに効果的
重曹はぬるま湯と合わさることで弱アルカリ性に変化します。
洗濯での気になる汚れといえば、皮脂汚れ・食べこぼし・汗じみ・汗臭さなどが挙げられますが、これらは酸性の汚れになります。
酸性の汚れにはアルカリ性が効果的なので、ぬるま湯に溶かした重曹が効果を発揮してくれるんですよ!
消臭効果が得られる
衣類に付くニオイには、皮脂や食べこぼしなどの油汚れのニオイ、タバコ、生乾き臭やカビ臭などがありますよね。
これらのニオイは酸性なので、ぬるま湯に溶かすことで弱アルカリ性に変化する重曹がおすすめなんです。
柔軟剤の代わりに使える
アルカリ性の洗剤は、衣類がゴワゴワしやすいので柔軟剤が必要になることが多いのですが、肌が弱い方や香りが苦手な方は柔軟剤が使えないということもあります。
重曹は、水に溶かした時点でもphは8程度と水に近いので、アルカリ性に傾いた衣類を中性に近づけてくれるというワケなのです。
肌や環境にやさしい
重曹は、炭酸水素ナトリウムといって自然界や人体にも存在する安全な物質です。
ベーキングソーダといって、小麦粉などを使った生地を膨らませるために食品にも使用されています。
天然成分である重曹は、川や海に流しても汚染することはありません。
人にも環境にもやさしいため安全に使用することができますよ。
重曹を使った洗濯方法5選
重曹は、汚れ具合にあわせてさまざまな形態で洗濯に利用することができます。
襟袖や食べこぼしなどのシミ、汗などの消臭、頑固な汚れ、柔軟剤の代わりに、洗濯機で洗えないぬいぐるみの洗濯、といった重曹を使った5つの洗濯方法をご紹介します。
黄ばみやシミには重曹ペーストを塗る
重曹と水をあわせて重曹ペーストを作り、そこへ少量の中性洗剤を混ぜて作ります。
中性洗剤は食器用洗剤で良いのですが、洗濯用洗剤でも中性で環境にやさしい無添加のものもあります。
洗剤入りの重曹ペーストを、気になる襟袖の黄ばみや食べこぼしのシミなどに塗ったら、少し置いて繊維に馴染ませましょう。
40℃のぬるま湯を用意し、シミ部分を浸け置きして30分放置します。
ぬるま湯を捨てたら、いつものお洗濯をして完了です。
ニオイには浸け置き
汗や加齢臭などを消臭するには浸け置きがおすすめです。
洗面器に小さじ1杯の重曹と40℃のぬるま湯を入れてよく溶かします。
衣類を30分ほど浸け置きし、いつものお洗濯をして完了です。
煮洗いに使う
コットンや麻などで色柄ものでない衣類は、熱に強いので煮洗いすることができます。
水1Lあたり重曹を大さじ1杯の割合で入れ、火にかけましょう。
熱湯に重曹を入れると発泡して吹きこぼれることがあるので、必ず水の状態から入れてくださいね。
沸騰したら15分ほどトングや菜箸などで混ぜながら煮ます。
火を止めてそのまま冷めるまで放置し、絞って洗濯機煮入れ、いつものお洗濯をして完了です。
柔軟剤代わりに入れ、ふんわり仕上げる
柔軟剤がないときや、柔軟剤が苦手な方は、重曹が柔軟剤の代わりとして使えるそうですよ。
重曹が柔軟剤の成分に似ている、アルカリに傾いた衣類を重曹が中性に近づけてくれるので、洗濯物がふんわりと仕上がるとのこと。
使い方は、カップ2/3を柔軟剤投入口に入れるだけ。
結構量が多いなという印象ですが、重曹はたっぷり入っているのに価格もリーズナブルなので、柔軟剤が使えない方には朗報ですね!
ちなみに、柔軟剤効果を求めるならクエン酸でもOK。水50ccに小さじ1杯のクエン酸を溶かし、柔軟剤投入口に入れましょう。
(関連記事:柔軟剤はデメリットだらけ?柔軟剤を使わないときの洗濯方法)
重曹をそのままふりかけ、ドライクリーニング
大きなぬいぐるみや素材がデリケートことが多いぬいぐるみは、洗濯機で洗うことができません。
手垢で黒ずんできたり、ニオイが付いていたりする場合、粉のまま重曹を振りかけることである程度キレイにすることができます。
ぬいぐるみがすっぽり入るビニール袋を用意し、ぬいぐるみを入れたら重曹をぬいぐるみ全体に振りかけましょう。
ビニール袋の口を絞ってよく振ったり揉んだりして重曹を馴染ませます。
汚れ具合によっても変わりますが、1時間~1日ほどそのまま置いておきましょう。
袋から取り出し、重曹を掃除機でしっかり吸い込んだら完了です。
(関連記事:ぬいぐるみの洗濯方法3選。ふわふわになる洗い方から乾かし方まで!)
重曹を洗濯に使う際の注意点、デメリット
料理や掃除、洗濯にまで使える万能な重曹ですが、利用する際は注意が必要な場合があります。
以下の注意点を参考に、正しく重曹を使用しましょう。
重曹が使えない洗濯機がある
洗濯機によっては重曹が使えない機種もあります。
重曹は水に溶けにくいので、溶け残った重曹が故障の原因になることも。重曹を使う前に、必ず取扱説明書で重曹が使えるか確認してくださいね。
重曹+洗剤は効果が落ちる
よく、いつも使っている洗剤に重曹を足すと、汚れ落ち効果が高まるといわれていますが、実際はph値が中性に近づいてしまうので、洗剤の効果を下げていることになってしまいます。
多くの洗濯洗剤は弱アルカリ性で、重曹は水に近い弱アルカリ性なので、重曹と洗濯洗剤を混ぜることで洗剤のアルカリ度が下がってしまいます。
ちなみに各洗剤のph値は以下の通り。
- 合成洗剤粉末タイプ……ph10程度
- 合成洗剤液体タイプ……ph7.6~8程度
- 粉洗剤……ph10~10.5程度
- セスキ炭酸ソーダ……ph9.8程度
- 酸素系漂白剤……ph10.5程度
- 炭酸ソーダ……ph11.2程度
- 重曹……ph8程度
水に溶かすだけでは効果を得られない重曹ですが、水温が40℃を超えると炭酸ソーダになりはじめアルカリ度が高まるので、お湯を使えば洗濯効果は高まります。
ですが、洗濯洗剤もお湯を使うことで汚れ落ち効果が高まるので、これでは重曹を併用するメリットがありませんね。
また、硬水の場合は、重曹を入れることで水がやわらかくなり、石けんカスや黄ばみを予防することができるといわれていますが、日本の水道水は軟水なのであまり関係ないでしょう。
木更津市などは比較的硬度が高いので、重曹と併用するメリットを得られるかもしれませんね。
参照:全国水質マップ
ぬるま湯が必要
重曹は水に溶かしてようやく弱アルカリ性になるのですが、それでもph値は8程度だと説明しました。
中性の水はph値7なので、重曹水はほぼ水に近いといえますね。
ただ、重曹は加熱していくと、アルカリ度がアップしph値は11程度まで上がるので、重曹を洗濯に使って汚れ落ち効果を得たいときは40℃以上のぬるま湯を使うようにしましょう。
重曹は40℃以上になると炭酸ガスが発生し、80℃で40%, 80℃以上(沸騰蒸気)になると活発化する。
デリケートな素材や色落ちさせたくない衣類には使わない
重曹は繊維の奥に入り込んで汚れを落としてくれるのですが、ウールやシルクなどデリケート素材に使用すると生地が傷む原因になることがあります。
また、重曹を洗濯に使うと色落ちすることがあるので、麻などの天然素材やデニムなどは注意が必要です。
まとめ
重曹は、水に溶かすだけでは汚れ落ち効果が得られないので、必ず40℃以上のぬるま湯を使うことがポイントです。
重曹は、シミ抜きや汗臭さなどの消臭、ドライクリーニングや煮洗い、柔軟剤の代わりとして使えることも分かりましたね。
水では効果を発揮しないので、熱めのお風呂の残り湯を利用するなどして40℃以上で洗いましょう。
熱に強い素材で色落ちの心配がない衣類は、重曹を使って煮洗いがおすすめ。80℃以上で活発に炭酸ソーダへ変化しだすので、発泡パワーとアルカリで強力に汚れを落としてくれます。
洗濯機で洗えないぬいぐるみなどへのドライクリーニングも手軽でおすすめです。
ぜひ本ページを参考にして重曹を賢く併用し、洗濯物をスッキリ洗いましょう!