寒い季節に大活躍する土鍋ですが、最近は炊飯器を使わずに土鍋でお米を炊く方も多いものの、土鍋の正しい使い方や洗い方、お手入れ方法を知らない方も少なくないですよね。
土鍋は構造上、傷やニオイがつきやすい、カビが発生しやすいなど、お手入れにちょっと気を遣う必要があります。
そこで今回は、土鍋の基本的な洗い方をはじめ、焦げやカビ、ニオイの落とし方、注意点などを紹介していきます。
また、土鍋の使い始めにやるべき『目止め』のやり方なども併せて解説。正しくお手入れして強い土鍋をつくり、長く愛用していきたいですね!
土鍋の洗い方は水洗いが基本!
土鍋は、金属鍋などと違って土でできているのでとってもデリケート。傷やニオイが付きやすいため、正しい洗い方でお手入れし、洗ったあとはしっかり乾燥させましょう。
土鍋は傷付きやすいので、やわらかいスポンジを使って水洗いしましょう。ニオイが付きやすいので、洗剤などは使用せず水洗いが基本となります。
土鍋は、急激に熱が冷めると割れてしまうので、使用後は必ず手で触れるくらいに熱が冷めてから水洗いするようにしましょう。
土鍋の汚れが落ちないときは少量の洗剤を使ってOK!
水洗いで汚れが落ちないときは、少量の洗剤を使ってサッと洗いましょう。ぬるま湯を使って落とすと汚れが落ちやすくなりますよ!
汚れがひどいと浸け置きしてしまいがちですが、土鍋の内部まで水が入り込んでしまってもろくなってしまうので、浸け置きはしないようにしましょう。
洗剤を使って浸け置きしてしまった場合は、土鍋に染みこんでしまう可能性があります。
水を入れて火にかけて沸騰させたら、火を止めてそのまま冷めるまで待ち、洗剤成分を水に出しましょう。
心配なら2~3回ほど洗剤が気にならなくなるまで繰り返し行ってくださいね。
土鍋にカビ取りにはお酢を使う
土鍋に漂白剤が使えないので、殺菌効果のあるお酢を使ってカビを落としていきましょう。
土鍋に8分目まで水を入れたら、お酢を大さじ3杯ほど加えて10分ほど煮立たせてください。
冷めてから水洗い(少量の台所用中性洗剤を使用してもOK)して完了です。
カビ取りにもカビ臭にもお酢は効果的ですが、カビのニオイ取りならレモン汁でも代用OKですよ!
土鍋のこびりつき・焦げ落としは重曹を使う
土鍋にこびりつきや焦げが付いてしまったら重曹がおすすめです。
土鍋に水を入れたら、10%ほどの重曹を入れて火にかけましょう。10分ほど煮立たせたら火を止めて冷ましてください。
水洗いしながら、焦げをやわらかいスポンジでこすり落としましょう。重曹でお手入れした後は、必ず目止めを行ってから土鍋を使ってくださいね!
(関連記事:重曹を使った鍋の焦げの落とし方。こびりつきによさなら!)
土鍋に付いたニオイ消しはお茶殻を使う
食べ物のニオイが付いてしまった場合は、上記でご紹介したお酢やレモン汁でもOKですが、お茶を飲んだあとのお茶殻を使って落とすのもおすすめです。
お茶殻には茶カテキンという成分が含まれており、消臭効果が期待できるんですよ!
お茶殻をひとつかみと水を8分目まで入れて火を付けたら、1時間ほど煮立たせましょう。冷めてから水洗いするとニオイが軽減されていますよ!
土鍋の使い始めのお手入れ『目止め』とは?
土鍋を使いはじめるときは、最初に『目止め』といって、でんぷん質を煮立たせて土鍋に浸透させるお手入れを行う必要があります。
土鍋は土でできていて小さな穴が無数に空いています。この穴のことを目と呼んでいるんですね。
この目を塞がないまま土鍋を使用すると、ニオイが付いたりヒビ割れしたりする原因になるので、必ず目止めは行いましょう。
目止めのやり方
土鍋を洗ってすぐに使いたいところですが、目止めを行わなければ調理中に破損してヤケドをする可能性があります。
- ①土鍋を水洗いする
- ②お米に水を加えおかゆを作る
- ③一晩置く
- ④土鍋を水洗いし、乾かす
①まずは水洗いをしてしっかり乾燥させましょう。
乾燥が十分でないと土鍋の内部に水分が残ったままとなり、急激な温度変化で土鍋が割れてしまうことがあるので注意してくださいね。
目止め後は、裏底がよほどビショビショでなければ大丈夫です。ふきんで水気をよく拭き取ってから弱火で使いはじめましょう。
②お米に水を加えておかゆを作りましょう。土鍋に8分目まで水を入れ、ご飯を茶碗1杯加えておかゆを作る方法でもOKです。
③1時間ほど弱火で煮立たせたら、冷めるまで最低でも1時間、できれば1晩置いておきましょう。作ったおかゆは食べられます。
④土鍋を水洗いし、清潔なふきんで拭いたら底面が上になるようひっくり返して、風通しの良いところでしっかりと乾燥させれば目止めは完了です。
ちなみに、小麦粉や片栗粉でもOK。8分目まで水を入れたら10%の小麦粉、または片栗粉を入れて目止めを行ってください。
参照:https://www.rm-c.co.jp/pottery/attention.html
土鍋のお手入れ、洗う時にやってはいけないこと!
土鍋はデリケートな素材なので、洗ったりお手入れする際はいくつかの注意点があります。
土鍋に傷やニオイが付いたりするのを防ぎ、長く使っていくためにも以下の注意点を守ってお手入れしていきましょう。
研磨効果のあるスポンジやたわしは使わない
研磨効果のあるスポンジ、メラミンスポンジ、金属たわし、ナイロンたわしは、土鍋のコーティングが剥がれたり傷付いたりする原因になってしまいます。
土鍋を洗う際は、やわらかいスポンジや、天然素材のたわしを使ってお手入れするようにしましょう。
重曹の使用量や時間に注意
土鍋に付いてしまった焦げを落とすのに効果的な重曹ですが、使用量を誤ると土鍋が傷む原因になります。
重曹は水に溶かすと弱アルカリ性ですが、熱を加えると強アルカリになってしまい土鍋の釉薬を傷めてしまう可能性があるため、大量に使用したり長時間使用したりしないようにしましょう。
食洗機の使用は避ける
土鍋はニオイを吸着しやすいため、食洗機を使うと洗剤や食べ物のニオイが付いてしまうことがあります。
また、これらの内部は湿度が高いため、長く放置するとカビの原因にもなるため使用は避けましょう。
最近では、食洗機OKの土鍋も登場していますが、そうでない土鍋は手洗いをするのがおすすめです。
土鍋の正しい収納方法
土鍋を収納するとき、ふつうのお鍋と同じように収納していませんか?土鍋はカビが生えやすいため、収納する際は湿気などに注意が必要です。
収納する前にしっかり乾燥させる
土鍋は土でできているため吸水性が高く、洗って表面を拭いただけでは中まで十分に乾いた状態とは言えません。
土鍋に水分が染みこんだまま収納するとカビの原因になるので、しっかりと乾燥させることが大切です。
土鍋を洗ったら、鍋をひっくり返して風通しの良い場所で乾燥させましょう。
新聞紙に包み収納する
土鍋をしばらく使う予定がない場合は、フタと鍋部分を別々に新聞紙に包んで収納し、カビの発生を防ぎましょう。
湿気を避けるためにも、水気が近い場所や低いところでの保管は避けるようにしてくださいね。
長い間、土鍋を使っておらず再度使いはじめる場合は、目止めを行ってから使いましょう。
まとめ
土鍋には小さな穴が開いているため、使いはじめる際はまず目止めを行い、無数にある目と呼ばれる穴を埋めてから使用しましょう。
洗い方は基本的に水洗い。少量なら洗剤を使ってもOKですが、短時間でサッと洗うようにしましょう。
水分を吸着しやすいので、洗ったあとは裏底を上にして風通しの良い場所でしっかり乾燥させ、湿気の少ない場所へ収納してくださいね。
ていねいにお手入れすることで強い土鍋になります。長く大切に使って美味しい土鍋料理を楽しみましょう!