おかずがもう一品欲しいときやお弁当作りなどに便利な冷凍食品ですが、最近は中国が絡んだ食中毒事件などがあり「冷凍食品は体に悪い」というイメージが強い人もいますよね。
ここでは、そんな冷凍食品の何が体に悪いのか、を具体的に解説していくほか、健康を損なわないように冷凍食品と上手に取り入れていく方法などを紹介していきます。
冷凍食品は、添加物や原材料を見つつ、栄養バランスに注意すれば過度な心配は無用です。参考にしてくださいね。
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冷凍食品が体に悪いといわれるワケ
冷凍食品は体に悪いというイメージが付いていますが、具体的にどのような問題点があるか詳しくみていきましょう。
食品添加物の使用
日本は、外国に比べて食品添加物をたくさん使用しているといわれています。
マーガリンやショートニングなど欧米などで禁止されている食品添加物も、日本では当たり前のように使われているのが現状です(参考:FOOCOM.NETより)。
添加されている量は少量だから食べても問題はない、といわれていますが、長期間食べ続けることへの弊害はまだ確認されていないので、添加物を摂り続けることに抵抗を感じる方も多いのではないでしょうか。
ですが、冷凍食品に限らず、日本国内の食品には多くの添加物が使用されています。
添加物には食感を良くするもの、長期間保存できるようにするもの、見た目や味を良くするものなどがあり、これらを使わなければ食中毒の危険性も出てきますし、食感も味も損なわれた食品になってしまいます。
コンビニでおにぎりの原材料表示を見てみましたが、たかが海苔・ごはん・具のシンプルなおにぎりでさえも、酢酸Naや増粘剤、加工でんぷん、着色料などが入っていました。
2~3日作りたての味をキープするためには、これらの添加物がなければ味が落ちてしまうのでしょう。
最近は、着色料や合成化学調味料を使っていない冷凍食品もあるので、安全なものを食べたいという方は安心して活用できますよ。
主な食品添加物の一覧
ちなみに、どんな添加物が冷凍食品に入っているのか簡単にご紹介しますね。
食品添加物 | 役割 | 原材料表示名など |
保存料 | 食中毒や腐敗の原因となる菌の増殖を抑える。 | ソルビン酸/しらこたんぱく抽出物(プロタミン)/デヒドロ酢酸ナトリウム/プロピオン酸/パラオキシ安息香酸エステルなど |
酸化防止剤 | 油の酸化を抑えて保存性を改善する。 | L-アスコルビン酸(ビタミンC)/カテキン/トコフェロール(ビタミンE)/エリソルビン酸(イソアスコルビン酸)/ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)など |
着色料 | 食品の色合いを調整する。 | 食用タール系色素(○色○号など)/クチナシ色素/カラメル色素/カロチン色素/ベニバナ色素など |
発色剤 | ハムやソーセージの色合いを良くする。 | 亜硝酸Na/硝酸K/硝酸Na |
調味料 | 旨味を加えて味を調整する。 | L-アスパラギン酸ナトリウム/5'-イノシン酸二ナトリウム/アミノ酸(L-アスパラギン酸ナトリウム、DL-アラニン、L-イソロイシンなど)。一括名表示が認められているため何が使用されているか分からない。 |
甘味料 | 食品に甘味を付ける。 | アスパルテーム/アセスルファムK/ サッカリン/D-ソルビトール/ステビア/キシリトール/カンゾウエキスなど |
乳化剤 | 水と油が混ざるようにする。 | レシチン/グリセリン脂肪酸エステル/ショ糖脂肪酸エステル/サポニンなど。一括名表示が認められているため何が使用されているか分からない。 |
香料 | 食品に香りを付ける。 | 合成香料(アセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒドなど2500種類)/天然香料612種類。一括名表示が認められているためどちらが使用されているか分からない。 |
その他の添加物 | 増粘剤・発色剤・安定剤・漂白剤・膨張剤・発色剤・転化糖・異性化糖など。 | --- |
香料では、合成と天然で大違いなのにどちらが使われているか分からないのは怖いですよね。
危険とされる食品添加物
なかでも、危険だといわれている食品添加物は以下の通り。
亜硝酸ナトリウム | 発色剤として使われている。肉や魚に含まれているアミンという物質と結合すると発がん性物質に変化するといわれている。 | ハムやソーセージなど食肉加工品。たらこなどに使われている。 |
アスパルテーム | 合成甘味料。発がん性物質、精子減少のリスクがあるといわれている。 | ダイエット食品・飲料・ガムなどに使われている。 |
タール色素 | 石油由来の合成着色料で、発がん性物質、催奇性の疑いがあるといわれている。 | 菓子類やアイスクリームなどに使われている。 |
グリシン | アミノ酸の一種で睡眠の質を良くする効果があるといわれているが、塩分の過剰摂取に関係するといわれている。 | サンドイッチや弁当などに使われている。 |
グルタミン酸ナトリウム | 調味料として添加されうま味成分として知られている。神経細胞を破壊するといわれ、アルツハイマーやうつ病の原因になるといわれている。 | 加工食品、調味料全般に使われている。 |
マーガリンやショートニングなどのトランス脂肪酸 | 心不全、心筋梗塞、動脈硬化、不整脈などの冠動脈疾患につながるといわれている。WHOは2023年までに世界のすべての食品からトランス脂肪酸を使用しないようにすることを目標としている。 | パンやケーキ、お菓子類などに多く使われている。 |
参考:食品安全委員会 Q&A検索より
国が安全だと定めていても、さまざまな研究者が危険であると問題提起している添加物はできるだけ避けるようにしたいですね。
栄養バランスに偏りがある
冷凍食品は、最近カット野菜やフルーツなど種類も徐々に増えてきましたが、揚げ物・肉類・麺類の加工品がほとんどを占めています。
電子レンジで温めるとすぐに食べられるという手軽さが売りですが、冷凍食品にだけ頼ってしまうとカロリーや塩分、糖質がオーバーするため、栄養のバランスが崩れてしまい冷凍食品は体に悪いというイメージが付いてしまっています。
特に高齢者や子ども、生活習慣病に罹っている方や妊娠中の方は注意が必要です。
工夫が必要か
ですが、前述のように冷凍のカット野菜も増えてきているので、これらと合わせて調理することで栄養のバランスを整えることは可能です。
例えば、冷凍クリームパスタに冷凍ほうれん草を加える、クリームグラタンに冷凍ブロッコリーを入れる、冷凍チャーハンにミックスベジタブルを入れて炒めるなど、工夫次第で野菜もたくさん摂ることができますよ。
ただ、これでは冷凍食品のメリットである手軽さや便利さが欠けてしまうのが難点です。
味付けが濃い
冷凍食品などの加工食品は味付けが濃いですよね。
中高年世代の方は、生活習慣病が気になる年代なので、味付けが濃いと塩分過多で体に悪いと思ってしまいます。
しかし、冷凍食品などの味付けを濃くしているのは、塩や砂糖をたくさん使うことで長期間保存が効くようにするためであったり、万人受けする味にするためでもあったりするのです。
ですが、味が濃いと必要以上にご飯が進んでしまい、今度は糖質過多になるなど栄養バランス面でも問題が出てくるため、冷凍食品は敬遠してしまう方が多いようです。
原材料に中国産が多い…
以前、中国で作られた冷凍食品で日本人が食中毒を起こした事件があり、その事件以降、冷凍食品は体に悪いというイメージが日本中に広がってしまいました(参考:中国冷凍食品による薬物中毒事案の実態把握より)。
残留農薬が原因で食中毒を起こしたことが分かり、中国政府も事態を重く見て輸出食品に厳しく規制をかけ、日本の冷凍食品メーカーも現地に日本人を派遣して厳戒態勢で製造するなど対策を強化したため安全に食べられるようになりました。
しかし、残留農薬以外にも中国は環境汚染が問題となっているので、中国産の食材を避けたいと冷凍食品を敬遠している方が多いのが実情です。
中国以外にも、東南アジアや欧米などからも食材を輸入しており、こちらは衛生面での問題やエサやホルモン剤の使用などの問題があります。
ですが、国内産の食材を使って国内工場で作られた冷凍食品も多くありますし、現在は食材の産地を表記する義務があるので消費者がパッケージを見て判断し購入できるようになっています。
冷凍食品を使う際に最低限気をつけたいこと
食品添加物や原材料が不安とはいえ、今の生活で冷凍食品を完全に避けることは難しいですよね。
そこで、冷凍食品を使う際は食品添加物が少ない、または使われていないモノを中心に利用してくださいね。
添加物不使用の冷凍食品を選ぶ
冷凍野菜やシンプルな材料で作れるうどんは添加物をほとんど必要としないので、普段使いしても安心です。
出典:ニチレイ
冷凍食品メーカーのニチレイでは、着色料や化学調味料を使っていない冷凍食品が多いので安心して購入することができます。
上記の緑のマークが付いているものを目安に選んでみてくださいね。
出典:らでぃっしゅぼーや
ほかにも、通販ではオーガニック野菜の冷凍食品を買えるところもあるので、添加物が気になる方はチェックしてみましょう。
ミートボールやハンバーグ、唐揚げなど肉を加工した冷凍食品は、くず肉を添加物をたくさん使って固形にしているといわれているので、頻繁に使わないようにすると摂取リスクをグンと減らすことができますよ。
最近は工夫された美味しい冷凍弁当も数多く販売されていますね。
(関連記事:冷凍弁当宅配おすすめランキング!価格・味・量・ヘルシーさなど徹底解説)
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心配は無用?冷凍食品のメリット
体に悪いイメージが強い冷凍食品ですが、商品や原材料などに注意すればメリットが多いのも事実…!冷凍食品は上手に取り入れていきたいですね。
冷凍食品は保存料不使用
冷凍食品は冷凍保存するため保存料を使わなくても良いというメリットがあります(参考:日本冷凍食品協会より)。
冷凍庫の温度である-18℃は、腐敗や食中毒の原因となる菌が活動できなくなるため、保存料を添加しなくても長期保存が可能なのです。
普段の料理に保存料などは絶対に使わないので、ソルビン酸や安息香酸など一般的な調味料以外のものを添加されていると、ちょっと怖くなってしまいますよね。
冷凍食品なら保存料不使用で、食中毒や腐敗の心配もなく安心して食べられるのがうれしいポイントです。
冷凍技術が進化し、栄養や美味しさをキープ
最近の冷凍食品は美味しくなったと感じませんか?
急速冷凍技術が進歩したことによって、食材の栄養や美味しさをそのままキープできるようになったからなんです。急速に冷凍すると食材の組織を破壊することが少なくなります。
出典:日本冷凍食品協会
例えばお肉なんかは一般家庭の冷凍庫で冷凍すると解凍時にドリップしてしまいますよね。
解凍時に出るピンク色の液体の中にはうま味成分が入っているので、解凍したお肉は美味しくなくなってしまうのです。
ですが、急速冷凍されたお肉なら繊維を壊さず冷凍できるので、解凍しても旨味成分が残った状態で美味しく食べることが可能になりました。
急速冷凍した野菜も同様に繊維を壊さず冷凍しているので、解凍しても水っぽくならず、栄養も鮮度もキープできているんですよ。
冷凍すると栄養がアップする食品の一例
冷凍することで栄養価がアップする食材と栄養を表にまとめてみました。
しじみ | オルニチン |
キノコ類 | グルタミン酸 アスパラギン酸 グアニル酸 |
小松菜 | ビタミンC |
ブロッコリー | ビタミンC ルテイン βカロテン |
にんじん | ビタミンC βカロテン ルテイン ポリフェノール |
ブルーベリー | アントシアニン ポリフェノール ビタミンC |
ほかにも、トマトや白菜、たまねぎ、ほうれん草、オクラなども冷凍保存に向いている野菜です。
(関連記事:冷凍できない食材13品と冷凍できるできないの見分け方)
新鮮なまま冷凍加工される
スーパーなどで並んでいる食材は、店頭に並んでから数日経っているものもあります。
時間が経つと栄養価はどんどん下がってしまうので、できるだけ新鮮な食材を摂りたいところ。
ですが、冷凍食品の場合は、採れたて新鮮なまま冷凍加工されるので栄養をキープできるというメリットがあるんです。
さらには、旬の食材は食べる期間が限られていますが、冷凍加工することで旬を過ぎても食べられるので便利ですよね。
(関連記事:幼児食はいつから始める?進め方や作るポイントなど徹底解説)
まとめ
冷凍食品は実際に食品添加物が多く使われているため体に悪いイメージがありますが、シンプルな材料で作られたり食材のまま冷凍されたりしているものもあります。
冷凍保存することのメリットも多く、食品添加物もたまに摂取するくらいでは問題ないといわれていますし、食品添加物なしの食生活は日本では厳しいでしょう。
冷凍食品には野菜を加工したものも多く出回るようになったので、上手に組み合わせれば栄養バランスの問題も解決できます。
手軽で便利な冷凍食品。産地や原材料をチェックし、自身で安全・安心の冷凍食品を見極めて上手に利用していきましょう!
お弁当におすすめの冷凍食品は下記記事を参考にしてくださいね。
(関連記事:お弁当に入れたいコスパがいい冷凍食品おすすめ18選!節約したい方必見)
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