水回りの水垢や頑固な油汚れなど、洗剤を使わずに水だけで様々な汚れをスッキリきれいに落とせる「メラミンスポンジ」(お掃除のプロがハウスクリーニングで活用するほど)。
ダイソーなどの100円ショップでも売られているほど、今では身近なお掃除グッズの定番アイテムです。
ただ手軽に使えるからこそ、なんとなく自己流で使いがち!
プロから見ても、メラミンスポンジの正しい使い方ができている人は意外と少ないんです。
誤った使い方をしていると
- 汚れを上手く落とせない
- 塗装が剥がれてしまう
- 素材を傷つけてしまう
などキレイにするどころか、逆効果になってしまうことも。
ここでは、メラミンスポンジの正しい使い方や、使用する際の注意点・使ってはいけない場所などを詳しく紹介していきます。
- キレイに汚れを落とすポイント
- 使えない場所と使用できる場所
- 合わせて使いたい洗剤
などといった情報もお見逃しなく!
身近で簡単に手に入るからこそ、正しい活用法で汚れを落としましょうね。
メラミンスポンジとは?メリットたくさん!
そもそもメラミンスポンジとは何なのでしょうか?
メラミンスポンジは、表面硬度が非常に高い「メラミン樹脂」を発泡して作られたスポンジのことです。
見た目は白くて弾力があり、とても軽いのが特徴です(市販の商品では、レック株式会社が販売している「激落ちくん」が有名ですね!)。
このスポンジに水をつけて汚れを擦るだけで、
- 水回りの水垢
- ガンコな油汚れ
などをきれいに落とすことができます。
メラミンスポンジは、普通のスポンジより研磨剤としての機能に優れていて、汚れを削りながら落とすのが特徴です。
洗剤なし!汚れが落ちる原理
メラミンスポンジの1番の特徴は、洗剤を使わずに汚れを落せること!
そんなメラミンスポンジが汚れを落とす原理は、スポンジに細かい網目のような空洞が無数にあることに秘密があります。
これは、メラニン樹脂に
- 発泡剤
- ガス
を加えて発泡させたときにできたもので、この細かい網目が集まることで研磨剤のような働きをし、どんなしつこい汚れも簡単にかき出すことができるんです。
また見た目は柔らかいスポンジですが、メラミン樹脂はかなり硬め。
硬く細い網目が汚れにからまるので、頑固な汚れを削りながら剥がしとってくれる仕組みです。
好みの大きさ・形になるから使いやすい!
メラミンスポンジは、厚さや大きさのバリエーションがとても豊富なアイテムです。
- サイコロ状に切って売られているもの
- 四角く大きいもの
- 持ち手やフックが付いたもの
など形は色々あります。
なので自分が欲しいサイズや形に切って使うことができます。
例えば広い範囲を掃除する場合は大きいサイズ、頑固な汚れには力が入る大きさにするなど、掃除する場所や汚れに合わせて使用できます。
またメラミンスポンジは使っていくと消しゴムのように削れて小さく、薄くなります。
量が減った場合は小さいスペースの掃除に使用したり、使いづらくなれば替え時といったように、簡単に判断できるのが良いですね。
毒性はある?
メラミンスポンジの原料は
- メラミン
- ホルムアルデヒド
です。
どちらも一般的には「皮膚障害」を及ぼすものなので、使用しても大丈夫なのか気になる方も多いと思います。
ただこの2種類の物質が化学反応によって生まれたメラミン樹脂自体は、全く違う性質の物質なので毒性はありません。
掃除用として使う分には人体に影響がないので、安心して使用できますよ!
メラミンスポンジの正しい使い方
これからメラミンスポンジの正しい使い方について紹介します。
- 使いやすい大きさにカットする
- たっぷりの水を含ませる
- 汚れた箇所をこする
- 水気を拭き取る
以上の流れになりますが、順に解説します。
普段なんとなく使っている方は、ここで正しい使い方を押さえて汚れをキレイに落としましょう
使いやすい大きさにカットする
まずメラミンスポンジを、ハサミを使って使いやすい大きさにカットします。
基本的には、人差し指と親指でつまめる程度の大きさがおすすめです。
台所のシンクなど広い所を掃除する場合は大きめに、カップや湯呑を洗う場合は指でつまめる大きさにするなど、掃除する場所に合わせて切りましょう。
メラミンスポンジは手で簡単にちぎることができますし、最初からカットされているものもあります。
たっぷりの水を含ませる
使いやすい大きさにカットしたら、摩擦を減らすためにメラミンスポンジをたっぷりの水で濡らします。
そうすることで、スポンジの表面に薄い水の膜ができ、適度にスポンジがすべるので汚れを落としやすくなります。
全体に水を浸み込ませたら、水がたれ落ちないくらい軽く絞ります。
この時ギュッと絞り過ぎないように注意しましょう。擦った時にキシキシと音が鳴るのは水が足りないサインなので、スポンジが白く不透明になるくらいを目安にもう一度水を含ませましょう。
汚れた箇所をこする
メラミンスポンジに十分水を含ませたら、汚れが気になるところをこすっていきます。
力を入れずに軽く拭くくらいで、汚れが落ちますよ。
水気を拭き取る
擦った場所には、メラミンスポンジの小さなカスや取れた汚れが付いているので、しっかりタオルなどで拭き取るとキレイな仕上がりになります。
湿ったタオルで拭き取るか、乾拭きするのがおすすめです。
汚れを落としたスポンジはすすぎましょう。
メラミンスポンジを使ってはいけない場所
メラミンスポンジには表面を研磨して削る性質があるので、使用してはいけない場所があります。
研磨されることで傷が付いてしまう素材には、使用しないようにしましょう。
- 人の肌や歯
- 塗装・コーティング加工されたもの
- 光沢のあるステンレス素材のもの
- 木材やプラスチック・樹脂素材
- 漆器や陶器
- 電化製品
以上の6か所にはメラミンスポンジを使用できないので、これから順に詳しく解説します。
人の肌や歯
体や手に油性ペンなどが付いてしまい、拭いても落ちないからとメラミンスポンジでこすってはいけません。
人の肌はとてもデリケートで、小さな子どもはさらに皮膚が弱いので、メラミンスポンジでこすることで皮膚を守る働きをする角質層が剥がれて、皮膚トラブルの原因になります。
(事例:保育士がメラミンスポンジで顔こする 3歳男児やけど)
また歯の
- 黄ばみ
- 茶渋
を落としたくて、メラミンスポンジでこするのも禁物です。
メラミンスポンジでこすると、歯の表面にある外部からの刺激を防止する「エナメル質」が、削れたり傷ついて歯にダメージを与える可能性があります。
そうなると歯がしみて痛みを感じたり、虫歯の原因になったり虫歯の進行を早める可能性があるので、絶対に歯にメラミンスポンジを使わないようにしましょう。
また歯の表面が傷つくことで、逆に着色しやすい状態になるデメリットもあります。
(参考記事:実は歯を傷つけている!?デンタルクリニックの院長に聞いたNGケア8選)
塗装・コーティング加工されたもの
メラミンスポンジは汚れを吸い取るのではなく、網の目状の部分で汚れを削り取るのが特徴です。
なので
- ペンキやワックスなどで塗装されたもの
- コーティング加工がされているもの
に使用すると塗装などが剥がれてしまったり、素材が傷が傷つくおそれがあります。
例えば、
- ペンキで塗装されたベランダの床や机・椅子
- ツヤ出し加工された洗面台や浴槽・トイレの内側
- 曇り止めコーティングがされた鏡やガラス
- ワックスがかかったフローリングの床
- 車のボディ
などには使用しない方がよいでしょう。
塗装やコーティング加工が剥がれてしまうと、本来の輝きを失ってくもってしまうので注意が必要です。
また傷が付くとその傷に汚れがたまり、かえって汚れが目立ったり汚れが落ちにくくなることもあります。
必ず事前に素材を確認し、もし使用して良いか分からない場合は、傷がつかないか目立たないところで試すか、使用を控えましょう。
傷つきやすい素材には、やわらかいスポンジで掃除しましょう。
ペンキなど塗料がついたときの落とし方は下記記事をご覧ください。
(関連記事:自分でできるペンキの落とし方。壁・床・手・髪・車などについたペンキを落とすコツを徹底解説! )
光沢のあるステンレス素材のもの
メラミンスポンジは、シンク内の掃除には基本使えるのですが、光沢のあるステンレス素材のものには使うことができません。キッチンのシンクなどが例に挙げられます。
光沢のあるステンレス製の場合は、凹凸のないよう加工されているので、メラミンスポンジで磨くと表面に傷ができて光沢がなくなりくもってしまいます。
傷が多いとカビも増えてしまうようです。
木材やプラスチック・樹脂素材
メラミンスポンジは、
- 木材
- プラスチック
- 樹脂素材
でできた柔らかいものには使用できません。
木製の家具はもちろん、収納ケースの扉や水槽などのアクリル板・プラスチック製の食器などに使用するのは控えましょう。
漆器や陶器
漆器や陶器にメラミンスポンジを使用することも、できるだけ避けましょう。
使用するたびに表面を傷つけることになり、漆器や陶器の持つ汚れ落ちの良さや断熱効果など、元々持っている性質や光沢・ツヤなどの美しさがなくなってしまう可能性があります。
使用するだけ光沢がなくなり、汚れもつきやすくなるので注意しましょう。
メラミンスポンジを使って良い場所
続いて、メラミンスポンジを使用して良い場所についてご紹介します!
- 水栓・蛇口
- 急須やカップた
- ガスコンロやその周りのタイル
など様々な箇所に使用できるので、順に解説します。
水栓・蛇口
水栓や蛇口にメラミンスポンジは使用できます。
タオルで拭いてもとれない水垢も、メラミンスポンジで簡単に落とせますよ。
日頃からサッと磨けば、水垢になるのを防ぎキレイをキープできます。
急須やカップなどの食器
急須やカップについた
- 水垢
- 茶渋などの黄ばみ
などの食器は、普通のスポンジでは中々落とせません。
漂白剤を使用したとしても、汚れが落ちるのに時間がかかってしまいます。
メラミンスポンジだと、磨くだけですぐに汚れが落ちるのでおすすめですよ。
ガスコンロやその周りのタイル
ガスコンロやその周りのタイルは、油汚れが気になるところ。
こんな場所にはメラミンスポンジが使えます!
こするだけで簡単に油汚れが落ちますよ。
大きめに切ったメラミンスポンジで、ガス台まわりの掃除をさっと終わらせましょう。
換気扇
油汚れがひどい換気扇のファンにも、メラミンスポンジは使用できます。
軽い汚れであれば、そのままメラミンスポンジでこするだけでキレイになります。
ベタベタした油汚れがこびり付いている場合は、セスキ炭酸ソーダ水を併せて使うと効果的です。
それでも油汚れが取れない場合は、セスキ炭酸ソーダ水をしばらくつけます。
炊飯器・レンジ
炊飯器やレンジなどの外側には
- 油
- ほこり
などがたまり、ベタベタになっていることがあります。
そんな汚れもメラミンスポンジに水を含ませて拭くだけで、キレイに落とすことができますよ。
炊飯器のフタの裏や溝に入り込んだ汚れは、四角に切ったメラミンスポンジの角を使うと掃除がしやすいです。
汚れが溜まってしまう前に、こまめに掃除しましょう。
(関連記事:炊飯器の掃除方法。パーツ別の洗い方を徹底解説)
冷蔵庫
メラミンスポンジを使えば、冷蔵庫内も掃除ができます。
食品で汚れた炭や棚板の汚れもキレイになりますよ。
細かい隙間にはメラミンスポンジの角を使って、キレイに掃除しましょう。
汚れを落とした後は水拭きをします。
玄関のタイル
玄関タイルの掃除にも、メラミンスポンジは大活躍!
玄関のタイルや目地にこびり付いた
- 土や砂の汚れ
- 黒ずみ
などの汚れは、ほうきで掃いたり雑巾でこすっても中々取れません。
メラミンスポンジを使用すれば、汚れをどんどんかき出してくれますよ。
良く目につきやすい箇所ですし、汚れも目立ちやすいのでとても嬉しいですね。
メラミンスポンジで掃除を始める前に、箒などでゴミを取っておきましょう。
大理石の床には使用しない!
大理石はとても繊細で傷つきやすいので、メラミンスポンジは使用してはいけません。
ドアノブ
普段あまり掃除をすることがないドアノブも、手垢で汚れています。
メラミンスポンジの角をとがらせた形にカットして磨けば、隅々までキレイになりますよ。
窓ガラス
窓の内側には手垢などの汚れが、外側は雨風で付着した水垢や砂ぼこりなどが付いています。
手垢も水垢・砂ぼこりなどの汚れも、大きめのメラミンスポンジを使って磨けばキレイになりますよ。
(関連記事:1番ラクな窓掃除のやり方!1枚5分!サッと終わってピカピカ綺麗に)
網戸
網戸や窓枠にもメラミンスポンジは使用できます。
網戸や窓枠を雑巾で掃除するとすぐに真っ黒になりますし、何度も水洗いしないといけないので面倒ですよね。
メラミンスポンジは汚れたとしても、使い捨てできるのでとても便利ですよ。
(関連記事:【網戸掃除のやり方】網戸を外さずに簡単キレイにする方法)
エアコンの吹き出し口
メラミンスポンジは掃除がしにくい、エアコンの吹き出し口の掃除にも使用できます!
割りばしにメラミンスポンジを巻き付けると、ホコリをしっかりからめとってくれますよ。
(関連記事:エアコン掃除を自分で簡単に!やり方・頻度・道具など徹底解説!)
マジックペンの汚れ
マジックペンの汚れも、メラミンスポンジでこすって落とすことができます。
メラミンスポンジだけでも汚れは落ちますが、お酢をスポンジに含ませて掃除するとさらに効果がありますよ。
靴のゴム部分
- スニーカー
- 子どもの上靴
などゴムの部分の黄ばみや汚れは、ブラシでこすっても中々落ちないことがありますが、メラミンスポンジなら落とすことができます。
また子どもの上靴には油性ペンでクラス名や名前を書くことが多いのですが、学年が上がったときなどに、メラミンスポンジで消して新しいクラス名を書くことができますよ。
(関連記事:上靴の洗い方まとめ。オキシクリーンで浸け置きが超簡単!)
メラミンスポンジと合わせて使いたい洗剤
メラミンスポンジだけでも汚れを落とすことができますが、
- こびり付いた油汚れや焦げ付き汚れ
- ガンコな水垢汚れ
などには、洗剤も併せて使用することで格段に落ちやすくなります。
重曹
シンクの側面に付いたカビなどの頑固な汚れには、重曹を併せて使うと効果があります。
具体的な掃除方法は、水を含ませたメラミンスポンジに重曹をふりかけて、汚れている場所をなでるようにして汚れを落とします。
また重曹は粉末なので研磨剤の働きがあり、油汚れなどもしっかり落とすことができますよ。
(関連記事:重曹の掃除への使い方13選!効果を高める方法や注意点など徹底解説)
セスキ炭酸ソーダ
- ガスコンロや換気扇のファンなどの油汚れ
- 風呂場などの皮脂汚れ
がひどく掃除しても落ちにくい場合は、セスキ炭酸ソーダを併せて使うのがおすすめ。
セスキ炭酸ソーダは、タンパク質を含んだ汚れや頑固な油汚れを落とすことができます。
具体的な掃除方法は、まず水200mLにセスキ炭酸ソーダ小さじ1を溶かし、セスキ炭酸ソーダ水を作ります。
スプレーボトルに溶液を入れて、気になる箇所に吹き付けます。
汚れをやわらかくした後にメラミンスポンジでこすると、より落ちやすくなりますよ。
(関連記事:【セスキ炭酸ソーダの使い方15選】手垢・油汚れの掃除に大活躍!)
クエン酸
酸性であるクエン酸は、アルカリ性の汚れである
- 水垢や湯垢
- 皮脂
- 石けんカス
などの汚れを落とす効果があります。
洗面器や洗面所のイスなどの汚れを落とす際に使えます。
具体的な掃除方法は、水200mlにクエン酸小さじ2杯の分量でクエン酸水を作り、メラミンスポンジに浸して水垢を磨いてみてください。
もし、汚れが落ちにくければクエン酸水を水垢が気になるところにスプレーし、ラップやキッチンペーパーなどでパックをして2~3時間ほど置きます。
その後ラップを剥がして、メラミンスポンジでこすりましょう。
頑固な水垢や石けんカスが、どんどん落ちていきますよ!
(関連記事:クエン酸の使い方!掃除・料理・美容にも使える優秀アイテムだった!)
弱アルカリ性の洗剤
手垢などの皮脂汚れには、弱アルカリ性の洗剤が効果的です。
水を含ませたメラミンスポンジに洗剤をのせて使うと、汚れが落ちやすいです。
力を入れなくても、スッとなでるだけで汚れが取れますよ!
掃除した後は水洗いして水拭きし、最後に乾拭きをして仕上げましょう。
メラミンスポンジを使用する際の注意点
メラミンスポンジの正しい使い方について説明する前に、使用する際の注意点についてご紹介します。
- 肌荒れ対策をする
- 熱湯や塩素系漂白剤は使用しない
以上の2点について順番に解説します。
ゴム手袋で肌荒れ対策をする
メラミンスポンジは研磨剤として汚れを落とすので、使用する際はゴム手袋をはめるなどして、肌荒れしないように対策しましょう。
素手で触ってしまった場合、強く握ると手が荒れることもあるので、掃除した後は必ず手洗いしましょう。
熱湯や塩素系漂白剤は使用しない
メラミンスポンジは熱に弱いので、熱湯は使用しないようにしましょう。
スポンジの寿命を縮める原因になります。
またカビキラーなどの塩素系漂白剤も使用すると、汚れと一緒に素材の表面が溶けてざらざらになりますし、後々汚れが付きやすくなります。
まとめ
今回はメラミンスポンジの使い方や、使用する際の注意点など詳しく紹介しました。
誤った使い方をすると、素材に傷がついてしまったり本来の輝きや機能を失う可能性があるので、正しい使い方で掃除しましょうね。
メラミンスポンジは正しい使い方をすれば、水だけで簡単に汚れを落としてくれるお助けアイテム。
汚れが気になる時にすぐ使えるように、小さく切って各場所に常備しておくのがおすすめですよ。
ぜひ本記事を参考にして、メラミンスポンジを使った簡単お掃除で、家中の汚れを落として下さいね!