水まわりの排水管や排水口に詰まりが起きると汚れはもちろん臭いが気になりますよね。ただその気持ち悪さになかなか掃除ができない方も多いですよね。
そんな時に排水管の詰まり汚れをスッキリ解消してくれるのが、排水パイプ専用の洗浄剤「ピーピースルー」。
ピーピースルーは、浴室や洗濯機・台所・洗面所など様々な箇所のつまりに使用できますが、意外と正しい使い方を知らない人が多いんです!
誤った使い方をすると
- 詰まり汚れに効果が出ない
- 薬剤が飛び散る危険がある
- 排水管を傷めてしまう
など詰まりを解消できませんし、様々なデメリットが生じます。
ここでは、ピーピースルーの使い方や使用する際の注意点などを紹介していきます。
正しいピーピースルーの使い方を知って、排水溝の詰まり汚れをキレイに取り除きましょう!
ピーピースルーとは
ピーピースルーは、和協産業株式会社が製造・販売している、排水管や排水口専用のパイプ洗浄剤です。
市販でも
- パイプマン
- パイプユニッシュ
などがありますが、ピーピースルーは業務用の洗浄剤で、非常に強力で大きい効果が得られます。
また、水道屋さんも使用していてプロも必須のアイテムといえます。
- お風呂
- キッチン(台所)
- 洗面所
など、あらゆる場所の排水管のつまりの除去や予防に役立つ優れもの。
一般的なパイプ用の洗剤よりもかなり強力なので、排水口がつまってしまうほど汚れていても、しっかり詰まりを解消することができます。
また、悪臭が上がってくる排水管は汚れていることが多いですが、ピーピースルーを使用することで、悪臭の除去も簡単にできます。
ただその分強力な薬剤なので、家庭用で使用する際には注意が必要です。
(関連記事:洗面所が臭い原因チェックリスト!生乾きや下水の臭いなどの対処法)
ピーピースルーはどうやって詰まり汚れを落とすの?
- ピーピースルーで詰まりは解消するの?
- 本当に汚れは落ちるの?
など気になる方も多いと思います。
一般的な洗浄剤よりも汚れを落とす効果のある、ピーピースルーの3つの特徴
- 強力な除菌漂白作用で汚れを落とす
- 発熱して詰まりを効果的に分解する
- 発泡して汚れを洗い流す
について、これから順番に詳しく紹介します。
強力な除菌漂白作用で汚れを落とす
一般的なパイプクリーナーでは、除菌漂白作用を持つ成分を薄めたものを使用しています。
一方でピーピースルーは3種類の除菌漂白成分を組み合わせている上、液体で薄めずにパックされているので、濃厚な状態で汚れに作用します。
発熱して詰まりを効果的に分解する
ピーピースルーは水に溶かすと、発熱するようにつくられています。
一般的に汚れはあたたまるとふやけて、流れやすくなります。
パイプの奥まで洗剤が入り込んで、詰まりも効果的に分解することができます。
発泡して汚れを洗い流す
ピーピースルーは発泡する特徴があります。
水に溶けると酸素の泡を発し、汚れに入り込んで浮かせる作用があります。
熱でゆるんだところに泡が入り込むので、どんな汚れもすっきりキレイに洗い流してくれますよ。
ピーピースルーが溶解・分解できるもの
ピーピースルーには3つの特徴があり、排水管の詰まりや汚れを取ることができることが分かりました。
ただ具体的にどのような汚れを落とせるのか分からない方も多いと思うので、これからピーピースルーで溶解・分解できるものをご紹介します。
・動植物性の油脂たんぱく質
・野菜くずやごはんなどの食物かす
・魚肉片や魚の骨
・茶がら、タバコ殻
・髪の毛、羊毛・絹製品
・石けんカス、皮脂、垢
・排泄物
・ティッシュやトイレットペーパーなどの薄い紙
・細菌性スライム、カビ、ヘドロ
以上を見て頂いて分かるように、
- 油汚れ
- ぬめり
- 髪の毛
などあらゆる箇所の排水管に集まる汚れに、効果があることが分かります。
溶解・分解できないものはある?
逆に、以下のようなものには溶解・分解しづらいです。
- 固形物(プラスチックや鉄・ガラスなど)が原因のつまり
- 固形物以外であっても、水の流れが完全にふさがれているとき
- トイレのつまり
ピーピースルーは薬剤の力で脂分や有機物を分解することで、流れの悪さの原因を除去します。
なので薬剤が溶かせないものには効果がありません。
また、薬剤が浸透せずつまりの原因に届かない場合にも、効果を発揮できない可能性があります。
トイレのつまりは汚れや雑菌などが原因ではないので、ピーピースルーを使用しても効果はありません。
また異物が詰まってしまった場合も、ピーピースルーで溶かして流すことができません。
ピーピースルーは「排水口につまった汚れを取り除く」ために、使用されることを覚えておきましょう。
ピーピースルーの種類
ピーピースルーには
- ピーピースルーF
- ピーピースルーK
- ピーピースルー(温水用)
以上の3種類などがあり、それぞれ落とせる汚れと落とせない汚れがあります。
どれも一般的なパイプ用の洗剤より、かなり強力です。
これから3種類のピーピースルーについて詳しく紹介します。
ピーピースルーF
出典:amazon
ピーピースルーFは業務用ですが医薬用外劇物に指定されておらず、一般家庭でも使いやすい顆粒タイプのパイプ洗浄剤です。
ピーピースルーFは顆粒タイプの洗浄剤で、お湯をかけると強力な発泡と発熱作用が生じて、排水管の内部に付いた汚れを隅々までキレイに洗浄します。
激しい反応熱はないので、取り扱いやすい特徴があります。
- キッチン(台所)
- 浴室
- 洗面所
などの排水管のつまり汚れや、悪臭予防に使うと良いでしょう。
ピーピースルーK
出典:和協産業
ピーピースルーKは、医薬用外劇物指定されているほど強力な成分を使っています。
ピーピースルーシリーズの中では一番洗浄力が強力で、劇的な効果がある薬剤としてよく紹介されています(ピーピースルーFの約5倍の濃度)。
つまりや水まわりトラブル対応を専門にした排水管洗浄業者が常備していることが多いです。
- 排水管の汚れがあまりにもひどいとき
- 完全に汚れが詰まってしまったとき
に効果を発揮するプロ用で、使用することで短時間で詰まりを一気に解決することができます。
後ほど紹介するピーピースルー(温水用)の寒冷地バージョンで、温水が用意できない場合や水温が低いところで、常温または冷たい水と反応させて使用するのが特徴です。
ピーピースルーKは水を加えることで反応熱が発生しますが、とても高い反応熱なので
- 樹脂製品の変形
- 薬液が沸騰し飛び散って、皮膚や目に付く
などの事故に注意しなければいけません。
また、医薬用外劇物なので取り扱いや保管には、かなり注意が必要です。
プロ・業務用で、一般家庭で素人の方が使用することはおすすめできません。
注意点として、ピーピースルーKには絶対にお湯を使用しないでください。
お湯を使用することで急激に反応し、高温になるリスクがあるからです。
熱に弱い排水管の場合、ピーピースルーKの反応熱によって変形してしまうこともあります。
常温の水や冷水を使用するようにしましょう。
ピーピースルー(温水用)
出典:和協産業
ピーピースルー(温水用)は洗浄力がピーピースルーKと同じくらいで、こちらも医薬用外劇物に指定されているほど、強力な成分が含まれている業務用洗浄剤です。
ピーピースルー(温水用)は、約40℃のお湯で溶かして使用します。
効果はピーピースルーKに次いで非常に強力なので、使用する際は細心の注意が必要です。
こちらも劇物に変わりはないので、一般家庭で素人の方が使用することはおすすめしません。
ピーピースルー3種類の違いまとめ
種類 | ピーピースルーF | ピーピースルーK | ピーピースルー (温水用) |
効き目の強さ | 普通 | 強い | やや強い |
性状 | 粉末 (使用時は温水に溶かす) |
フレーク状 (使用時は水に溶かす) |
フレーク状 (使用時は温水に溶かす) |
濃度 | 約12%(使用時約4%) | 95%(使用時約25%) | 90%(使用時約20%) |
速効性 | ゆっくり(約30分) | 速い(約5分) | 速い(約5~10分) |
発熱性 | 有 | 有 | 有 |
用途 | 中程度の排水管詰まり | 重度の排水管詰まり | 重度の排水管詰まり |
- ピーピースルーF
- ピーピースルーK
- ピーピースルー(温水用)
以上の3種類について詳しくご紹介しましたが、ここで違いを表でまとめてみました。
ピーピースルーKとピーピースルー(温水用)はどちらも有効成分の濃度が高く、排水管の詰まりや汚れにも効果がかなり高いです。
ただどちらも医薬用外劇物指定されているので、素人の方が使用するならピーピースルーFが安全でしょう。
もしピーピースルーFを使用して詰まりが取れないようであれば、業者にお任せすることをおすすめします。
ピーピースルーの使い方
ピーピースルーの3種類について紹介しましたが、これから実際に一般家庭でも使いやすい「ピーピースルーF」の使い方について詳しく解説します。
必要なもの
- ピーピースルーF
- お湯500~600ml
- ゴム手袋
あると安心なもの
- マスク
- ゴーグル
排水口で取り外せるものを外す
まず掃除する前に、排水口で取り外せるものは全て取り外しましょう。
排水口周りにふりかける
次に排水口の周りに、全体の1/4程度のピーピースルーの粉末(100~150g)を、サラサラと円を描くようにふりかけます。
取り外した排水口のフタにもふりかけると、手間なくキレイにできますよ。
ツンとした臭いがあるので、換気扇を回すことも忘れずに!
ピーピースルーとお湯が混ざる時に発生するガスでむせることがあるので、マスクをしておきましょう。
お湯をかける
ピーピースルーの薬剤の外側からお湯(40~50℃)を約400~500ml(コップ2~3杯位)静かに注ぎ入れて、排水管の中にピーピースルーを流し入れていきます。
お湯をかけるとすぐにジュジュッと音を立てて反応し、どんどん泡が出てきます。
この泡が詰まりの原因になる、排水管の中の
- 食べかす
- 汚れ
を溶かしてくれますよ。
また外した部品にもお湯をかけます。
お湯をかけるとピーピースルーが流れてしまうので、深い容器をビニール袋でくるんで、そこに部品を入れてつけ置きすることをおすすめします。
しばらく放置する
汚れに合わせて
- 汚れが軽度:30分~1時間
- 汚れが中度:数時間
- 汚れが重度:一晩
そのまま放置しましょう。
詰まりがひどい場合は長く放置することで、排水管内にとどまった汚れをどんどんピーピースルーが分解してくれますよ。
ただ長時間放置し過ぎると、配管が溶ける可能性があるので注意しましょう。
すすぐ
しばらく放置した後は、外した部品やシンク全体を水ですすぎ、ピーピースルーを完全に流したら完了です。
排水口にはバケツ1杯分ほどの、大量の水を流し込むのがポイントです。
もし効果が薄い場合は、放置する時間を伸ばして同じ作業を繰り返しましょう。
ピーピースルーFの使い方の動画をみる
ピーピースルーFの使い方を動画で知りたい方は、こちらをぜひチェックしてみて下さいね!
4分ほどでピーピースルーの特徴や、使い方・使用上の注意点などが分かりますよ!
ピーピースルーを使う際の注意点
ピーピースルーはかなり強力な洗剤なので、一般的な洗剤とは違って注意点もいくつかあります。
実際に掃除を始める前に、必ずこれから紹介する注意事項をチェックするようにしましょう。
- 決められた温度を守る
- 容量を間違えない
- アルミ製品に使用しない
- 肌に直接触れないようにする
- 十分に換気をする
- 子供やペットが触れない場所に保管する
以上の5点について、これから順番に説明します。
決められた温度を守る
ピーピースルーを使用する際は、種類ごとに決められた温度の水を守るようにしましょう。
例えばピーピースルーFは、40~50℃のお湯で溶かすのがベストです。
水が冷たすぎると溶けなくなり、汚れを分解することができません。
また排水管内で薬剤が固まる恐れもあります。
逆に熱湯に溶かすと泡が勢いよく発生し、薬剤が飛び散る危険があるので注意しましょう。
用量を間違えない
ピーピースルーの用量が少ないと、排水管のつまりに効果がありません。
逆に多すぎると、配管が溶ける可能性があるので十分注意しましょう。
アルミ製品に使用しない
ピーピースルーはアルカリ性なので、
- アルミニウム
- ガラス
- 塗装面
- ステンレス
などの材質に使用すると腐食が始まるリスクがあります。
安全の面でも使用は控えた方が良いでしょう。
また周りにアルミ製品がある場合も注意が必要です。ピーピースルーがかからないように注意するか、養生をしておきましょう。
肌に直接触れないようにする
ピーピースルーは業務用洗剤の中でも「医薬用外劇物」に指定されていて、皮膚に対する腐食性が高いことで知られています。
そのまま触れると肌に炎症が起きることもあります。肌に直接液剤が触れないように、ゴム手袋をするなどして対策しましょう。
また目などに入ると失明するおそれもあるので、保護メガネも用意しましょう。
ピーピースルーを使う際は
- ゴム手袋
- 保護メガネ
- マスクや帽子
を着けて、もし皮膚に付いたり目や口に入った場合はすぐ水で十分洗い流し、医師の手当を受けてください。
十分に換気をする
ピーピースルーを使用する際は、十分に換気をするようにしましょう。
使用時に出る泡は酸素なので危険なものではありませんが、舞い上がった粉を吸い込むのは体によくありません。
使う際は換気扇をつけたり、窓を開けて空気の流れをよくしましょう。
子供やペットが触れない場所に保管する
ピーピースルーを保管する際は必ず密栓をし、子供やペットが触れない場所に鍵をかけて保管するようにしましょう。
ピーピースルーには強力な成分が含まれているので、子供やペットが誤って触れるととても危険です。
また、暑くなるところに置かないようにし、硬くふたを閉めた上でビニール袋に入れて強く口を縛り、厳重に密閉保管すれば安心です。
そもそも排水管の詰まりの原因って?
排水管の詰まりはほとんどの場合、
- 油脂分
- 有機物
が原因です。
これらが排水管の内部に付き、そこに細菌や真菌・原虫などの微生物が増殖・発酵することで悪臭が発生します。
さらに細菌の増殖が進むと、細菌から分泌された粘液がスライムを作り、ぬるぬるとした被膜に成長!
これがいわゆる「ぬめり汚れ」で、排水管を詰まらせる主な原因になります。
ピーピースルーには詰まりの原因になる油脂分や有機物を溶解し、分解する働きがあるので詰まりを根本から解消する効果があります。
排水管の掃除は「排水管を自分で掃除する方法7選!洗剤やブラシ、道具は何を使う?」のページをご覧ください。
ピーピースルーが固まるのを防ぐためにできること
ピーピースルーが排水管の中で固まることが不安な方は、1回指定された温度の水に溶かして、反応熱が収まれば使用する方法をおすすめします。
この方法は排水口の中で反応熱が出る心配がなく、沸騰した排水が排水口から跳ね返ってくることもありません。
具体的なやり方は簡単で、まずバケツや洗面器にお湯を入れて、ピーピースルーをお湯に入れて混ぜます。
泡が出て発熱しますが、ピーピースルーが溶けるまで少し待ちましょう。
ピーピースルーが溶ければ排水口にお湯を流し入れて、しばらく待ってから再度流せばOKです。
まとめ
今回は、水回りの排水管の詰まりや汚れを解消する洗浄剤、「ピーピースルー」の種類や使い方などについて詳しく紹介しました。
ピーピースルーFを使用すれば、自分で簡単に排水管の詰まり汚れを解消できますよ。
ただ使用する際の注意点も色々とあるので、正しい使い方を守って安全に使用して下さいね!
本記事を参考に、ぜひピーピースルーで排水管の詰まり汚れをキレイにして下さいね。
(関連記事:トイレのつまりの直し方。家にある道具で解消しよう!)