クエン酸はどんな掃除に使えるの?
クエン酸スプレーの作り方、濃度は?
クエン酸を使ってはいけないところは?
ナチュラルクリーニングの1つとして、重曹と並んでクエン酸が人気です。
しかし、クエン酸の上手な使い方がわからない、気をつけないといけないこと、などを知らない人も多いですよね。
ここでは、クエン酸がどんな汚れに強いのか、掃除に使うクエン酸スプレーの作り方、場所別の使い方などをわかりやすく紹介していきます。
クエン酸とは?どんな汚れに効く?
クエン酸を上手に掃除に活用するためにも、まずはクエン酸について理解しておきましょう。
クエン酸とは?
そもそもクエン酸についてくわしくご存じでしょうか?
クエン酸とは、レモンやオレンジなどの柑橘系に含まれる酸味成分です。
クエン酸には、血流を改善し疲労回復効果や美肌効果が期待できるといわれています。
疲れているときに酸っぱいものを欲するのは、身体が自然にクエン酸を求めているからかもしれませんね。
クエン酸は健康や美容効果だけでなく、酸性という性質によりアルカリ性の汚れを中和して落としてくれる効果も期待できるのです。
クエン酸が得意な汚れ
クエン酸は酸性なのでアルカリ性の汚れに効果的であることをご説明しました。
アルカリ性の汚れに対してクエン酸を使うと、アルカリ性の汚れが中和されて落としやすくなるのです。
クエン酸が得意なアルカリ性の汚れをまとめると、
- 水垢
- 浴室の石けんカス
- トイレの尿石
- アンモニア臭
- 除菌効果
このような汚れにクエン酸は効果的です。
(参照:クエン酸によるカルシウム系汚れの洗浄に関する消費者情報の実験的検証より)
クエン酸が苦手な汚れ
クエン酸が苦手な汚れは酸性の汚れやカビ。
酸性同士なので中和することができず、油汚れや皮脂汚れなどはクエン酸スプレーでは落ちません。
酸性の汚れには重曹スプレーがおすすめです。
クエン酸は除菌効果は期待できますが、黒カビを漂白するパワーは残念ながらありません。
黒カビには塩素系漂白剤がおすすめです。
【掃除にこれ】クエン酸スプレーの作り方
クエン酸を掃除に使う際は、クエン酸スプレーとして用いるのが一般的です。
クエン酸スプレーの基本的な作り方をご紹介します。
用意するもの
- クエン酸…小さじ1杯
- 42℃程度のお湯……200ml
- スプレーボトル
- ゴム手袋
- ラップ
- キッチンペーパー
水よりぬるま湯の方がクエン酸が溶けやすいのと、汚れが落ちやすくなるので42℃程度のお湯を準備してください。
しっかり溶けるまでスプレーボトルを振りましょう。ちなみに上記の濃度は基本的な量です。
汚れ落ちをさらに良くしたい場合は、濃度を上げて試してみてくださいね。
乾燥したときにクエン酸が残って白い拭き跡が出てきた場合は、水拭きしてしっかり拭き取ればOKです。
手が荒れやすい方はゴム手袋を着用すると安心です。ラップやキッチンペーパーはクエン酸パックを行うときに必要なので、ぜひ揃えておきましょう。
そのほか、ペーストや重曹との併用など
クエン酸を掃除に使うときは、スプレーだけでなくペースト型にしたり、重曹と組み合わせるときは粉末状のまま使用することがあります。
ペーストの場合はクエン酸に水を少量ずつ足しながら使うだけ。重曹との併用する際は、粉末をふりかけるだけ、になります。
(関連記事:重曹の掃除への使い方と効果を高める方法)
クエン酸の掃除への使い方21選!
ここからはクエン酸の掃除への使い方を紹介していきます。
キッチン・お風呂・トイレ・洗面所・部屋など全21か所でのクエン酸の使い方を参考にしてください。
キッチン
キッチン掃除のクエン酸活用法を紹介します。
キッチンのシンクや蛇口
クエン酸スプレーとキッチンペーパー、ラップを使いクエン酸パックしましょう。
パック後、1時間ほど置いたら、こすり洗いしながら水で流すだけです。
(関連記事:シンクの掃除方法まとめ。洗剤の使い分けややり方など徹底解説)
食洗機
食洗機を掃除する際は、食洗機の洗剤投入口にクエン酸を大さじ3杯程度入れ、お手入れコースを設定するだけ。
自動で食洗機の掃除が終わります。
(関連記事:食洗機の掃除方法を徹底解説!クエン酸以外にアレが使える)
電子レンジ
電子レンジの汚れや消臭にクエン酸が効果的。
水100mlにクエン酸小さじ2杯程度を溶かし、電子レンジに入れ3分ほどかけます。
レンジにかけたら10分ほど放置した後、庫内の水滴や汚れを一気に拭き取りましょう。
電子レンジの掃除方法は下記記事に詳しくまとめています。
(関連記事:電子レンジの掃除方法まとめ)
炊飯器
炊飯器のニオイや汚れも電子レンジと同様です。クエン酸20gほどを炊飯器に入れ、水に溶かします。
炊飯スタートし、炊飯が終わった後に熱が冷めるまで待ち、いつもの中性洗剤を使って洗ってください。
詳しくは「炊飯器の掃除方法。パーツ別の洗い方や頻度の目安を徹底解説」のページもご覧ください。
電気ポット
電気ポットは白い結晶のような汚れが気になりますね。クエン酸を使ったら簡単に落ちます。
電気ポットにクエン酸を大さじ2杯程度入れ沸騰させ、2時間ほど放置。
放置後、お湯を捨てて気になる汚れはこすり洗いするだけです。
詳しくは「【超絶簡単】電気ポットの洗浄にはクエン酸と重曹を使おう!」のページをご覧ください。
鍋の焦げやサビ
鍋の外側に付いた焦げはなかなか落ちにくいですよね。
そんなときはクエン酸スプレーでキッチンペーパーを湿らせ、ラップでパックしましょう。
放置後、こすりながら洗い流してください。
(関連記事:重曹を使った鍋の焦げの落とし方)
まな板の除菌に
毎日まな板を除菌できたら良いのですが、なかなか塩素系漂白剤を使った除菌を行うことはできませんよね。
クエン酸スプレーなら簡単な除菌ができるので、毎日の終わりにサッとスプレーしておくとgood◎
3日に1度、せめて週に1度は塩素系漂白剤でしっかり除菌を行うとさらに安心です。
生ごみの消臭
生ごみに直接クエン酸を振りかけるだけ、のシンプルなモノ。
クエン酸スプレーは使わず粉を振りかけてください。スプレーにすると水分が悪臭の原因になります。
お風呂
お風呂の水垢や石鹸カスなどの汚れには、クエン酸が大活躍します。
鏡
お風呂の鏡には頑固な水垢が多いですね。そんなときはクエン酸パックが効果的。
クエン酸パックで2時間ほど放置したら、剥がしたラップを丸めて鏡を磨いていきましょう。
1回で落ちない水垢汚れは、複数回繰り返すことで徐々に落ちていきます。
壁、床
お風呂の壁や床などは石鹸カスが付着していることがあります。
汚れが目立つ部分には先ほどと同じようにクエン酸パックをして、こすり洗いをしていきましょう。
床の場合は、重曹を振りかけた上からクエン酸スプレーし、発泡が始まったらこすり洗いしてください。
※壁の掃除後は、スクイージーで水気をとると水垢、石鹸カスの汚れ防止になりますよ。
浴槽、小物
浴槽にお湯をため(残り湯OK)、クエン酸を1カップ入れます。
その中に、お風呂場にある小物類(椅子や洗面器など)を入れ、浸け置きしましょう。
しばらく置いた後、排水し気になる箇所はスポンジでこすり洗いし、流して終わりです。
排水溝
排水溝掃除へのクエン酸の使い方は、お風呂場に限らず、キッチンや洗面所でももちろん使えます。
排水溝の大きなゴミ(髪の毛やホコリ、糸くずなど)を取った後、重曹を振りかけ、その上にクエン酸もかけます。
そして1カップ程度の水を流すと、重曹とクエン酸が反応し発泡が始まり汚れを落すことができます。
排水溝の掃除は下記記事にくわしくまとめました↓
(関連記事:お風呂の排水溝のつまりに重曹とクエン酸を使おう)
トイレ
クエン酸は便器の尿石や水垢掃除、消臭などに効果的です。
手洗い器
トイレの手洗い器は水が溜まりやすい分、水垢も付着しやすい環境となっています。
そのためクエン酸パックを使って、こすり洗いをしていきましょう。
便器周り
クエン酸ペーストを作り、尿石が気になる便器内のふち裏に塗り、ブラシでこすり落としていきましょう。
尿石は1度では落ちないことがほとんどなので、こまめな掃除が大切です。
頑固な尿石の落とし方は下記の記事にまとめたので、参考にしてくださいね。
(関連記事:サンポールの効果的な使い方は?しつこい尿石の落とし方を徹底解説!)
壁、床
トイレの壁や床には、尿が飛び散り、アンモニア臭を発生させる原因となっています。
クエン酸スプレーをかけて拭き掃除をしていくことで、汚れはもちろん消臭効果も期待できます。
洗面所
洗面所でクエン酸を使った掃除の仕方を紹介します。
洗面所のシンク
洗面所のシンクには、水垢はもちろん、ハンドソープなどによる石鹸カスの汚れがあります。
キッチンのシンクと同様に、クエン酸パックで掃除をしていきましょう。
排水溝
洗面所の排水溝はお風呂と同様に、重曹とクエン酸を使って発泡させ、水で流すだけです。
つまりが気になる場合は「パイプユニッシュの使い方と注意点」のページをご覧ください。
リビング
リビングや部屋には、様々な場所の掃除でクエン酸が役立ちます。
フローリング・ドアノブ・スイッチ
家族みんなが触るところ、ドアノブやスイッチ、リモコンなどにクエン酸スプレーが使えます。
使う際は、直接スプレーせずにクエン酸スプレーを布に湿らせ、拭いてください。
またフローリングは汚れが目立つところにスプレーして、拭き取りましょう。
加湿器
加湿器の給水タンクやフタ、その他取り外せる部品は、クエン酸水で浸け置き洗いができます。
水3Lに対しクエン酸20g程度を溶かし、30分ほど放置しましょう。
放置後、排水し水でしっかりすすいで、乾燥させたら終わりです。
詳しくは「加湿器の掃除にクエン酸を使おう」のページをご覧ください。
観葉植物
観葉植物にはホコリが溜まりやすいですね。
そんな観葉植物の葉っぱに20倍に薄めたクエン酸スプレーをかけ、拭き取るとホコリが取れてツヤがよみがえります。
カーテンの消臭
部屋のカーテンがなんかにおう…と思ったらクエン酸スプレーをしてみてください。
スプレーするだけで、消臭効果が期待できます。
(関連記事:カーテンの掃除方法!毎日のお手入れやカビが生えたときの対処法)
掃除にクエン酸を使うときの注意点
クエン酸は、安心して使えるエコ洗剤ですが、使えない素材もあるので注意が必要です。
使い方に関する注意点や使用期限などもあわせてご覧ください。
クエン酸が使えない素材
- 大理石やセメントなどの石材
- アルミや鉄
- 白木や漆器
- 水が使えない素材
上記のような場所にはクエン酸を使うことはできません。
クエン酸はカルシウムを溶かす性質があるため大理石を溶かしてしまいます。
アルミも例えばアルミ製の鍋にクエン酸を使うと黒く変色してしまいます。
鉄製のものに使うとサビの原因になるので注意してくださいね。
顔より上にはスプレーしない
クエン酸は口に入っても安全ですが、目に入るととても痛い思いをします。
顔よりも上にはスプレーしないこと、狭い空間でクエン酸スプレーを使用する場合はゴーグルを着用するようにしましょう。
塩素系漂白剤を混ぜて使わない
クエン酸だけでは黒カビが落ちないからと、塩素系漂白剤を同時に使うことはやめましょう。
クエン酸と塩素系漂白剤が混ざると有毒ガスが発生して大変危険なので、絶対に同時使用はやめてくださいね。
作り置きができない
クエン酸スプレーは落しにくい汚れを簡単に落とせる便利なアイテム。
つい、たくさん作ってストックしておきたくなりますが、水を使用するため腐敗してしまう可能性があります。
クエン酸スプレーは、使用する分だけ作るようにし、残ったクエン酸スプレーは、1~2週間以内に使い切るようにしましょう。
【おまけ】クエン酸の料理や美容に関する使い方
掃除に関するクエン酸の使い方をご紹介してきましたが、実は料理にも美容にも使えるんですよ。
市販されているクエン酸の多くは食品にも使えるものが多いので、せっかくですからクエン酸の料理・美容に関する使い方もマスターしていきましょう。
使用するクエン酸は掃除に使うような工業用ではなく純度の高い高品質な「食品グレード」や「化粧品グレード」のクエン酸をご準備くださいね。
美容・健康
入浴剤として
クエン酸風呂といって、クエン酸を入浴剤変わりに入れる方法があります。
200Lに大さじ2~3杯のクエン酸を溶かして入浴します。
クエン酸風呂は、ピーリング効果による美肌作用・抗菌や消臭効果・疲労回復効果が期待できるといわれていますよ。
ピーリングで黒ずみ予防&角質オフ
クエン酸と精製水を使ってピーリング剤を作ることができます。
精製水に対し10%のクエン酸を溶かしましょう。
清潔な顔にスプレーし、そのまま数分放置します。
しっかりすすぎ、タオルでやさしく押さえるようにして水気を拭き取り、しっかりと保湿しましょう。
ピーリングは古い角質を取り去るものなので、やり過ぎると新しい未熟な角質も取り去ることになり、肌トラブルの原因となってしまいます。
ピーリングは肌の状態をみながら週に1~2回程度に留めておきましょう。
疲労回復ドリンク
クエン酸は私たちの体内で素晴らしい効果を発揮してくれます。
疲労がたまると疲れを感じやすくなるのですが、クエン酸には疲労の原因といわれている乳酸を抑える働きがあるというのです。
レモンや梅干しなどを食べると少し元気になるのはクエン酸のおかげなのでしょう。
ほかにも、血流改善やミネラルの吸収を促進する働きも期待できるそうですよ。
クエン酸を効果的に摂取できるドリンクの作り方は、1Lの水または炭酸水などにクエン酸を3~5g入れて溶かします。
クエン酸は摂取して5時間で排出されてしまうので、1日かけてこまめに摂取するようにしましょう。
クエン酸はカルシウムを溶かすので、長期的な飲用をお考えの方は念のために、歯に当たらないようストローで飲むことをおすすめします。
(参照:楽食だより 平成27年8月より)
料理
根菜類の下ごしらえや臭み取り
ゴボウやレンコンといった根菜類は、切ると色が変色してしまいます。
水1Lに対しクエン酸を小さじ1杯入れて溶かし、切った根菜をすぐに浸けておけば黒ずみを防ぐことができます。
また、キャベツなどを茹でると青臭い独特のニオイがしますが、クエン酸をほんの少しいれるとニオイを抑えることができますよ。
大根の辛味を抑える
大根おろしを作って辛すぎて食べられないという経験はありませんか?
そんなときは、クエン酸を少量混ぜると食べやすい大根おろしに変身しますよ。
ウイスキーや焼酎がより美味しくなる
頂き物のウイスキーや焼酎が苦手だった場合、クエン酸を少量入れると酸味が加わって美味しくなり、飲みやすくなりますよ。
お漬物に
クエン酸をお漬物の調味液に入れることで、サッパリとした味わいになりますよ。
チャック付きビニール袋に、クエン酸10g、水大さじ1杯、砂糖大さじ1杯を混ぜて調味液を作ります。
大根やカブなど好みの根菜を食べやすい大きさにカットし、塩でもんでおきましょう。
調味液が入ったビニール袋に塩もみした根菜類を入れてチャックを閉じ、冷蔵庫で2~3日置いたら食べごろです。
赤カブやラディッシュを入れると鮮やかな色合いを楽しむことができますよ。
赤しそジュース
クックパッドで最も多く作られていたクエン酸レシピをご紹介します。
- 赤しその葉っぱ……120g程度
- 砂糖……300g
- 水……500ml
- クエン酸……10g
沸騰したお湯に赤しその葉を入れて弱火にし、1分ほど煮出します。
葉っぱを濾した赤い汁に、砂糖とクエン酸を入れて1分ほど弱火にかけてよく溶かしてください。
煮沸消毒した清潔な瓶に入れて冷蔵保存し、飲むときは好みの量を炭酸水で割って飲みましょう。
賞味期限は、砂糖の量やシロップの煮詰め具合によって変わるため2~4か月だといわれていますが、できるだけ早く飲み切るようにしてくださいね。
まとめ
クエン酸の掃除への使い方を紹介しました。
クエン酸スプレーは作り方も覚えやすく、使い方もほとんどがクエン酸パックで放置し、あとはこするだけという簡単な掃除方法でした。
リサーチしていくうちに、クエン酸には水垢や石けんカスに効果的であることは知っていましたが、消臭やまな板の除菌にも効果的であることは目からうろこですね。
ただしクエン酸は使えない素材もあるので、使用する際は素材をしっかり確認してから使いましょう。
塩素系漂白剤との同時使用は絶対に避けてくださいね。
本記事のクエン酸の使い方を参考に、水垢などのくもり汚れを取り、ピカピカにしてみてはいかがでしょうか?
ナチュラル洗剤の違いや使い分けは下記記事を参考にしてくださいね。
(関連記事:重曹・クエン酸・セスキ・アルカリ電解水の違いと使い分けを徹底解説)