神棚は家の中の神社なので、常にきれいにしておきたいもの。神様は穢れ(けがれ)を嫌うため、神棚はいつも清潔な状態にしておいてくださいね。
今回は、神棚の掃除の時期や正しい掃除方法、やってはいけない注意点などを紹介します。
神棚を掃除することはお祓いにもなるため、元気がでないときにやってみるのも良いかもしれませんよ!
神棚の掃除はいつする?時期の目安
神棚は、基本的にいつ掃除しても構いません。ただし、9が付く日はNG。苦しみを連想させ、29日の場合は、二重に苦しむと考えられているためです。
年末に掃除を行うなら、30日がおすすめ。31日は翌日に新しい年を迎える準備で、バタバタしてしまいまよね。
慌ただしい雰囲気で神棚を掃除するのは神様に対して失礼とされているので、年末に掃除を行う場合は、30日か29日以前に済ませるのが理想的です。
6月と12月がおすすめ
6月は「大祓」という罪や穢れを清めるための神事が行われるので、それに合わせて6月と12月に神棚を掃除すると良いでしょう。
ペットがいたり、ホコリがたまりやすくて汚れやすいという場合は、こまめに神棚を掃除しましょう!
時間帯についても基本的にいつ掃除しても構いませんが、汚れが見やすい明るい時間がおすすめ。もちろん、お仕事の都合で夜になってしまう方はそれでも構いません。
1日と15日に掃除すると運気上がる?
毎月1日と15日は神様の日(月次祭)。榊や御神酒を新しいものと交換するのが一般的のため、そのタイミングで掃除を行うのもよいでしょう。
六曜は気にするべき?
仏滅や大安といった六曜は、神道とは関係ないのでいつ掃除を行っても構いませんが、気になる方は仏滅を避けて掃除してくださいね。
神棚の掃除は女性や病人がしてはいけない?
神道では、血や病気は”穢れ”として考えられているので、女性や病気の方は注意しましょう。
昔は、神社の巫女さんが生理になると、仕事の途中でも帰宅せねばならず、生理が終わるまでは神社に立ち入ることができませんでした。
また、ケガ人や病人も、境内に入ることはできなかったそうですよ。
鏡や塩を持つことで穢れを跳ね返したり祓ったり、現在では医療の発達もあり、生理中でも病気をしていても神社に入ったり、神棚の掃除で神様に触れることができるようになったとされています。
神棚の正しい掃除方法
神棚の掃除方法を紹介します。以下の道具や手順を参考に進めてくださいね。
用意するもの
- 数枚の新しいきれいな布
- 白い布
- 数枚の白い和紙
- ブラシやハタキ
- お米、清酒、水、塩などの新しいお供え物
- 新しいしめ縄(しめなわ)、紙垂(しで)
1.手と口を水で清める
神棚は家の中の神社なので、神社に参拝するのと同様にまずは手と口を水で清めます。
2.神様に感謝の気持ちを込めて礼をする
今から掃除を始めさせていただきますという報告と、日頃の感謝の気持ちをお伝えしましょう。
二礼二拍手一礼を行ってください。
3.神棚や榊を下す
神棚と榊を下すのですが、床に下ろすのは神様に対して失礼なので、机の上などに置きましょう。
白い布も敷いておきます。
4.棚に不具合がないか確認しつつ掃除する
神棚がガタついてないかなど不具合がないか確認しましょう。
神棚の素材は白木が多く、濡れた布で拭くとカビの原因になるので、必ず乾いた布でホコリを拭き取ってください。
汚れたもので拭くのは失礼にあたるので、必ず新しい布で拭きましょう。
5.神様に息がかからないよう和紙を咥えてお札を取り出す
私たちが吐く息は穢れているとされています。
お札に宿っている神様に触れるときは、息がかからないように和紙を口にくわえてから取り出しましょう。
6.白い布の上にお札を置いたら神棚を掃除する
事前に敷いておいた白い布の上にお札を置きましょう。
ローソク立てや榊立てなど、神棚全体を掃除していきます。
ブラシやはたきなどを使って、きれいにホコリを取り除いていきましょう。
7.和紙を咥えながらお札を神棚に戻す
掃除が終わったら、ここでも必ず和紙を咥えながらお札を神棚に戻しましょう。
お札がずれないようにそっと神棚を元に戻します。
8.お酒・塩・水・米などお供え物や神具を定位置に戻す
お供え物や神具を元に戻しましょう。
12月の大祓では、お札や紙垂などを新しいものと取り換えます。
9.しめ縄・紙垂で飾り付けを行う
しめ縄は、この世と神様の世界に境界を作る大切なもの。
しめ縄や紙垂は、毎年年末に新しいものと交換してから新年を迎えましょう。
10.掃除が終わったことを報告して礼をする
神様に掃除が終わったことをご報告すると同時に、家族安泰などを願い掃除を終えましょう。
神棚を掃除する際の注意点
神棚を掃除する際は、神道に教えに沿って行わなければなりません。以下の注意点を守り、神様に失礼のないようにしましょう。
神棚を床に下ろさない
神棚は神様がいるところなので、床に置く行為は礼儀を欠いています。
どうしてもやむを得ない場合は、白い布を敷いてからその上に置くようにしましょう。
掃除の前後に必ず神様に挨拶をする
神棚は神様がおられるところなので、勝手に開けたり掃除したりするのは神様に失礼。
他人の家を掃除するときに勝手に家に上がるなんてことはしないですよね。
神棚を掃除するときは、掃除前と掃除後に神様へ必ず報告をしてから行いましょう。
汚れた掃除用具を使用しない
神棚を掃除するときは、新しいものや専用の掃除道具を使用しましょう。
神棚の掃除は、神様がおられるところを清めるものなので、いつも使っている雑巾などで神棚を拭かないようにしてくださいね!
また、水拭きは、カビの原因になることがあるので、乾拭きで掃除するようにしましょう。
神棚に息をかけない
前述のように、人の息は穢れているとされています。
つい、ホコリをフーっと息で吹き飛ばしたくなることがありますが、神棚を掃除する際は和紙を咥えるなどして息がかからないようにしましょう。
古いお札などはゴミに出さない
12月に神棚を掃除する場合は、お札も新しいものと交換しますが、その際の古いお札はゴミに捨てないようにしましょう。
新年になってからお焚き上げという神事が行われるので、その際に白い布か紙に包んで神社へ納めてください。
しめ縄や紙垂も同様にお焚き上げしてもらうようにしましょう。掃除の際に使用した和紙や白い紙、はたきなどは家で処分しても構いません。
(関連記事:バチの当たらないお守りの捨て方)
神棚の掃除がむずかしい場合はプロに依頼しよう
高齢者などは、高いところにある神棚の掃除がむずかしいですよね。
時間的にも忙しくて掃除に時間が割けないという場合も多いと思います。
神棚の掃除は、ハウスクリーニングや便利屋さんが行っているので、心配な場合は依頼するのがおすすめです。
料金相場は、3,000~5,000円ほど。また、神棚以外の場所も同時に依頼することで割引になるところもあるのでお得です。
まとめ
神棚の掃除は手順を覚えてしまえば簡単にできることが分かりました。
しかし、神様とおられるところを掃除させていただいているという点はしっかり注意しておかなければなりません。
掃除前後に挨拶を行う、息をかけない、専用のものや新しいもので掃除するなど、礼儀を守って掃除を行いましょう。
高いところなので、高齢者などは無理はせず、プロにお任せするようにしましょう。
料金相場も比較的リーズナブルですし、ほかの場所と組み合わせることで割引になる場合もありますよ!
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