うっかり油性ペンが付いてしまうことありますよね。子どもの落書きはもちろん、書き物を間違えたり、落としたはずみで付いてしまった、、など。
油性ペンはなかなか落ちないと思われがちですが、「素材に合った物」を選ぶとスルスルと落とすことができます(だいたいの物は消毒用エタノールで落とせます^^)。
ここでは、素材別に油性ペンの落とし方とその手順を紹介していきます。
ただし油性ペンが落とせない素材もあるため、まずは「油性ペンと素材別落とし方の早見表」をご覧ください。
また時間がたった油性ペンは落としにくくなるので、できるだけ早く対処してくださいね!
なぜ油性ペンは落としにくいのか
油性ペンが落としにくい理由は、インクの性質にあります。まずは水性ペンと比較しながら油性ペンの特徴をみていきましょう。
- 油性ペン…油分を溶かす溶剤にインクを溶かしたもの
- 水性ペン…水にインクを溶かしたもの
つまり、油性ペンと水性ペンの違いは、インクを溶かす成分が水なのかそうじゃないのか、ということです。
インクの性質の問題
またインクには、「顔料」と「染料」という大きく分けると2つの種類があります。
参考
顔料インクの特徴
- 水に溶けず混ざった状態
- 対象物(たとえば紙)の表面にインクが付いた時に発色する
- 水でこすると簡単に落ちる
染料インクの特徴
- 溶剤に溶けた状態
- 対象物(紙)にインクが染み込み発色する
- 落ちにくい
油性ペンは「染料」の部類に属します。染料インクと溶剤が混ざり、乾くと固まる性質があるため、時間が経過するほどにどんどん落ちにくくなってしまいます。
(関連記事:墨汁の落とし方。洗濯じゃ落ちない時間が経ったときの対処法)
油性ペンの落とし方【素材別早見表】
油性ペンメーカーのZEBRRAが公開している油性ペンの落とし方を参考に早見表を作成しました。素材に合った道具や落ち具合などをご確認ください。
大体の素材に付いた油性ペンは、消毒用エタノールがあればなんとかなります。
表示
◎落とせる
△落とすのがむずかしい
✕落とせない
素材 | 落ち具合 | 落とし方 |
顔や手などの皮膚 | ◎ | ぬるま湯と石けん オリーブオイル 口紅 日焼け止め |
ガラスや陶器 | ◎ | 消毒用エタノール 除光液 消しゴム |
プラスチック | △ | 消毒用エタノール 除光液 消しゴム |
布製品 | △ | 消毒用エタノール 除光液 |
木製のもの | △ 奥に染み込むと落ちない |
バター かんきつ類の皮 消毒用エタノール 除光液 メラミンスポンジ 消しゴム |
ビニール | △ | 消毒用エタノール 除光液 消しゴム |
ビニール製の壁紙 | △ | 消毒用エタノール 除光液 消しゴム メラミンスポンジ |
ゴム製品 | △ | メラミンスポンジ |
紙 | ✕ | --- |
石・レンガ・コンクリート | ✕ | --- |
本革・合皮 | ✕ | --- |
紙や石類、木などのような油性ペンのインクが染み込みやすい素材は落とすことができません。
そのためインクが染み込みやすい素材の場合は、修正ペンやペンキなど別の塗料を使い、上塗りする必要があります。
また木製の場合なら研磨、革類の場合は変質する覚悟で油性ペンのインクを落とすしかありません。
顔や手など皮膚に付いた油性ペンの落とし方
顔や手など皮膚に付いてしまった油性ペンの落とし方の基本は、石けんを使ってぬるま湯で洗うことです。
その日のうちに完全には消えませんが、日が経つにつれて徐々に消えていきます。
急いで落としたいときは、オリーブオイルの油分で油性ペンのインクを馴染ませたらティッシュで拭き取りながら確認し、ぬるま湯で落としましょう。
外出先の場合、口紅や日焼け止めが役に立ちます。
口紅や日焼け止めには油分が多く含まれているので、オリーブオイルと同様の効果を得ることができます。口紅が衣類に付かないよう注意してくださいね。
ガラスや陶器、プラスチックなどに付いた油性ペンの落とし方
ガラスや陶器、表面がツルツルのプラスチックに付いた油性ペンの汚れは落としやすいですよ。
消しゴムでこするだけでも落ちますし、消毒用エタノールや除光液でも落とすことができます。
プラスチックに消毒用エタノールや除光液を使用する場合、表面を溶かしてしまい強度が落ちることがあるので注意しましょう。
表面がデコボコしているようなすりガラスやプラスチックの場合はなかなか落ちません。ちなみに、アルミ以外の金属もこの方法で落とすことができますよ。
衣類、布に付いた油性ペンの落とし方
衣類などの布に付いた油性ペンは、除光液や消毒用エタノールを使った落とし方がおすすめです。
油汚れは油で落とすのが基本なのでクレンジングオイルを試したことがありますが、油性ペンのインクを素早く分解するまでには至りませんでした。
そこで除光液を試したのですが、これが効果バツグンで完全に落とすことができたのです。
- ほかの部分にインクが移らないよう当て布をして汚れ部分に除光液を浸します。
- 油性ペンがにじんでくるので、上から違う布でポンポンと叩いて汚れを移しましょう。
- 繰り返すとどんどん薄くなってくるので、目立たなくなってきたら通常通り洗濯してください。
消毒用エタノールも同様の効果が得られますよ。
(関連記事:服に付いた朱肉の落とし方。紙・机・手・プラスチックなど素材別の落とす方法)
木に付いた油性ペンの落とし方
木に付いた油性ペンの落とし方ですが、基本的にはインクが染み込んでしまうため落とすことはできません。
机やフローリングのようにコーティングがされているものであれば、多少は薄くできるようです。
- バターやマーガリンなどの油分でインクと馴染ませて落とし、中性洗剤で油分を拭き取り水拭きして仕上げる。
- かんきつ類の皮に含まれるリモネンと馴染ませて落とし、水拭きして仕上げる。
- 消毒用エタノールや除光液などでインクを分解して落とし水拭きして仕上げる。
- メラミンスポンジで落とす。
- 消しゴムの摩擦で落としてみる。
といった方法を試してみましょう。
ただし、ニスなどの加工がされているものに消毒用エタノールや除光液を使うと加工が剥げてしまうので注意してくださいね。
ビニール製品や壁紙に付いた油性ペンの落とし方
ビニール製品に油性ペンが付いてしまった場合、破けそうにないものは消しゴムでこすってみましょう。
消毒用エタノールや除光液でも落とすことができますよ。
ただし、レインコートや浮き輪といった「軟質塩化ビニール」に付いた油性ペンの汚れは落とすことはできません。
ビニール製の壁紙に付いた油性ペンの汚れはビニール製品と同じ落とし方ですが、メラミンスポンジでこすっても落ちるそうですよ。
消毒用エタノールをスプレーし、壁紙を傷つけないようやさしくメラミンスポンジでこすりましょう。
壁の掃除方法は下記記事にまとめました。
(関連記事:壁の掃除方法まとめ。必要な道具や頻度など徹底解説)
ゴム製品に付いた油性ペンの落とし方
ゴム製品も油性ペンが付いてしまうと、染み込むことが多いので落とすのが厄介です。
例えば子どもの上靴の場合、学年が上がるとクラス名が変わるため上靴も変更しなければなりません。
買い替えるのはもったいないので、落とし方をリサーチしてみるとメラミンスポンジでかなり薄くなることが分かりました。
落とし方は、メラミンスポンジを水で湿らせてこするだけ。
上から新しく書いてしまえば分からない程度まで落ちるそうですよ。
本革・合皮に付いた油性ペンの落とし方
基本的に革製品に油性ペンが付くと落とすことはできません。
消毒用エタノールや除光液を使うと薄くはなりますが、素材の痛みや皮表面の色が落ちてしまいます。
どうしても落としたい場合は、デメリットを理解したうえで目立たないところで試してから実践してみてくださいね。
まとめ
うっかり付いてしまった油性ペンの汚れや、私のように間違って書いてしまうと、油性ペンは本当に落としにくいので焦ってしまいますよね。
しかし、ご紹介した方法で念入りに落としていくと徐々にキレイになりますよ。
残念ながら落とすことができない素材もありますが、その場合は上手く隠す方法で乗り切りましょう。
時間が経った油性ペンの汚れは定着して余計に落ちにくくなるので、うっかり付いてしまった場合は完全に乾く前にすぐ落としてくださいね。