コンセントにホコリが溜まっている場合、すぐに掃除しないと火災や感電のリスクがありとても危険です。
実際に東京都では、コンセントのトラッキング現象による火災が年間30件も発生しています(参照:東京消防庁より)。
コンセントの掃除を長い間していないと就寝中や旅行中などにこのような火災が発生する危険性があります。
ここでは、コンセント掃除の仕方やホコリを防ぐ方法などを紹介していきます。
まずは、なぜコンセントは掃除しないと危険なのか、トラッキング現象とはなにか、などからご覧ください。
コンセントは掃除しないと危険
コンセント周辺を掃除しないと火災の原因になって大変危険です。どのようにして火災が発生するのかみていきましょう。
火災を招くトラッキング現象
コンセントにホコリや湿気が溜まると『トラッキング現象』が起こり、火災の原因になってしまいます。
水分は電気を通すため、湿気を含んだホコリに電気が流れ、ホコリが燃えて火災になってしまうという仕組み。
トラッキング現象を防ぐには、掃除してホコリを溜めない、湿気を取り除くということが大切です。
トラッキング現象が起こる条件
トラッキング現象が起こりやすくなる条件を以下にまとめてみました。
- コンセントの掃除をしていない
- 長期間コンセントにプラグが差し込まれたまま
- たこ足配線になっている
- 家具の後ろにコンセントがある
- キッチンや洗面所などの水回り
- 加湿器がそばにある
このような状態だとトラッキング現象が起こりやすく、コンセントの火災を招きやすいので注意が必要です。
定期的にコンセントを掃除しよう
トラッキング現象が起きやすい条件でも挙げましたが、どれも少しの手間で改善できるものばかりです。
この手間を惜しんで火災や感電のリスクが高まるよりは、定期的にコンセント周りの掃除したり点検したりする方が良いですよね。
ちょっとした気の緩みが大きな事故につながりかねないので、日頃から防災について意識しておきましょう。
コンセントの掃除方法
コンセントにホコリが溜まっているなら、すぐに掃除を開始しましょう。
安全に簡単3ステップでコンセント周りを掃除する方法をご紹介します。
STEP1 ブレーカーを落とす
コンセントの掃除している最中に、感電したりトラッキング現象が起こったりする危険性もあるので、念のためブレーカーを落としておきましょう。
STEP2 ハンディモップでホコリを払う
掃除機の方がホコリを吸い込みますが、機種によってはブレーカーを落とすため使えませんね。
そこで、大型家電や家具の裏でも届くハンディモップを使用し、コンセント周りにあるホコリを最後に掃除機で吸い取りましょう。
ホコリを除去するだけでもトラッキング現象を予防できるので、ハンディモップでしっかり取り除いてくださいね。
(関連記事:ホコリ掃除の方法。必要な道具やコツなどを徹底解説)
STEP3 乾拭き(or固く絞った水拭き)
乾拭きの方が安全ですが、どうしても汚れが取れない場合は、水気を固く絞った雑巾でコンセントの汚れを拭き取っていきましょう。
水拭きする場合、雑巾に水気が多く残っていると電気が流れて大変危険なので、完全に水気が乾いてからブレーカーをオンにしてください。
コンセント周辺の電源プラグやコードを掃除する
コンセントに差す電源プラグやコードも、意外と汚れているので一緒に掃除しておきましょう。
軍手や重曹水があれば簡単にキレイになりますよ。
軍手をはめて指先を水で濡らして水気を絞り、汚れを拭き取ってください。
水拭きで汚れが落ちないときは、重曹小さじ2杯/水100mlの重曹水をつくり、重曹水で指先を濡らして水気を絞り、汚れを拭き取っていきましょう。
水気が残っていると感電したり火災が起きたりする危険性があるので、完全に乾いてからコンセントに差してくださいね!
【絶対やるな!】コンセント掃除の注意点
コンセントを掃除する際に、絶対にやってはいけないことを3つご紹介します。
濡れた雑巾を使う
絞り切れていない雑巾やウェットシートなのでコンセントを拭くと、力を入れて拭いたときに水分が漏れ出し、前述のように感電や火災のリスクが高まります。
コンセント掃除は基本的にブレーカーを落としてから乾いた布で拭き取り、どうしても汚れが取れない場合は固く絞った雑巾で拭き取るようにしましょう。
フローリング掃除のついでに水気を多く含んだ雑巾で、ついでにコンセント掃除をするようなことはやめましょう。
アルコール除菌スプレーを使う
コンセントが汚れていると、ついアルコールで除菌しながら掃除したくなってしまいますが、大変危険なのでやめましょう。
アルコールは引火性があり揮発性も高く、アルコール除菌スプレーを吹きかけた際に引火してしまう恐れがあるので、コンセントへの使用は控えましょう。
差し込み口内部のホコリをかき出す
コンセントの穴(差込口)にホコリが詰まっている場合、つまようじやヘアピンなど細いものを入れて描き出したい気持ちになりますよね。
ですが、コンセントの穴にものを入れるのは大変危険です。
特に、ヘアピンやドライバーなどの金属は、コンセントに近づけるだけでも電気が流れて火花が散ることがあります。
コンセントを分解する方法は調べると出てきますが、できればプロの業者に依頼してホコリを取ってもらい、ついでに点検もしてもらえると安心です。
どうしても自分でやる場合は、掃除機をあてて吸い取る程度の掃除に留めておきましょう。
コンセントのホコリ防止対策
コンセントはホコリが溜まるだけで火災のリスクが高まる意外と危険な場所であることが分かりました。
コンセントのホコリを予防して火災リスクを減らしていきましょう。
使ってない家電の電源プラグは外す
使っていない家電のコンセントを差しっぱなしにしていませんか?
コンセントを差すことによってホコリが電源プラグに溜まってしまい、コードにもホコリが溜まって汚れてしまいます。
使っていない電源プラグは外してホコリをコンセントに寄せ付けないようにしましょう。
電源プラグはしっかり差し込む
コンセントに電源プラグがしっかり差し込まれていないと、プラグの『刃』と呼ばれる金属部分にホコリが溜まったかなり危険です。
電源プラグはコンセントにしっかり差し込むようにしましょう。
しっかり差し込んでいるにもかかわらず勝手に抜けてくるときは、コンセントが緩くなっているので業者に依頼して点検・修理してもらう必要があります。
賃貸の場合は、大家さんや管理会社の方に連絡して対処してもらいましょう。
ホコリよけカバーをつける
出典:Amazon
大型家電や家具などの裏にあるコンセントをどうしても使わないといけない場合、ホコリ掃除がしにくいですよね。
そんなときは、直接電源プラグにホコリが溜まらないようホコリよけカバーなどのアイテムを使って予防しましょう。
ホコリを予防するアイテムには、
- コンセントを使わないときに差し込んでホコリ・感電を予防するタイプのもの
- コンセント全体を覆うタイプ
- プラグの刃にカバーをして予防するタイプ
などさまざまな種類があります。
使用条件に合ったアイテムを選んでホコリを予防しましょう。
また、水回りなど湿気が多い場所は、コンセント周りをいつも清潔にし、除湿アイテムを置いておくと安心です。
掃除しやすい環境を作る
トラッキング現象は、湿気+ホコリの組み合わせで起こるので、ホコリが溜まらないようにするだけでも危険を回避できます。
動かしにくい家具や家電の裏にあるコンセントは掃除しにくいので、掃除がしやすくなるよう壁との間に10cmほどすき間を開けるようにしましょう。
掃除がしやすくなるだけでなく、空気の通り道ができて湿気も予防することができますよ。
コンセント掃除の頻度は年1回を目安にする
コンセント掃除は、ホコリや湿気のたまりやすさによって違いはありますが、年に1回は掃除しましょう。
コンセントの点検も、掃除ついでに年に1度行っておくと安心です。
コンセントの点検項目は、
- 触れないくらい熱くなっている。
- ブカブカしてコードがすぐ抜ける。
- ヒビ割れしたり中身が見えていたりしている。
- 変色、または変形している。
コードの抜き差し点検をするときは、家電の電源を切ってから行ってくださいね。
点検項目に1つでも該当したら、修理・交換することをおすすめします。
まとめ
コンセントの掃除は、ブレーカーを落としてホコリを取って汚れを拭くだけの簡単3ステップでできます。
正しい手順で掃除すれば安全ですが、注意事項を守らないと感電したり火災が起こったりと危険性が高まるので注意が必要です。
コンセントを掃除したら、アイテムを使用したり家具家電の配置に工夫したりして、ホコリが付かないような予防対策もしておくとより安心です。
定期的にコンセントを掃除し、掃除するついでに点検も行って安心安全に暮らしましょう!
コンセント周りの掃除と一緒に、普段あまり手入れしないパソコンの掃除も行いたいですね。
(関連記事:パソコンの掃除方法と注意点。ホコリ対策はこれ)